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【京阪杯】穴党の「敗者復活」をもたらした12人気ジョーアラビカ 激走を裏づけたデータとは

2020 11/30 11:55勝木淳
2020年京阪杯レース展開インフォグラフィックⒸSPAIA
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各馬の好走要因は

京阪杯がジャパンC当日の最終レースに組まれたのは14年から。以降6回の1人気成績は【1-1-0-4】。勝利は9人気以内、複勝圏には15人気まで来ており、ダービーデイの目黒記念同様に敗者復活の機会を提供してきた。今年は3人気フィアーノロマーノ、1人気カレンモエが1、2着。穴党にはいささか厳しかった。だが3着に12人気ジョーアラビカが突っ込み、その役割を果たしてくれた。

阪神芝1200mは内回りで3角までの距離が短い。コーナーまでの距離を意識し、早めに先行勢が引くため、スプリント戦としてはハイペースになりにくい設定。ところがジョーカナチャンがハナを主張するも外のカレンモエ、ラブカンプーがそれなりに主張して引かなかったため、3頭雁行状態のまま3角へ突入。前半600m33秒8は平均よりやや厳しいラップ。

一旦引いたカレンモエ、最初に脱落したラブカンプーによってジョーカナチャンのマイペースかと思いきや、残り400mで再び外からカレンモエが接近。この動きに後続が呼応した。息を入れるタイミングなくコーナーでかなり外を攻めたカレンモエの2着は、前走3勝クラス勝利直後であることを考えると立派で、早くも重賞通用の目途を立てた。

先行集団を見ながら中団でじっくりレースを運んだのが、勝ったフィアーノロマーノ。これで1600mと1200mで重賞2勝。スタート直後やや加速に手間取っていたように、本質はスプリンターではないかもしれない。だが、夏に1200m戦を経験してきたことで行き脚がつくと流れに乗って手応えは抜群、外のタイセイアベニールの仕掛けにも余裕をもって対応できた。ベストは1400mあたりだろうが、守備範囲が広く、若いころより器用さも出てきたので、マイル以下では今後も面白い存在だ。

そして3着のジョーアラビカ。京阪杯は前走3勝クラス組が【2-1-1-10】勝率14.3%、複勝率28.6%。複勝率はトップで上がり馬的存在が重賞通用の手ごたえをつかみやすいレース。その代表が1人気カレンモエだったわけだが、12人気ジョーアラビカは前走道頓堀S(3勝クラス)勝ち、盲点だった。これを見逃したのは痛い。

道中はカレンモエ以下の外の攻防には参加せず、後方のインコース待機。外の動きが活発だったために4角から直線は内側にスペースができた。ジョーアラビカの和田竜二騎手は冷静に前の馬の動きを待ち、ジョーカナチャンとロードアクアの間にできたスペースを抜けてきた。1、2着馬をはじめ外に馬が集まったことや、このコースとしては前半がやや速くなったことなど恵まれた面はあったものの、人気薄らしいギャンブル騎乗がはまった。

2、3着のカレンモエ、ジョーアラビカの好走で京阪杯の前走3勝クラス組は【2-2-2-11】複勝率は35.3%となった。競馬場を問わないデータなので、来年まで覚えておくとジャパンCで負けても、敗者復活に成功できる。

2020年京阪杯のレース展開図


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。


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