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【スワンS予想】当てはまるのは1頭だけ 京都芝のトレンドは「距離短縮」と「前走上がり最速」

2020年スワンSインフォグラフィックⒸSPAIA
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「阪神の」マイルCS前哨戦

10月31日に行われるのはスワンS。マイルCSの前哨戦という位置付けはいつも通りだが、今年はこの開催をもって京都競馬場がスタンド改修工事に入るため、マイルCSが阪神で行われる。日曜には京都で重賞がないため、現行のスタンドで行われる最後の重賞となる。

この記事では「近走で実力を発揮できなかった馬」の巻き返しに注目してスワンSの穴馬を探していく。何しろ、このレースを外すと次に京都の重賞で取り戻すチャンスが来るのは2年半後ということ。なんとしても的中しておきたい。

今開催の「トレンド」とは?

レースの予想に入る前に押さえておきたいのが、今開催の京都芝に見られている傾向。開幕週、2週目と連続でまとまった雨が降った影響で内側の傷みが激しく、タフで、外差しの届きやすい馬場になっている。

予想に生かしやすいのが、「前走上がり最速」だった馬の成績。今開催の京都芝で【6-6-13-19】の複勝率56.8%、複回収率115%をマークしている点は注目に値するだろう。

京都芝の前走距離別

京都芝1400m外の前走距離別



また、馬場がタフになっているからか、前走で長い距離を経験していた「距離短縮」の成績がいい。芝レース全体だと「距離延長」が勝率4.8%、「距離短縮」が同11.5%。スワンSの舞台である芝1400mの外回りに限定すると、「距離短縮」が複勝率50%で、単回収率139%、複回収率144%となっている。

以上、「前走上がり最速」と「距離短縮」という、今開催の京都芝に見られる2つのトレンドに当てはまる馬がいればベストだろう。そんな両方に合致するありがたい馬がアルーシャだ。

アルーシャの近走を単体で評価しても、2走前はパラダイスSで不良馬場の中をしぶとく伸びての差し切り。前走の敗戦は中山マイル戦らしい前残りの中、後方から短い直線だけで精一杯追い込んでの6着善戦。距離的にもマイルより1400mの方がベターな戦績をしている。

よってアルーシャが文句なしの本命。ちなみに、先述の馬場傾向から今開催は外枠の方が有利なのかとも調べてみたが、あまり有意な差が見られなかった。悪いところは各ジョッキー避けて回ってくるので、枠はさほど重要ではないようだ。

アドマイヤマーズの走り時

今回のメンバーで先述の「距離短縮」「前走上がり最速」の両方を満たす馬はアルーシャただ1頭。よって2番手以下にはどちらか片方だけに該当する馬をピックアップ。

まず対抗はサウンドキアラ。京都は重賞2勝を含む6勝を挙げる大得意コース。前走は東京マイルのアーモンドアイという規格外の相手に敗れただけの2着。単純に考えると例年のレベルならこの馬がGⅠを勝っていたとも受け取れる。この馬も距離短縮に該当するのは心強い。

3番手には直近5走連続で上がり最速のシヴァージ。1200mでは前半あまりにも置かれてしまうので結果が出ていない。ダート時代はマイルまで勝っている戦歴から1400mに不安はないだろう。

以下、「前走上がり最速」スマートオーディンと「距離短縮」アドマイヤマーズに印を回す。

アドマイヤマーズは個人的にイマイチ走り時がつかめていない馬。昨年の富士Sでの大凡走は中7週以内【4-1-0-0】、中8週以上【1-0-0-3】が示唆する、休み明けの動かなさによるものか。あるいは、57キロ未満【5-0-0-0】、57キロ以上【1-1-0-3】が示す斤量への敏感さによるものか。

いずれにせよ、休み明け58キロで挑む今回は実績ほどの信頼はおけないだろう。押さえ程度にとどめたい。馬券で狙うなら、豪華メンバーに交ってほどよいオッズが期待できそうな次回の方がベターと見ている。

▽スワンS予想▽
◎アルーシャ
〇サウンドキアラ
▲シヴァージ
△スマートオーディン
×アドマイヤマーズ


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