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【チャレンジC】徹底解剖! 阪神芝2000m 当日まで覚えておきたいデータ

2020 11/29 17:00勝木淳
2020年チャレンジカップのデータインフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

揺れ続けたチャレンジC

1950年創設のチャレンジCは53年朝日チャレンジCと改め、14年朝日杯FSの阪神移行に伴い、創設時のチャレンジCに戻された。

距離は第2回まで芝2400m、第3回から芝2000mとなり、12~16年は芝1800mに変更、17年から再び芝2000mとなった。負担重量も1800m施行の5年はハンデ戦、17年以降は別定戦。施行時期は創設当初は10、11月だったが、57~60年は12月最終週、61~66年は10、11月、67~2011年は9、10月で定着、その後12年からは師走開催の開幕週になった。

このように、チャンレンジCはつねに施行条件が揺れ続けてきた。ということで、過去10年間のデータを使っての分析はしにくい。これで終わるわけにはいかないので、今回は舞台である阪神芝2000mを多角的に考えてみたい。データは過去10年、オープン以上の阪神芝2000m57レースを使用する。

まずはコース概略から。内回りコースを1周するコースでスタートは正面スタンド前坂下あたり。1角までの距離は325m。似たレイアウトの中山芝2000mは1角まで405mなので、阪神は若干短いものの、発馬直後に急坂を越えるためスタンド前の先行争いで速いラップが記録されにくい。

ただし、内回りで最後の直線は約356mと右回り最長の外回り約473mより短いため、後半早めにペースがあがる。これは、残り800mから直線半ばまで緩やかな下り坂になっていることも関係する。下り坂を利用して加速するのは京都と同じだ。

ただし、大きな違いが最後の急坂。高低差1.8m、勾配率1.5%の坂がゴール直前に立ちはだかる。中山の2.24%には及ばないが、ゴール寸前の坂で逆転する場面も多い。

阪神芝2000mのデータあれこれ

ではコース概略を頭に入れた上で具体的なデータをみていく。

枠番別成績(過去10年)ⒸSPAIA

発馬直後にコーナーがあるわけではなく、一見して枠番の有利不利はあまりなさそうだ。実際に複勝率でみると1枠21.7%、5枠18.9%、8枠21.8%と差は小さい。

しかし、勝率となるとやや偏りがある。1枠8.7%、2枠4.2%に対して7枠12.1%、8枠は10%と外枠が高い。7枠【13-11-8-75】、8枠【11-7-6-86】と外枠だけが勝利数をふた桁に乗せている。

阪神芝2000mは発馬直後の坂が影響するのかハイペースになりにくく、緩めの流れになりやすい。早めにペースアップするものの、前半が遅いため馬群が形成されやすい。外枠は馬群に入るストレスを受けにくく不利も少ないので力を出し切りやすいからだろうか。

種牡馬別成績(※着度数トップ10、過去10年)ⒸSPAIA

緩い流れになりやすいとなると、父ディープインパクトが【17-11-15-72】と活躍する。内回りは苦手な印象がある。

確かに、勝率は2位父キングカメハメハ【8-1-5-43】の14%と変わらない14.8%なので、ディープインパクト産駒全体の成績としては得意とはいえないものの、それでもトップを堅持。発馬直後の先行争いが激化しにくい舞台なので、そこで無理したくないディープインパクト産駒には好都合なのだろう。

対照的に、内回りに強い印象の父ハービンジャーが【1-2-2-21】と振るわない。一方、芝2200mの宝塚記念で特注種牡馬といわれる父ステイゴールドは【3-4-5-21】勝率9.1%、複勝率36.4%。複勝率は父ディープインパクトとそん色ない。父オルフェーヴルは【2-0-0-6】なのでステイゴールド一族はこの舞台で警戒すべきだろう。この辺は馬券戦略に生かしたい。

前走距離別成績(過去10年)ⒸSPAIA

前走距離別成績をみると、同距離の前走2000mは【16-17-14-149】勝率8.2%、複勝率24%。これは前走1800m【23-19-19-215】勝率8.3%、複勝率22.1%とほぼ同じ。似通った距離を走った馬は当然ながら好走しやすい。

注目は2400m【5-3-4-27】勝率12.8%、複勝率30.8%や2500m【2-3-5-17】勝率7.4%、複勝率37%。距離短縮が有効な舞台である。これも比較的前半ゆったりした流れになりやすいので、距離短縮組にとって前半追走しやすいからだろう。

スタミナを活かせる短縮組の鬼門は距離による前半のペース差で位置取りが悪くなるところにある。緩い流れはそれを相殺してくれる。

前走競馬場別成績(過去10年)ⒸSPAIA

不思議なことに前走阪神は【7-11-13-111】勝率4.9%、複勝率21.8%と勝ちきれない。前走京都が【25-13-14-160】勝率11.8%、複勝率24.5%と好成績。関東圏は複勝率こそ変わらないが、勝率では前走東京【7-10-11-67】より前走中山【10-9-10-73】がわずかに上回る。これは似たコースレイアウトなので納得だ。

前走脚質別成績(過去10年)ⒸSPAIA

最後に、前走でどんな競馬をした馬が好走するのか脚質別でみる。前走逃げは【3-6-1-64】でやや苦戦傾向。後半早めに動く競馬が多いので逃げ馬が自分のタイミングでスパートしにくいためだろう。そういった流れのため前走マクリ【2-0-0-8】や、前走後方【12-15-12-129】の成績は悪くない。

しかし前半が緩い流れになりやすいので、前走先行【28-22-22-165】勝率11.8%、複勝率30.4%がさらにいい。前半で無理なく走れるので、先行馬が後続の追い上げをしのぎやすいのではないか。

ただし、ここは紙一重。前半が早めに流れれば最後の坂で後方組に逆転される。前半のペースが結果を左右する舞台なので、事前の展開予想がカギになる。

チャレンジCのデータ



ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

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