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【秋華賞】デアリングタクトの相手は2頭で十分 ハイブリッド式消去法でライバルが軒並み消去に

2020 10/14 06:00八木遊
2020年秋華賞ハイブリッド式消去法インフォグラフィックⒸSPAIA
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5つのデータから絞れた馬は?

先週の『京都大賞典』は、終わってみれば上位人気3頭で決着。消去を免れた5頭は1、2、6、7、10着という結果に終わった。推奨したカセドラルベルは、昇級初戦で歴戦の強豪馬相手に厳しい競馬で10着。今週から始まる3週連続のGⅠで流れを変えたい。

今週の対象レースは『秋華賞』だ。過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。馬券対象から、1頭でも多く“消去”して週末の予想に臨みたい。今年の『秋華賞』ではどの馬が凡走する確率が高いのか、データで迫った。

※すでに回避が判明しているデゼルは対象に含めず。

『関東馬』×『前走5番人気以下』★0.0%★

まずは所属厩舎に注目。関西馬の【8-7-8-80】に対し、関東馬は【2-3-2-67】と苦戦している。関東馬で馬券に絡んだ7頭は全て前走で4番人気以上だった。5番人気以下だった馬は【0-0-0-34】なので、この条件を満たした馬は迷いなく消去したい。

今年は5頭がこれに該当。オークス2着のウインマリリン、紫苑S覇者のマルターズディオサなどが真っ先に消えた。

【今年の該当馬】
・ウインマリリン
・サンクテュエール
・パラスアテナ
・マジックキャッスル
・マルターズディオサ

『前走2000m』×『前走0.5秒差以上負け』★4.0%★

続いては、前走の距離とパフォーマンスに注目。秋華賞と同じ2000mを使われ、そのレースで1着馬から0.5秒以上の差をつけられていた馬は【0-1-0-24】。今年は前哨戦のローズSが中京の2000mで開催されたため、この条件に該当する馬が多くなった。

予想通り、この条件で消去対象となった5頭はすべてローズSでリアアメリアに0.5秒以上離された馬たち。2つ目の条件を終え、早くも10頭が消去された。

【今年の該当馬】
・アブレイズ
・オーマイダーリン
・クラヴァシュドール
・フィオリキアリ
・ホウオウピースフル

『キャリア9戦以上』×『生産者が非社台系』★4.7%★

続いては、キャリアと生産牧場に注目。過去10年の優勝馬で最もキャリアを重ねていたのは、3年前のディアドラで13戦だった(秋華賞が14戦目)。しかし、それ以外の9頭はいずれもキャリア8戦以下。キャリア9戦以上の馬は苦戦傾向といっていいだろう。特に生産者が『非社台系』だった場合は【0-1-1-41】で、複勝率は4.7%と低い。

今年この条件に該当したのは5頭。ローズS2着のムジカに加え、抽選対象のソフトフルートとダンツエリーゼが新たに消去された。

【今年の該当馬】
・(オーマイダーリン)
・ソフトフルート
・ダンツエリーゼ
・(フィオリキアリ)
・ムジカ

『母父ノーザンダンサー系以外』×『前走逃げ/先行』★7.5%★

秋華賞では母父ノーザンダンサー系の活躍が目立ち、過去10年で【5-6-2-53】。特に過去2年は、馬券圏内に入った6頭中5頭の母父がノーザンダンサー系だった。4つ目の条件として『母父ノーザンダンサー系以外』で、前走で逃げ/先行していた馬は【0-0-4-49】で、複勝率7.5%だった。

今年この条件を満たしたのは6頭。新たに2番人気が予想されるリアアメリアと抽選対象のクラヴェルを消去したい。

【今年の該当馬】
・(アブレイズ)
・(ウインマリリン)
・クラヴェル
・(パラスアテナ)
・(マルターズディオサ)
・リアアメリア

『前走馬体重480kg未満』×『前走上がり4位以下』★9.1%★

最後は、前走の馬体重と上がり時計を取り上げる。前走馬体重が480kg未満だった馬の成績は【7-9-9-121】だが、そのレースの上がりで速い脚を使えていたかどうかが重要だ。上がり3位以内だった場合は【6-6-5-40】で、複勝率は29.8%に上る。一方、4位以下だと【1-3-4-80】。複勝率は9.1%で消去条件を満たした。

最後の条件に該当したのは9頭いたが、うち7頭はすでに消去済み。新たに消えたのは、クイーンC勝ち馬のミヤマザクラと抽選対象のミスニューヨークの2頭だった。

【今年の該当馬】
・(ウインマリリン)
・(オーマイダーリン)
・(クラヴァシュドール)
・(サンクテュエール)
・(パラスアテナ)
・(フィオリキアリ)
・(マルターズディオサ)
・ミスニューヨーク
・ミヤマザクラ

5つの条件を経て、消去を免れたのは3頭。3冠を狙うデアリングタクト、オークス3着のウインマイティー、そして抽選対象のレイパパレだ。無敗の牝馬3冠を見たい気持ちはもちろんあるが、京都の内回りコースなら、差し損なう可能性は決して低くないだろう。また、ウインマイティーの前走はいかにも本番につながりそうな内容で、不気味な存在。オークスでも本命を打ったこの馬に再度重い印を打ちたい。

レイパパレが抽選を突破すれば、3頭の3連単と馬単をボックスで、抽選漏れなら、デアリングタクトとウインマイティーの馬単を表裏で勝負する予定だ。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。競馬との出会いはメジロマックイーンが勝った1990年菊花賞。その後、オルフェーヴルに魅了され今に至る。思い出のレースはトウカイテイオーが勝った1993年有馬記念とウイニングチケットが勝った1993年日本ダービー。