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夏競馬の定番「ダート1700m」戦 攻略の糸口は単純明快、斤量にあり!

2021 7/22 17:00佐藤永記
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夏カラッカラの1700mパワーダートは軽量馬の天国

7,8月のダート1700m戦斤量別成績,インフォグラフィック,ⒸSPAIA

いよいよ全国的に暑くなって夏を否応なしに感じるようになってきましたね。

そして競馬もローカル開催が多くなり、いつもと違うアノ条件に遭遇する機会が増えてきた。そう、「ダート1700m」はこの時期に沢山見かけるコース条件。今回は夏のダート1700mを攻略しようという内容だ。

7、8月ダート1700m斤量別成績(2018年以降),ⒸSPAIA

注目すべきは「斤量」である。2018年7月~今年7月18日までの期間で見てみると、斤量53kg以下の単勝回収率は100%を超え、50~51kgでは161%まで跳ね上がっているのだ。夏場のカラッカラなパワーダートでは少しの斤量差が大きく影響するのではないかと推測できるのだが、その中身をもう少し見てみよう。

まずは斤量別で複勝回収率を見てみると、実はあまり差がついていない。つまり、斤量の軽さはあくまで「勝ち切るための後押し」にはなるが「上位に入る後押し」にはなっていないことがわかる。軽斤量を理由に狙うならば思い切って頭勝負だ。

7、8月ダート1700m騎手減量状況別成績(2018年以降),ⒸSPAIA



そして、軽斤量が勝ち切るということは、減量騎手が勝てる条件であるともいえるだろう。実際に1kg減~3kg減の減量騎手騎乗時でデータを出してみると、1kg減で単勝回収率が110%、2kg減で135%、3kg減で120%とプラスになっている。さらにおまけで、1kg減の場合は複勝回収率も117%だ。

すでに今夏も猛威をふるっている減量騎手

ここまで来るともうおわかりだろう。夏のダート1700mは減量騎手の狙いどきなのである。ただし、女性騎手の減量はあまりオイシくない。4kg減(通算50勝以下)での回収率は100%を大幅に下回り、藤田菜七子騎手が51勝以上100勝以下だった時代に3kg減で乗っていたときも【1-2-0-11】と、勝てないワケではないが回収率としては単で51%、複で55%である。現在、藤田菜七子騎手は◇2kg減だが、これも【1-0-2-17】で単勝回収率13%、複勝回収率は33%と高い期待値は出せていない。

今年7月3日~18日ダート1700m騎手減量状況別成績,ⒸSPAIA


ちなみに今年7月はすでに3週開催されているが、ダート1700mでの単勝最高配当は7月11日の小倉7R・1勝クラス(16頭立て)で記録した単勝14番人気キタノインディ・富田暁騎手(☆1kg減)での9150円で、さらに今年7月これまでの1kg減騎手全体の成績では【4-4-4-27】、単勝回収率304%、複勝回収率は180%と例年より大幅に高いのである。4勝の内訳は菅原明良騎手の2勝、そして富田暁騎手の2勝だが、泉谷楓真騎手や亀田温心騎手も複勝圏実績がある。とにかく減量騎手をダート1700mでみつけたら単勝を買っておこう、といった状態だ。

また、今夏の3kg減は回収率こそ100%を割っているが【4-5-2-56】と勝利数では劣っていない。永野猛蔵騎手が2勝、松本大輝騎手、小林脩斗騎手が1勝している。4勝とも割と有力馬に乗せてもらったもので回収率はついてきていないが、逆に言えば「人気上位馬に3kg減の騎手が騎乗していても割引材料にならない」という事がいえるだろう。

普段はリーディング上位の有力騎手が注目されがちだが、夏のダート1700mは期待の若手が輝く最高の舞台だ。彼らを馬券で応援しながら、割のいい的中を狙ってみる夏はまだまだ続く。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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