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【府中牝馬S予想】過去5年で単回収率128% 末脚自慢の「札幌から東京替わり」がアツい

2020年府中牝馬Sインフォグラフィック
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ⒸSPAIA

エリザベス女王杯の最重要ステップ

先週は毎日王冠が行われた東京芝1800m。10月17日にも同じ舞台で今度は牝馬の戦い、府中牝馬Sが行われる。直近4年間のエリザベス女王杯でここを叩いた組が3勝を挙げており、GⅠを占う上でも重要な一戦だ。

この記事では「近走で実力を発揮できなかった馬」の巻き返しに注目して、府中牝馬Sの穴馬を探していく。先週のサウジアラビアRCはバゴ産駒の3番人気ステラヴェローチェが快勝し、◎○▲のうれしい的中となった。3週連続の的中を目指して予想していく。

前走より直線が260m長くなる

今回の注目馬はシャドウディーヴァ。前走はクイーンSに出走、後方からよく伸びたものの4着が精一杯だった。

クイーンSの行われた札幌競馬場は、最後の直線が函館に次いで2番目に短いコース。Aコース使用時は約266mしかなく、追い込み馬はその266mにかけるか、ロスを覚悟でコーナーから外を回って仕掛けていくか、どちらかを強いられる形態だ。直線にも上り坂はなく、極めて前有利のコース。

逆に考えれば、末脚自慢の馬がこの札幌コースを走った際は実力以下の着順になることが多く、馬券的には不当に人気落ちする次走の期待値が高いのではないだろうか。実際にデータで検証してみる。

札幌芝上がり別次走成績



過去5年、札幌の芝レースで「上がり3Fが出走馬中2位以内」だった馬と、「3位以下」だった馬にグループ分けして次走の成績を算出する。すると、前者が次走の勝率14.0%に対し、後者は6.2%。連対率や複勝率も「上がり2位以内」だった馬の方がいい。しかし、これはそもそもラストで伸びた、伸びなかったで分けたのと同義なので、当然といえば当然の結果。

肝心なのは回収率だが、「上がり2位以内」の次走が単89%・複92%、「上がり3位以下」は単82%・複80%。確かに前者の方が期待値は高いのだが、差が小さすぎて何ともリアクションに困る。

札幌芝上がり別次走東京成績



ここでもう一歩踏み込んで、次走が府中牝馬Sの舞台、東京競馬場だった場合に絞ってみる。すると、「札幌芝で上がり2位以内だった馬」が「次走で東京に出走した時」の回収率は単128%・複121%となった。東京の直線は約526m。札幌より260mも長く、末脚の活かしやすさが段違いだ。単複を全て買っていれば、それだけで2割強の利益が出ていることになる。

少々遠回りしてしまったが、これに該当するシャドウディーヴァが本命。クイーンSではビーチサンバに並ぶ上がり2位タイだった。

シャドウディーヴァ自身の成績に注目しても、左回りは【1-4-1-3】に対し、右回りは【1-0-0-6】で、東京に替わるのは大歓迎。東京で4着以下だった3戦はGⅠが2つと不良馬場が1つ。標準的な馬場状態でGⅡなら好走を大いに期待できるだろう。

2番手はラヴズオンリーユー

2番手にはラヴズオンリーユー。ここまで馬券圏内を外したのはヴィクトリアマイルのただ一度だけ。この時はドバイ遠征帰り、前走から600m短縮となる2歳時以来のマイル戦。しかも勝ち時計1.30.6が出たようにスピードの求められる馬場で、中距離型のこの馬には厳しい条件だった。

前走の鳴尾記念2着も、終始経済コースを通ってきた牡馬のGⅡ・2勝馬パフォーマプロミスにハナ差敗れただけ。悲観するような内容ではない。牝馬限定に戻って1800m戦の今回は無難に走ってくるだろう。

以下、2・4走前のような道悪以外は堅実なサラキア、休み明けでフレッシュな状態の方が結果の出ているダノンファンタジー、器用さに欠けるタイプで前走の中山は合わなかったシゲルピンクダイヤに印を回す。

トロワゼトワルは夏場が好調な馬。得意のマイル戦だった前走からの距離延長にも大きな不安。フェアリーポルカはレース巧者で、東京のような大箱より近走使ってきた条件の方が得意だったとみて無印にする。

▽府中牝馬S予想▽
◎シャドウディーヴァ
〇ラヴズオンリーユー
▲サラキア
△ダノンファンタジー
×シゲルピンクダイヤ