「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【スプリンターズS】激走が見込める穴馬は?ポイントは「年齢」と「前走のレベル」

2020 10/1 06:00鈴木ショータ
2020年スプリンターズSインフォグラフィック,ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

若い馬が狙い目!

10月4日に行われるのはGⅠ・スプリンターズS。データを参照しつつ、好走、激走が見込める馬の特徴について探っていく。

データの視点でまず注目したいのが年齢。短距離戦全体の特徴でもあるのが「若い馬が有利」ということだ。瞬発力を必要とされる芝の短距離戦は、俊敏性に長けている若い馬の方が力を発揮しやすい。そのため世代交代も早く、同じ馬が王者で君臨し続けることも少ない。

反対に、瞬発力が要求されにくいダート戦では、過去にもカネヒキリやヴァーミリアン、トランセンド、スマートファルコン、ホッコータルマエなど、息長くGⅠ戦線で活躍する馬が多い。芝・短距離戦のスプリンターズSと、たとえばダート・中距離戦のチャンピオンズCで年齢別の成績を並べてみると、好走している年齢が異なることがわかる。

スプリンターズS年齢別

チャンピオンズC年齢別



スプリンターズSでは、4歳馬の好走率や回収率が突出している。複勝率41.7%、複勝回収率も151%と、4歳馬だけ買っていれば儲かってしまう。唯一8歳で勝っている馬も香港のウルトラファンタジーで、衰えるのが遅いとされるセン馬であった。一方、比較対象としたチャンピオンズCでは、複勝率や回収率が最も高いのは6歳馬となっている。

このように、相反する条件のレースデータと比較すると、より信ぴょう性が増してくる。ただ提示されたデータを鵜呑みにするのでなく、さらに裏を取ると面白い。

今年、出走登録している3~4歳馬は、アウィルアウェイ、エイティーンガール、クリノガウディー、グランアレグリア、ノーワン、ビアンフェ、ヤマカツマーメイドの7頭。穴っぽい馬も多いので、ヒモで抑えておきたい。

前走ローカル組は軽視

スプリンターズSは、夏競馬を使ってきた流れで出走してくる馬と、秋競馬の短距離路線全体に照準を合わせてきた馬がぶつかり合うレースになっている。狙いとなるのは後者の方で、前走ローカルで走っていた馬よりも、中央場所(東京、中山、京都、阪神)を走っていた馬の方が総じて、力が上であることが多い。

スプリンターズS前走競馬場別



データで見ても前走が中央場所だった馬の方が、複勝率や複勝回収率で優位に立つ。複勝回収率は96%と特に高い。

過去にも阪神のセントウルSで7着だったマヤノリュウジンが15番人気3着、安田記念17着だったサクラゴスペルが11番人気2着、セントウルS5着だったラインスピリットが13番人気3着など、伏兵馬が激走している。つまり、一般論としてレベルの低いローカルで好走していた馬よりも、レベルの高い中央場所で負けていた馬の方が、長期的に買い続ければ高い回収率になるのだ。

今年はセントウルSが阪神でなくローカルの中京で開催されたが、レベルの高さという意味では例年通りに維持されていたので、今年に限っては中京も中央場所扱いとして良いだろう。

人気上位馬のなかでは、ダイアトニックやモズスーパーフレア、ライトオンキューなどは前走ローカル組なので、過剰に評価しないことが馬券で勝つためのポイントだ。

該当馬は大穴含む4頭

今年のメンバーで上記の2つのデータを満たすのは、グランアレグリア、クリノガウディー、ノーワン、ビアンフェの4頭のみ。

グランアレグリアはぶっつけ本番になるが、休み明けはむしろ得意としており【4-0-2-0】。軸にしてもいい馬だ。

クリノガウディーは実質、春のチャンピオン。2走前から喉の状態が良くないとのことだが、体調さえ戻れば一発がある。

ノーワンは、オークス以来の出走だった昨年も8着。CBC賞でも外から末脚を見せて6着と好走し、出走がかなえば超大穴で怖い存在だ。

ビアンフェはデビューから60㌔近くも馬体が増えており、成長著しい3歳馬。セントウルSは3番人気で5着と敗れたが、例年、休み明けの人気馬が期待を裏切り、本番のスプリンターズSで巻き返すのがお決まりのパターンだ。過去にもロードカナロアが、2年連続でセントウルSは2着と敗れながら、スプリンターズSを連覇したというのがいい例だろう。


ライタープロフィール
鈴木ショータ
競馬伝道師。競馬エイトトラックマンを経てフリーに。
オリジナルのweb競馬新聞「PDF新聞」を毎週発行。
根っからの大穴党で、馬券格言は「人の行く裏に道あり”穴”の山」