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【阪神JF】前走大敗は度外視 穴馬ユーバーレーベンに変わり身の予兆あり

阪神JF4角通過順位別成績 インフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

末脚を重視

12月13日(日)に阪神競馬場で行われる阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ・芝1600m)。来年のクラシック戦線での飛躍を誓う2歳牝馬18頭が仁川のターフに集結する。

下馬評では札幌2歳S、アルテミスSと重賞連勝中の白毛馬ソダシや、デビューから2連勝中の良血馬サトノレイナス、あるいはファンタジーSをレコードで制したメイケイエールなどが人気を集めているが、果たして信頼すべきはどの馬なのか。

また、馬券的に狙いたい穴馬はどれか。今週もデータを踏まえて検討していこう。はじめに、過去10年の傾向を分析する。

過去10年 阪神JFのタイムと4角順位ⒸSPAIA


多頭数のGⅠという条件、さらに逃げ・先行で勝ち上がってきた馬が多い2歳戦ということもあり、前半からペースが流れることが多い傾向にある。昨年はレシステンシアが前半3F33秒7というペースで飛ばし、4角1、2番手のワンツーという稀有な事態となったが、4角10番手以下の馬が4勝と最も多く、次いで4角5〜9番手だった馬が3勝というデータを見ると、やはり末脚のある馬の方が計算は立ちやすい。

今年のメンバーでは、前走でレコード勝ちを収めたポールネイロンと快速馬エイシンヒカリ産駒エイシンヒテンの2頭あたりが逃げ候補。他にも前目につけたい馬は多く、少なくとも例年と同じくらいにはペースが速くなりそう。後ろから運ぶ馬に展開利があると考えたい。

距離経験をどう考えるか

昨年はレシステンシアが1分32秒7のレコードを記録、さらに同じコースで行われた今年のデイリー杯2歳Sでそれが0秒3更新されるなど、昨今は2歳レコードが目まぐるしく塗り替えられている。

このレースでもレコードホルダーが3頭出走しており、注目が集まるところではあるが、一方でレコード勝ちを経験した馬は過去10年で【0-1-0-6】で馬券圏内はリスグラシューただ1頭のみ。時計だけを過大評価するのは避けるべきだろう。

過去10年 阪神JFの距離経験別成績ⒸSPAIA


もう一つの論点としては、マイル初挑戦となる馬の取捨が挙げられる。過去10年で見ても昨年のレシステンシア1頭を除いて、勝ち馬は全て1600~1800mの距離を経験していることからも、距離延長で初のマイルというのはやはり割引材料と捉える必要はありそうだ。

また1400m以下しか経験がない馬は【1-2-3-55】という成績だが、馬券になった6頭のうち4頭はすでに重賞を勝った経験があり、やはり実績馬を除いて長めの距離経験がある馬を上位に評価したい。

前走を度外視して……

本命にはユーバーレーベンを推奨する。前走のアルテミスSでの9着大敗という結果を見れば軽視したくなるところだが、レース上がり34秒0の流れの中を4角14番手に控える競馬では大敗もやむなしといったところ。距離に問題はないし、前が速くなれば早め進出から2着に入った2走前のようなしぶとい末脚が生きてくるはずだ。

デムーロ騎手への乗り替わり、および調教後の馬体重が前走から大きく減っているのをどう捉えるかは難しいところだが、ここは変わり身の予兆と捉えたい。

対抗はソダシ。序盤で好位を確保するレースセンスの高さがこの馬のセールスポイントであり、末脚比べとなったアルテミスSでも好位で折り合って、きっちり速い上がりを使って完勝。全体的に減点ポイントが少なく、GⅠの舞台でも信頼したい。

3番手にオパールムーン。レコード決着となった前走のファンタジーSでは後方から上がり最速で追い込んで0秒1差の2着。ゴール前の勢いは勝ち馬を凌ぐものだった。過去2戦はスタートで立ち遅れており器用さには欠けるタイプのように映るが、そのぶん外回りの1600mに替わるのは好材料だろう。距離延長で初のマイル戦ということにはなるが、狙う価値はあるはずだ。

4番手にサトノレイナス。前走のサフラン賞は展開と外差しが決まる馬場状態とが噛み合っての競馬であり過大評価はしたくないが、直線でムチが入ってからの脚はやはり非凡。出走中、唯一のディープ産駒にしてルメール騎手が鞍上ということで過剰人気が気になるが、軽視はできない。

メイケイエールについては、前走で折り合い面での課題が露呈したのが気掛かり。掛かり通しでレコード勝ちと聞けば非凡さが際立つが、2着馬には3/4馬身まで迫られており、そこまで力が抜けてはいないとみて相手評価にとどめたい。以下、相手にはサウジアラビアRC・2着のインフィナイトと良血馬ジェラルディーナを押さえておく。

▽阪神JF予想▽
◎ユーバーレーベン
○ソダシ
▲オパールムーン
△サトノレイナス
×メイケイエール
×インフィナイト
×ジェラルディーナ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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