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【スプリンターズS予想】安田記念馬グランアレグリアに不安あり 本命は中山で連対率100%のモズスーパーフレア

2020年スプリンターズS インフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

春の再戦ムード漂う秋のGⅠ開幕戦

10月4日(日)中山競馬場では、スプリンターズS(GⅠ・芝1200m)が行われる。セントウルSで重賞6勝目を飾ったダノンスマッシュ、今年の高松宮記念の覇者モズスーパーフレアや同レース2着のグランアレグリア、3着のダイアトニック、1位入線も降着となってしまったクリノガウディーなど高松宮記念の上位馬が顔をそろえて春の再戦とも言えるレースになった。

秋競馬最初のGⅠタイトルをつかむのはどの馬なのか。これから続くGⅠレースに弾みをつけるためにも、きっちり的中させたいところだ。

優勝回数こそ牡馬優勢も、牝馬の好走率は高い

まずは過去10年の性別ごとの成績を見ていこう。

過去10年の性別ごとの成績ⒸSPAIA


牡馬、セン馬が【8-5-5-95】、牝馬が【2-5-5-36】となっており、優勝回数自体は牡馬、セン馬が8勝と圧倒的に上回っている。ただ牡馬は出走頭数も多く、複勝率は15.9%にとどまる。

一方牝馬は2011年カレンチャン、2015年ストレイトガールの2頭しか優勝していないが、連対率14.6%、複勝率25.0%と牡馬を上回る成績となっている。加えて穴馬の好走も多く、2016年ソルヴェイグ(9番人気3着)、2017年ワンスインナムーン(7番人気3着)、2018年ラブカンプー(11番人気2着)など馬券圏内に入った12頭中5頭が単勝6番人気以下の馬だったので注意が必要だ。

過去10年の馬齢別成績ⒸSPAIA


次に年齢別の成績を見ると、勝利回数は2010年に香港馬ウルトラファンタジーが8歳で優勝している以外は4、5、6歳馬が3勝ずつ分け合っている。その中で勝率、連対率、複勝率全てにおいて圧倒的に優秀だったのが4歳馬で、複勝率は40.7%となっている。

一方で7歳以上の馬は【1-2-1-39】と複勝率が10%を下回る。6歳馬も【3-0-1-30】で複勝率は11.8%とさほど高くはない。

セントウルS、キーンランドCからの巻き返し多発

過去10年の前走別成績ⒸSPAIA


前走別の成績では、やはり前哨戦として位置づけられているセントウルS組が【5-3-3-44】(取消したキンシャサノキセキを除く)、キーンランドC組が【2-1-5-35】と好走した馬の数は多い。

ただし前哨戦と本番のスプリンターズSを連勝したのは、両レース優勝馬合わせても20頭中3頭(2011年カレンチャン、2018年ファインニードル、2019年タワーオブロンドン)と少なく、スプリンターズSで3着内に入った馬まで広げても20頭中7頭と、前哨戦の成績がそのまま本番に直結しているわけではない。

一方で、キーンランドCの1週前に行われる北九州記念組は【0-1-0-11】とかんばしくなく、唯一連対したのは去年のモズスーパーフレアだけである。そうしたことからも、前哨戦よりも気配をあげて本番に臨む馬を見極めたい。

モズスーパーフレアの春秋連覇に期待

ここまで様々なデータを見てきたが、本命はモズスーパーフレアとした。前走の北九州記念は、実質トップハンデとなる56.5キロを背負って前半3ハロンを32.4秒で逃げ、最後に脚色が鈍って2着に敗退するも、先行した馬が掲示板にも乗っていないことを考えると、負けて強しの競馬だった。

春の高松宮記念は人気が無いこともあって、楽に逃がしてもらえたので逃げ切ることができたが、北九州記念では後続に脚を使わせながら逃げるという、この馬の持ち味を十分に発揮したレースとなった。またこの馬は、中山競馬場では全レース逃げて【3-2-0-0】と連対を外したことがなく、今回もハナを切っていく事は間違いないだろう。

北九州記念組は【0-1-0-11】とは言いつつも、昨年の北九州記念4着を上回る結果を残した今年はさらに状態をさらにあげてくることは必至。得意条件に戻る今回、必ず好成績を残すと信じて本命を打った。

対抗はダノンスマッシュ。ペースに関係なく、すんなり3番手あたりでレースができるのは大きな武器で、昨年のスプリンターズSは勝ち馬に蓋をされて、仕掛けが遅れた事による3着。最後の伸びはモズスーパーフレアを捉える勢いだった。中山では今年の3月にオーシャンSを勝っており、実績も十分備えている。前哨戦と同じように走れば本番でも好勝負ができると考え、対抗評価をした。

3番手はグランアレグリア。高松宮記念は前残りの中、ただ一頭追い込んできた内容は素晴らしかった。しかし、安田記念から直行してきた馬で馬券に入ったのは2015年サクラゴスペル(11番人気2着)と2017年レッドファルクス(1番人気1着)だけで、この2頭は中山1200mで重賞勝ちの実績がある中山巧者だった。

グランアレグリアは今回が初の中山コースで適性が未知数なのと、2ハロンの距離短縮によるペースの激化について行けず、差し損ねる可能性が高いと考えて3番手までとした。

以下、キーンランドCを勝利しデータ上でも有利なエイティーンガール、函館SSを快勝した良馬場で巻き返しを図るダイアトニック、スプリント戦に転向して高い素質を見せたメイショウグロッケまで印を打つ。

北九州記念を快勝したレッドアンシェルは、6歳馬で休み明け3戦目と上積みが少なく、前走以上のパフォーマンスは見込めないと考える。今年不調のM.デムーロ騎手はテン乗りだということもマイナス材料だ。北九州記念組の不振のデータに法って、人気するなら軽視したい。
(文:福山)

▽スプリンターズS予想印▽
◎モズスーパーフレア
○ダノンスマッシュ
▲グランアレグリア
△エイティーンガール
△ダイアトニック
△メイショウグロッケ
消レッドアンシェル

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。