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【京都2歳S】「中9週以上」の複勝率83% 「クラシックへの意識」がデータにも表れる

2020 11/23 17:00勝木淳
2020年ラジオNIKKEI杯京都2歳ステークスデータインフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

キャリアの浅い組に注目

阪神で行われる京都2歳S。ややこしいことに、冠名のラジオNIKKEI杯はかつて暮れの阪神芝2000mで行われていた。競馬場が同じなのでそのデータでいいのではと頭をよぎったが、ラジオNIKKEI杯2歳Sはワンアンドオンリーが勝った13年が最後。データとしては古いものになってしまう。

やはり2歳重賞整備後の14年以降が妥当だろうと考え、ローテ面などを中心に競馬場の違いにあまり関係しない部分を探っていく。データは過去6年のものを使用する。

キャリア別成績(過去6年)ⒸSPAIA

キャリア別成績だが、5戦以上【0-0-0-7】でこの時期、手当たり次第に出走しまくるようなタイプは減点。やはりクラシックをしっかり意識した計画的ローテで挑む馬を狙いたい。

特にキャリア1戦は【2-1-2-5】勝率20%、複勝率50%で高確率。新馬勝ち直後の馬は積極的に買いたいところだ。

前走クラス別成績(過去6年)ⒸSPAIA

上記で触れた新馬以外では1勝クラス【2-0-2-13】、オープン【1-4-0-5】、GⅢ【1-0-1-3】の成績がいい。新馬と同じ1勝目勝ちたてでも未勝利組は【0-1-1-7】とやや苦戦傾向。新馬勝ちと未勝利勝ちはしっかり区別しておきたい。

一方で、GⅡ【0-0-0-5】は気になる。該当する2歳限定GⅡは京王杯2歳S、デイリー杯2歳Sの2レース。距離が1400、1600mなので、2000mとはカテゴリーが合わない上にデイリー杯は中1週の強行軍。このデータに限らず、2歳秋に詰めて使う馬は避けたいところだ。

よりクラシックを意識した馬が優位

2歳秋はまだまだキャリアが浅く、間隔を詰めた出走は多くないが、やはり嫌ったほうがいいだろうか。間隔別の成績をみよう。

間隔別成績(過去6年)ⒸSPAIA

中3週以内は【2-3-1-30】、中4週以上は【4-3-5-9】。全くダメとは言わないが、好走数、確率とも中4週以上のゆったりローテ組が上。

この時期はいかに計画的なローテーションで使うかが重要となる。なかでも中9~24週は【2-2-1-1】勝率33.3%、複勝率83.3%と好成績。想定ではバスラットレオン(GⅢ札幌2歳S3着)がいる。

前走距離別成績(過去6年)ⒸSPAIA

最後は距離に関するデータ。キャリアが浅いゆえに適性距離をつかみにくい面があり、距離経験は重要になる。

前走1600m以下は【0-0-0-11】で壊滅。上記のバスラットレオンが該当する前走1800mは【2-4-2-12】で悪くはないが、それ以上に前走2000m組が【4-2-4-16】と勝率で上位だ。

やはりクラシックを意識するのであれば、暮れのホープフルS、第一冠皐月賞の距離でもある2000mの経験は重要になる。

前走2000m組の前走クラス別成績(過去6年)ⒸSPAIA

1勝クラスは【2-0-2-10】。想定にはグラティトゥー、マカオンドールの紫菊賞2、3着馬がいる。

同レースを勝ったのはホープフルS有力候補のヨーホーレイク。レースレベルを占う意味でも注目したい。注目は前走2000m新馬戦を勝った馬で【2-1-1-3】。京都芝2000mの新馬戦を勝ったグロリアムンディがこれに当てはまる。

ラジオNIKKEI杯京都2歳ステークスデータ



ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。


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