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【オークス】差しが決まる樫の舞台で今度こそ 京大競馬研の本命はナミュール

オークスインフォグラフィック,ⒸSPAIA
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おおむね全馬スタミナ不足、末脚の溜まる差し有利

5月22日(日)に東京競馬場でオークス(GⅠ)が行われる。桜花賞馬スターズオンアースや2歳女王サークルオブライフ、新勢力としてアートハウスやエリカヴィータなどが参戦して多彩なメンバーが揃った。

桜花賞は馬場の内外で有利不利が大きく、力を出し切れなかった馬が多数いた。今回は距離が大幅に延びての仕切り直し。スタミナの切れた馬から脱落するサバイバルレースで、今度こそ全馬に力を出し切ってほしいものだ。


過去10年オークス脚質別成績,ⒸSPAIA


まずは過去10年のオークスでの脚質別成績を調べた。驚くべきは過去10年で逃げ馬が一度も馬券に絡めていないことだ。先行馬も【1-4-1-31】と不振で、勝ったのは2歳GⅠ馬だったソウルスターリングのみ。それまで主にマイル以下を使ってきた牝馬が、距離が延びても横綱相撲で押し切ることは難しく、垂れたところを最後差されてしまうのがお決まりになっている。

一方、前の動きを見ながら中団から競馬をした馬は【6-4-9-63】と圧倒的で、後方待機勢が【3-2-0-44】で複勝率10.2%。確率の面では不振なのだが、単勝オッズ10倍未満の人気馬に絞ると【3-2-0-2】と信頼度が跳ね上がる。強烈な末脚を武器に上位争いをしてきた馬は、皆がバテていくオークスの舞台でこそ輝くだろう。

好走ローテは三択、フローラS組で差した馬は穴で推奨

過去10年オークス前走レース・着順別成績,ⒸSPAIA


次に過去10年の好走ローテーションを調べた。昨年も似たような内容を記述したが、上下の実力差がはっきりしているオークスでは毎年ほぼデータに沿った結果になるため、今年も採用したい。各レースの着順も含めたデータを参考にする。

GⅠの桜花賞組が優勢になっているのは当然で、桜花賞馬のオークス成績は【3-1-0-4】。二冠達成率は37.5%。桜花賞2、3着馬の成績も【3-2-3-9】と悪くない。一方で桜花賞4着以下の馬は【1-2-1-50】と不振。ここから馬券になった4頭は全て前々走で重賞を勝っており、かつ桜花賞で4番人気以内の支持を受けていた。桜花賞だけしくじった馬については巻き返しを期待できるだろう。

もう一つの有力ステップレースはフローラSだろう。優先出走権がもらえるフローラS1、2着馬の成績は【0-4-2-13】。桜花賞組に距離不安がある場合に相手で買う程度にしたい。フローラSで3着以下に敗れた馬は【1-0-1-24】とほとんど無視でいいのだが、馬券になった2頭はフローラSで差し損ねた馬だった。差し不利の馬場を伸びてきた馬だけは評価したいところだ。今年のフローラSも東京開幕週と言うことで例に違わず内先行有利。外から伸びたルージュエヴァイユだけ相手に含める。他は馬場と展開有利を多分に受けているため消し評価とする。

桜花賞当日に行われる忘れな草賞は半ばオークストライアルと化しており、忘れな草賞1着馬は【2-0-1-7】。今年の勝ち馬アートハウスは加速ラップを踏んでおり勝ちっぷりは強烈。ただし桜花賞同様トラックバイアスの影響はあった。内容を鵜呑みにはできないという評価だ。


桜花賞でも本命、枠の差で負けた悔しさここで晴らす

◎ナミュール
桜花賞は大外枠から外を回すもトラックバイアスには逆らえず10着まで。しかしチューリップ賞でサークルオブライフを、赤松賞でパーソナルハイとスターズオンアースをあっさりかわしており脚力は明らかに上位。前々走で重賞勝利というオークスの巻き返し条件を満たし、不調から立ち直ってきた横山武史騎手の継続騎乗もプラス。人気も落ちる今回は単勝で狙ってみたい。

◯サークルオブライフ
桜花賞はナミュール同様不利な外枠から外を追い上げて4着。距離に心配はなく、桜花賞で安全策をとり、オークスへ向けてストレスフリーなレースが出来たこともプラス。巻き返し条件の前々走チューリップ賞では3着に敗れているものの、試走の意味合いが強かったため度外視したい。オークスで好成績を残す「上位人気の追い込み馬」であることもプラス。連系での信頼度はナミュールより高め。

▲プレサージュリフト
桜花賞は不利な外枠、出遅れで終戦。キャリアの浅さが仇になった。クイーンCで先に抜け出したスターズオンアースを差し切るなど、こちらも実力は確か。ナミュール同様、桜花賞だけ凡走した馬に該当。オッズ妙味もある。

△スターズオンアース
桜花賞は馬群を割って勝利。東京中山で結果を残し、距離延長も問題ない血統。オークスでのオッズ急落も狙っていたのだが桜花賞でも勝ち切られてしまった。買わざるを得ないが、桜花賞は上手く行き過ぎた。

×ルージュエヴァイユ
フローラSは脚を余して5着。2016年3着のビッシュと同じローテ、同じ着順。

×アートハウス
忘れな草賞では加速ラップを踏むが、馬場有利あった。ハイペースのエリカ賞は大敗しており先行策で押し切れるだけのスタミナはない。

×ウォーターナビレラ
前走がマイナス14kgの究極仕上げ。馬体がピカピカでパドックを見た瞬間勝てると思う出来だった。桜花賞以上を期待できない上に先行馬。後ろがかなり強力で厳しい戦いを強いられるだろう。地力に期待して相手には入れるが消しに近い。

馬券はナミュール単勝、ナミュールとサークルオブライフ軸で相手△までの馬連5点、サークルオブライフ軸の三連複15点で勝負する。桜花賞下位馬の巻き返しが決まれば配当面でも美味しくなりそうだ。(文:福山)

オークス 予想印
◎ナミュール
◯サークルオブライフ
▲プレサージュリフト
△スターズオンアース
×ルージュエヴァイユ
×アートハウス
×ウォーターナビレラ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。部員は随時募集中。



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