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【スプリンターズS】勝ち馬に共通するのは「連続騎乗」「近1年の重賞勝利」「OP以上での連勝」 今年の該当馬は?

2020 9/30 11:00高橋楓
過去5年のスプリンターズS勝ち馬ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

コースから考える好走馬の条件

スプリンターズSといえば思い出すのは1998年。この年のスプリント路線は実に華やかだった。モーリス・ド・ゲスト賞でシーキングザパールが日本調教馬として初の海外GⅠ制覇を果たし、翌週にはタイキシャトルがジャック・ル・マロワ賞制覇と2週連続でフランスのビッグレースを制した。世界が一気に近づいた瞬間だった。

その後、マイルCSで激突した2頭が暮れのスプリンターズSで再戦という事でファンの視線をくぎ付けにしたのだが、勝ったのは伏兵マイネルラヴ。正攻法でねじ伏せた新星の姿は世代交代を強く印象付けた。

過去5年間の優勝馬ⒸSPAIA


当時とは時期が変わって、秋のGⅠシーズンの開幕を告げる立ち位置になった「電撃の6ハロン戦」は、中山競馬場の芝1200mで行われる。

使用する外回りは、スタートから4コーナーまでに緩やかなカーブかつ4m以上の急勾配の下り坂になっており、ハイペース必至のコース形態。そして、ゴール前には2m以上の心臓破りの登坂が待っている。そのため先行馬を狙う場合、この舞台で止まらず走れた実績が重要になる。

また、先行勢が速くなりすぎるため、近年では3コーナーで10番手以下にいたタワーオブロンドン(2019年)、レッドファルクス(2017年)など、差し馬の台頭も目立っている。何が何でも逃げたい、という馬が何頭出走してくるかも展開を考えるうえで鍵となる。

連続騎乗が絶対条件?優勝馬の共通点

過去10年 乗り替わり成績ⒸSPAIA

このレースで欠かせないのが「前走と同じ騎手」が騎乗しているかどうか。

連続騎乗の[10-9-4-71]に対し、乗り替わりの馬は[0-1-6-59]と、優勝馬はおろか2着馬も1頭しかでていない。やはり一瞬の判断が問われる短距離GⅠなだけに、前走で特徴を掴む事は大きなアドバンテージとなる。しかし、今年は有力馬の乗り替わりが多い。

また、新潟競馬場で行われた2014年を除く、中山開催のスプリンターズステークス優勝馬の共通点は、近1年以内に重賞レースを制していること。付け加えると、海外から参戦したウルトラファンタジー以外はJRAのオープン以上の競走で連勝した経験をもっていた。ハイレベルのスピード合戦なだけに、並大抵の実力では勝ち切る事が難しく、裏付けとなる戦績が必要のようだ。

今年は「紐荒れ」に要注意!

モズスーパーフレア 中山成績ⒸSPAIA

先にも書いたが、グランアレグリア(池添謙一→C.ルメール)、ダノンスマッシュ(三浦皇成→川田将雅)、ミスターメロディ(北村友一→福永祐一)、レッドアンシェル(福永祐一→M.デムーロ)、ダイアトニック(武豊→横山典弘)など、人気になりそうな有力馬に乗り替わりが多い今年は、連続騎乗のモズスーパーフレアが有力となる。

言わずもがな昨年の2着馬で、繰り上がりとは言え今年の高松宮記念馬だ。前走の北九州記念は2着に敗れたが、プラス14kgでデビュー以来最高体重の一戦。明らかに余裕残しのなかでもスピード感は抜群だった。中山の同条件は、5戦すべて逃げの競馬で[3-2-0-0]、連対率100%。「近1年以内に重賞勝ち」「オープン以上での連勝経験」どちらにも該当する。堂々主役を張れる実績だ。

他の人気馬が信頼できない今年は、「紐荒れ」に要注意。狙いの穴馬はライトオンキュー。2019年3月以降は全て芝1200mを古川吉洋騎手とのコンビで[3-2-0-2]の好成績。京阪杯にて重賞制覇も経験済み。前走はキーンランドカップ2着など充実ぶりが目立つ。ゴドルフィン&ダーレー・ジャパン・ファームは、このレースを連覇中。決して侮れない存在だ。