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【エプソムC】ハイブリッド式消去法の本命候補はアルジャンナとファルコニア ヒモ穴は本格化の兆しを見せるシュリ

2021 6/9 06:00八木遊
過去10年のエプソムC『美浦所属騎手』かつ『前走が重賞以外』の成績ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

先週の『安田記念』は、シュネルマイスター、グランアレグリア、そしてダノンプレミアムの3頭で勝負した。しかし、ダノンはダノンでもダノンキングリーが勝利。運にもツキにも見放された春競馬が続く……。

気を取り直し続けること早2か月。今週は日曜日に東京競馬場で行われる『エプソムC』を予想する。引き続き、過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を消していきたい。

『美浦所属騎手』×『前走非重賞』★3.3%★

まず取り上げるのは、騎手の所属別。関東圏の重賞にもかかわらず、過去10年の成績は栗東所属騎手が【6-8-4-20】(複勝率47.4%)と圧倒的だ。一方、美浦に拠点を置く騎手は【3-2-6-107】(同9.3%)で、その差は一目瞭然。組み合わせるのは前走クラス。前走で重賞以外のレースを走っていた馬に美浦所属騎手が騎乗した時は【1-1-0-58】(同3.3%)と好走は期待薄だ。最初の消去データにこの組み合わせを取り上げたい。

今年この条件に当てはまったのは、除外対象のフランツを含め8頭に上った。昨年のスプリングS勝ち馬で、皐月賞3着のガロアクリークは最初の条件で消去された。

【今年の該当馬】
・アトミックフォース
・ガロアクリーク
・セダブリランテス
・フランツ*
・プレシャスブルー
・ミラアイトーン
・ヤシャマル
・ワンダープチュック

『前走馬体重490kg以上』×『前走馬体重4kg以上増』★4.3%★

東京芝1800mはスローの瞬発力勝負になりやすいコースで、パワーよりも切れ味を必要とする。前走馬体重が490kg以上という馬格を持つ馬は【4-1-4-62】(複勝率12.7%)で、好走率はやや落ちる。中でも凡走率が高いのは、その前走で馬体重を4kg以上増やしていた馬。その成績は【0-0-1-22】(同4.3%)で、5%にも満たない。

今年この条件に当てはまったのは、ガロアクリークとマイラプソディの2頭。前走の都大路Sで復調の兆しを見せたマイラプソディだが、ここは思い切って「消し」としたい。

【今年の該当馬】
・(ガロアクリーク)
・マイラプソディ

『前走から距離延長』×『6歳以上』★6.3%★

続いては前走からの距離変動で、延長組を取り上げたい。前走で1800m未満を使われた馬は過去10年で【4-3-2-35】(複勝率20.5%)。これは短縮組と同距離組を複勝率で上回っている。ただし、6歳以上の馬に限ると、【0-1-0-15】(同6.3%)で、消去条件に引っ掛かってしまう。

当てはまったのは、エアアルマスなど3頭。2頭は既に消去済みのため、エアアルマスを消去リストに追加する。

【今年の該当馬】
・エアアルマス
・(セダブリランテス)
・(ミラアイトーン)

『関東馬』×『前走から斤量増』★7.7%★

4つ目は、過去10年で【5-3-6-70】(複勝率16.7%)の関東馬をピックアップする。その好走率は関西馬(同20.3%)に比べても遜色はないが、前走との斤量差がカギを握る。前走と同斤量もしくは斤量減で出走してきた関東馬は【5-3-4-46】(同20.7%)という好成績。一方、前走から斤量が増えて出走した馬は【0-0-2-24】(同7.7%)とやや苦戦している。

4つ目の消去条件に当てはまったのは4頭。新たにニシノデイジーとヒュミドールの2頭が消去対象となった。

【今年の該当馬】
・(アトミックフォース)
・ニシノデイジー
・ヒュミドール
・(プレシャスブルー)

『前走から距離短縮』×『今回4~6枠』★0.0%★

最後は、前走からの距離変動で、今度は短縮組を検討する。過去10年の成績は【2-3-5-47】(複勝率17.5%)できわめて平均的な数字だ。ただし入った枠順で明暗が分かれる。内目の1~3枠だと【2-1-3-14】(同30.0%)、外目の7~8枠は【0-2-2-12】(同25.0%)とそろって好走率は高い。好走例がないのは、ちょうど真ん中の4~6枠で、【0-0-0-21】(同0.0%)と3着以内は皆無。最後はこの条件を採用する。

残っている7頭の中で、前走から距離短縮での参戦はアドマイヤビルゴ、サトノフラッグ、そしてヴェロックスの3頭。上位人気が予想されるこの3頭が4~6枠に入れば消去対象となる。

【今年の該当候補】
・アドマイヤビルゴ
・サトノフラッグ
・ヴェロックス

全ての消去データを確実に免れるのは、アルジャンナ、ザダル、シュリ、そしてファルコニアの4頭。今のところ狙いたいのはアルジャンナとファルコニアのディープインパクト産駒2頭だ。2度目の重賞挑戦となるシュリは前走の谷川岳Sを逃げ切って新味を出した。ヒモ穴候補として一考したい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中(6月6日時点の回収率は30.9%)。

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