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【天皇賞(春)】長距離重賞2戦を高評価、本命はヘデントール 好データで前進必至ジャスティンパレスが対抗

天皇賞(春) 1、2番人気の好データ
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ⒸSPAIA

春の盾をめぐる争い

今週日曜、京都競馬場でGⅠ・天皇賞(春)が行われる。昨年の勝ち馬テーオーロイヤルこそ不在だが、その2着馬ブローザホーン、2年前の覇者ジャスティンパレス、前走で長距離重賞を快勝したサンライズアースとヘデントール、条件戦連勝から臨むハヤテノフクノスケなど15頭が出走予定だ。

同日朝にはアメリカで「スポーツで最も偉大な2分間」ことケンタッキーダービーが行われるが、こちらも負けない熱戦となりそうだ。春の盾を手にするのは果たしてどの馬か。過去10年のうち、阪神開催の21、22年を除く8年分のデータから検討する。

長距離実績ある人気馬は盤石

天皇賞(春)の人気別成績,ⒸSPAIA


<天皇賞(春)・人気別成績>
1~2番人気【8-1-1-6】勝率50.0%/連対率56.3%/複勝率62.5%
→同年の3000m以上重賞勝ち馬【4-0-1-1】勝率66.7%/連対率66.7%/複勝率83.3%
4~6番人気【0-4-4-16】勝率0.0%/連対率16.7%/複勝率33.3%

長距離重賞ということもあり、堅く決まりがちなこのレース。人気別で詳しく見てみよう。

1番人気【4-1-0-3】、2番人気【4-0-1-3】までで勝ち馬8頭を独占。着外にも23年タイトルホルダー(競走中止)、24年ドゥレッツァ(15着。熱中症、レース後に骨折が判明)がいる事を踏まえると圧倒的な成績である。特に2番人気はドゥレッツァ以外の2頭も4着とほとんど崩れていない。

3番人気【0-0-1-7】は振るわないものの、4~6番人気が【0-4-4-16】で1年に1頭はこのエリアから好走する計算。それ以降の穴馬は入れても1頭までと言えそうだ。

ここに長距離実績というファクターを加えて考える。「その年に3000m以上の重賞勝利経験あり」という条件では、全体が【4-1-3-5】、2番人気以内だと【4-0-1-1】。該当するであろうサンライズアースとヘデントールの他、サウジアラビアの3000m重賞・レッドシーターフハンデキャップをハンデ60kgで勝利したビザンチンドリームには要警戒だ。

前走レース別で見ると、やはり阪神大賞典組が圧倒的。勝ち馬は【4-0-2-1】で全頭が4着以内。勝ち馬以外も活躍しており、前走6着以下から2度、このレース2桁人気の馬からも2度の馬券絡みがある。今年は上位人気で馬券圏外だったショウナンラプンタ、ワープスピードと、逆に前走で復調の気配を見せたブローザホーンら中穴層が充実。どれかが穴を空けてもおかしくない。

一方で振るわないのが日経賞組【0-1-1-30】。3番人気以内でも【0-0-0-6】だ。前述のタイトルホルダーを除いても、16年には1番人気ゴールドアクターが12着。菊花賞3着の実績がありながら、久しぶりの超長距離が堪えたか4角2番手から後退する形だった。今年の勝ち馬マイネルエンペラーは今回が初の3000m超のレース。評価を下げたい。

また、前年以前の天皇賞(春)の成績も参考にできる。前年3着以内だと【2-4-1-6】複勝率53.8%、6番人気以下でも【0-1-1-3】。シュヴァルグランが3年連続好走、ディープボンドは阪神開催を含めて4年連続で好走した。昨年2着のブローザホーン、一昨年1着のジャスティンパレスに追い風のデータだ。

直近2走どちらも好内容で

◎ヘデントール
4角15番手から上がり33秒7で8着だった青葉賞を除けば連対を外しておらず、先着されたのは後の皐月賞馬ジャスティンミラノと、菊花賞でのアーバンシックのみ。菊花賞では勝ち馬に離され、3、4着とはタイム差なしだったが、3着アドマイヤテラ、5着ビザンチンドリームなどその後長距離戦で活躍した馬に先着の事実を評価したい。

ダイヤモンドSでは道中先行から4角で早め先頭に立つと、そのまま横綱相撲でゴール。後続に0秒7差をつけた。確かに前走ダイヤモンドS組の成績は【0-1-0-13】と悪いが、その14頭には本番で2番人気以内がいないなどレベルの問題。くわえて、昨年はテーオーロイヤルがダイヤモンドS勝ちから阪神大賞典を経由して天皇賞(春)を制しており、気にする必要はない。シンプルに能力で通用する。

◯ジャスティンパレス
一昨年の覇者。5歳時には中距離のGⅠを5戦して馬券圏内はなかったが、重馬場の宝塚記念を除いて掲示板を確保した。地力は衰えていない。前走の大阪杯は6着に終わったが、守備範囲外と言える2000mで3着とハナ、クビ、クビ差ならば悲観することはないだろう。

データでも前年ジャパンC5着以内馬は【1-2-0-3】、有馬記念5着以内馬は【4-1-1-5】と通用している。相手緩和で前進は必至だ。

▲サンライズアース
昨年のダービーでは通過順17-17-2-2と大胆なマクリを打つと、長い府中の直線を粘り、後の有馬記念馬レガレイラ以下の追い上げを振り切っての4着。クラシック期から能力の片鱗を見せていた。

古馬になってからの3戦は先行策を取るように変化。阪神大賞典ではそれが功を奏し、格上挑戦ながら6馬身差、1秒0の大楽勝だった。一方で早仕掛けをした日経新春杯ではシンガリ負け、2走前の2400m戦ではクビ差とはいえ3勝クラスで敗れるなど脆さも持ち合わせており、過去の阪神大賞典勝ち馬ほどの安定感はない。そのため▲評価としたが、ハマった時の怖さはある。

以下ビザンチンドリーム、シュヴァリエローズ、ブローザホーンまで印を回す。買い目は◎◯-◎◯▲-6頭の3連複で勝負する。

▽天皇賞(春)予想▽
◎ヘデントール
◯ジャスティンパレス
▲サンライズアース
△ビザンチンドリーム
×シュヴァリエローズ
×ブローザホーン

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ京都大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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