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【みやこS】東海Sはハイレベル 本命は「外枠」「阪神コース」と買い材料がそろった穴馬

2020 11/8 07:00坂上明大
2020年マーチS トラックバイアス インフォグラフィック
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ⒸSPAIA

ハイレベルなGⅡ

例年、フルゲートでの激しい競馬が繰り広げられるみやこS(GⅢ・ダート1800m)だが、今年は10頭立ての少頭数。さらに、変則日程により今年は阪神ダート1800mでの施行と過去10年のデータ等はまったくアテにならない。紛れが少ない条件だけに、今年はより地力を重視したいところだ。

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。

【東海S】
変則日程により京都ダート1800mでの開催。コーナー角が緩やかな京都ダートに加えて、36.9-37.1-36.3のやや緩めの平均ラップにより全馬が能力を出せるレースであった。

1着馬エアアルマスは枠なりに外目3番手から。母父に揉まれ弱いエンパイアメーカーを持つ馬らしく、砂を被ることを嫌うタイプだけに、スッと外に出せたことが何よりも大きい。2着馬ヴェンジェンス、3着馬インティともにGⅡでは地力上位の実力馬だけに、本レースを押し切ったことは非常に価値がある。今回もスムーズに外に出せるか、さらに骨折明けでの仕上がりがカギとなるだろう。

6着馬ヒストリーメイカーも父にエンパイアメーカーを持つが、本馬は馬群でやや窮屈な競馬。ストレスの少ない競馬ならもっとやれた可能性は高い。

低レベルの可能性あり

2020年マーチS トラックバイアス インフォグラフィック


【マーチS】
リアンヴェリテが気分良く逃げて、3F分割ラップは37.0-36.8-37.5のタフな流れ。ラストは消耗戦に強い2頭での叩き合いとなった。

1着馬スワーヴアラミスは押して押して好位外目から。直線ではクリンチャーに迫られるも、二枚腰で粘り切った。ただ、次走の平安Sでヒストリーメイカーに先着されたことを考慮すると、東海Sを上に見るのが正解か。

2着馬クリンチャーは初めてのダートスタートが影響してか、発馬後に躓いて後方から。母父ブライアンズタイムらしい立派な腹袋が特徴的でタフなラップは向いたが、3角から一気に捲っていったことで、さすがにラスト1Fで脚色が鈍ってしまった。スタートは改善しているため、スワーヴアラミスとは逆転できる力関係だ。

勝負付けはまだ?

【太秦S】
1着馬ベストタッチダウンは前半3F35.2と速めのラップで入ったが、中盤3Fはガッチリ抑えて37.0。4角から一気にペースアップしてセーフティリードを確保し、ラストは後方勢の追撃も凌ぎ切った。ダート馬としては細身の馬体で軽い馬場向き。母父スペシャルウィークで、揉まれ弱いタイプだけにハナを切ることも好走必須条件のひとつだ。

4着馬クリンチャーは勝負どころで包まれて仕掛け遅れ。スムーズに運んだ5着馬ナムラカメタローとは勝負付けが済んだ形だが、1着馬ベストタッチダウンとは休み明けや斤量差の点からも逆転があって不思議ない力関係だろう。

東海S組を重視

参考レースを振り返った結果、ハイレベルな上位争いが繰り広げられた東海S組を重視。エアアルマス、ヒストリーメイカーの2頭に注目した。ともに揉まれ弱いエンパイアメーカーの血を引くため、少頭数の外枠は大きな買い材料でもある。特にヒストリーメイカーは2週続けて栗東坂路の自己ベストを更新。転厩4戦目、かつ2戦2勝の阪神ならチャンスは十分なので、こちらを本命とする。

◎ヒストリーメイカー
○エアアルマス

ライタープロフィール
坂上明大
元競馬専門紙トラックマン。『YouTubeチャンネル 競馬オタク(チャンネル登録者40000人強)』主宰。著書『血統のトリセツ』。血統や馬体、操法、ラップなどからサラブレッドの本質を追求する。


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