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【弥生賞】カギを握るのは週末の天気 始動戦ダノンザキッドの馬場適性は?

2021 3/4 11:27三木俊幸
2021年弥生賞ディープ記念の馬場適性チャートⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

先週日曜日はクッション値12.2

皐月賞と同じ中山2000mで争われる前哨戦、弥生賞ディープインパクト記念。このレースが始動戦となる2歳王者ダノンザキッドに対抗できる馬はいるのか、馬場適性の観点から分析していく。

2回中山開催の開幕週となった先週末の中山芝コースは、金曜日の時点でクッション値が12.1。公表されるようになった昨秋の5回中山開催以降、最も高い数値を記録。土曜日は11.9、日曜日は12.2と硬い馬場状態になっていた。

2/27,28中山芝のタイムと上がりⒸSPAIA

2/27,28中山芝上位馬の通過順ⒸSPAIA


それに伴い、土曜日のメインレース幕張S(3勝クラス・芝1600m)は1:31.8、日曜日の中山記念(GⅡ・芝1800m)は1:44.9で決着するなど、全体的に高速決着となるレースが多かった。上がりタイムは、勝ち馬9頭中8頭が上がり34.5以下。昨秋以降の馬場とは違い、上がりが出やすい傾向にあった。

また通過順位を見ても先行馬の活躍が顕著で、3着内に好走した馬の88.9%が4角4番手以内というデータが見られ、いかにも開幕週らしい馬場状態だったと言える。

しかし、今週末は土日とも雨予報が出ている。1週を終わった時点では傷みがほとんどない状態ではあるが、道悪適性も考慮しつつ予想を組み立てていく必要がありそうだ。

相手候補筆頭はタイムトゥヘヴン

今年のメンバーの顔ぶれを見ると、逃げて結果を残してきた馬もいるが平均〜スローペースになると見ている。注目馬としてダノンザキッド、シュネルマイスター、タイトルホルダー、ソーヴァリアント、ワンデイモアの5頭をピックアップする。

2021年弥生賞ディープインパクト記念の馬場適性インフォグラフィックⒸSPAIA


【ダノンザキッド】
新馬戦、東京スポーツ杯2歳S、そしてホープフルSと3連勝で最優秀2歳牡馬に輝いた。今回は休み明けで次を見据えた仕上げになるが、先行力があってコース実績も十分。さらに新馬戦は稍重で走っていることからも、多少の道悪なら難なくこなしそうだ。能力面を考えるとここはあっさり通過してもらいたい。

【シュネルマイスター】
前走のひいらぎ賞は5、6番手追走から直線で抜け出し、後続に0.5秒差をつけて快勝。追われてからの爆発力を見る限り、かなりの能力を秘めていることは間違いない。ただし2000mへの距離延長がプラスに働くかと言われれば微妙。押さえ評価までとする。

【タイムトゥヘヴン】
前走の京成杯ではスローペースに持ち込んで2着に逃げ粘った。番手に控えたとしても問題なく、自在性も兼ね備えている。3走前はスローペースに泣き4着に終わったものの、稍重の馬場で上がり最速の35.2を使って伸びてきていた。雨が降っても問題ないタイプだ。

【ソーヴァリアント】
新馬戦から3戦は差すレースを見せていたが、前走は不良馬場の中山2200mで2番手追走から早め先頭に立って押し切った。道悪適性の高さは証明済みなので、雨の影響を受ける馬場状態となった際に浮上してくる一頭だ。

【ワンデイモア】
今回と同舞台の前走は、前半1000mの通過が59.5と流れたこともあったが、2:01.3という好タイムで勝利。跳びが大きく、いかにも広いコースの良馬場向きというタイプだが、能力では引けをとっていない。先々まで注目したいという意味合いも含めて推奨しておく。

▽ディープ記念予想▽
◎ダノンザキッド
○タイムトゥヘヴン
▲ソーヴァリアント
△シュネルマイスター
☆ワンデイモア

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。


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