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【京都大賞典】京都で重賞好走歴のある馬は複勝率66.7% コース巧者狙いで高配ゲットのチャンス

2020年京都大賞典 インフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

京都の重賞で好走歴のある馬を狙え

今週から京都・東京開催が始まり、いよいよ秋競馬本番を迎える。両競馬場ともに週末は雨予報となっており、京都大賞典(GⅡ・芝2400m)を予想するうえでも、しっかりと馬場状態をチェックして臨みたいところだ。

京都大賞典3着以内馬の成績(過去10年)ⒸSPAIA


過去10年の京都大賞典で馬券に絡んだ30頭のうち、過去(当レース以前)に京都競馬場の重賞で3着以内を経験している馬が1着6頭、2着7頭、3着7頭と20頭もおり、複勝率は66.7%という高い結果となった。

その実績は直近のものだけではなく、昨年11番人気1着と大波乱を巻き起こしたドレッドノータスは京都2歳Sを勝利した実績があった。そうしたことからも、京都巧者としての能力を秘めていたと考えられる。

今年の出走馬の中では、キングオブコージ、カセドラルベル、バイオスパーク、アイスバブル、タイセイトレイル、ミスマンマミーア、ドゥオーモ、リッジマンの8頭はこのデータに該当しておらず、割り引きが必要。連勝中で勢いに乗っているキングオブコージは、想定される重たい馬場、前走ハンデ戦からの別定戦と課題が多くありそうで、重い印は打ちにくい。

本命は天候も味方にできそうな実績馬

◎ステイフーリッシュ
今週末の京都の天気は雨予報ということもあり、馬場を考慮しての本命。京都新聞杯を勝利、昨年と今年の京都記念でも2着、3着と馬券圏内に好走するなど、京都コースの重賞で好走実績があり、GⅡなら能力的には十分足りる。

この馬が好走しているのは、「上がりがかかる条件のとき」という分かりやすい特徴がある。近走で馬券外だったレースの前後半のレース上がりを見てみると、 9着に敗れた大阪杯は(36.9-34.2)、10着だったチャレンジC (36.8-34.4)とどちらも後傾ラップとなっており、終いのスピードが求められたレースだった。

一方で、レース上がりのかかる条件だった京都記念、AJCC、福島記念などでは好走。前走のオールカマーは、3着と好走しているように見えるが、レースラップに注目すると、13.0 - 12.0 - 13.2 - 12.8 - 13.3 - 12.5 - 11.6 - 11.9 - 11.5 - 11.5 - 12.2 (38.2-35.2)という、GⅡにしては後傾ラップで、かなりのスローペースだった。

直線では速い脚が求められ、決して得意だとは言えない条件で、勝ち馬と0.2秒差の3着という成績は着順以上の価値がある。重い馬場の京都に舞台が変わることによって、さらにパフォーマンスを上げてくると見ている。加えて、矢作厩舎の馬という事もあり、間隔を詰めてさらに状態を上げてくることも期待できる。

○キセキ
2018年の天皇賞・秋3着、ジャパンC2着、2019年は大阪杯と宝塚記念で2着と安定した成績を残している点からも、実績、能力ともに今回の出走馬の中ではナンバーワンだ。また、2017年の菊花賞は極悪馬場を難なく完勝しており、京都という舞台や馬場に関しては問題ないだろう。

今年の宝塚記念でも2着と好走しており、能力は健在だが、比較的後方有利の展開で恵まれた点や、昨年の有馬記念や今年の阪神大賞典で見せた出遅れ癖を懸念して対抗とした。

▲パフォーマプロミス
日経新春杯、アルゼンチン共和国杯、鳴尾記念と重賞を3勝している実績馬。昨年の天皇賞・春では8番人気3着と好走していることからも、京都実績は問題ない。とはいえ、同レースの2着馬グローリーヴェイズ(当レースに出走予定)には離されており、まだまだ物足りない印象があった。

しかし前走、1年以上の休み明けで臨んだ鳴尾記念は好内容。プラス14キロで登場したが、圧倒的1番人気のラヴズオンリーユーを退け1着。休養を経て、馬がさらに成長していると考えられる。ステイゴールド産駒という事もあり、道悪はむしろ歓迎だと見ての3番手評価。

以下、京都の重賞実績はないが、近走の成長力が著しく、特に2走前の湾岸S(1着)の内容が素晴らしい△キングオブコージ、重賞3勝馬メールドグラースに勝利歴があり、前走の不可解な大敗を除けば安定している去年の京都大賞典3着馬の☆シルヴァンシャーまで押さえておきたい。

▽京都大賞典2020予想▽
◎ステイフーリッシュ
○キセキ
▲パフォーマプロミス
△キングオブコージ
☆シルヴァンシャー
(文 ケータロー)

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。