「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【オールカマー予想】「重ハンデの次走狙い」作戦 ステイフーリッシュ好走の条件整う

重ハンデ馬の次走インフォグラフィックⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

少頭数ならではの面白さも

9月27日に中山競馬場で行われるのはオールカマー(GⅡ・芝2200m)。少頭数の一戦で、中心と見られていたGⅠ・3勝馬フィエールマンも回避。馬券の射幸性という点では不満を感じないでもない。

しかしながら、少頭数というのもレースの一つの特徴。たとえば不器用でいつも大外を回ってくる差し馬にとっては普段よりロスが少なくなる、もまれ弱い臆病な馬はのびのび走れる、などの事象が起きるため、「少頭数巧者」の馬も確かに存在する。各馬の特性を深く観察していると、少頭数のレースで好結果を出す馬が見えてくるかもしれない。もっとも、今回は特にそれを意識した予想ではないのだが。

さて、この記事では「近走で実力を発揮できなかった馬」の巻き返しに注目して穴馬を探していく。実は2週連続で5頭指名のうち3頭で決着しているのだが、肝心の本命馬が外れている。そろそろ的中をつかみたい。

ステイフーリッシュを狙うシンプルな理由

今回のメンバーで近走に不利な条件があったのはステイフーリッシュ。前走のGⅡ・目黒記念で背負ったハンデは57.5キロ。2番目に重い馬が56キロという中、1頭だけ厳しいハンデを付けられての3着だった。

重いハンデは当然ながら不利。当たり前すぎて誰もわざわざ書かないだろうが、ハンデ戦は強い馬が損をして、弱い馬が得をするように斤量を設定している。ならば、重ハンデだった馬は単純に次走以降が狙い目になるのではないか。そう考えてデータを調べてみる。

ハンデ重賞の斤量別次走成績



すると、あまりにもきれいに想像通りのデータが出た。ハンデ重賞で53キロ以下だった馬の次走勝率は5.1%で単回収率55%、複回収率59%。これに対し、57.5キロ以上は勝率9.5%で単111%、複103%。連対率や複勝率も含めて「軽ハンデ(の次走)」<「中間」<「重ハンデ」という数字が順番通りに出る。

強調したいのは回収率についても重ハンデの次走が一番高いこと。「前走のハンデが軽かったor重かった」というファクターを意識する人は少なく、オッズに反映されていない模様だ。極めてシンプルな話だが、ハンデ重賞で57.5キロ以上を背負った馬は次走で必ず買う。それだけで儲かるという法則が存在するのだ。

したがって、これに該当するステイフーリッシュが本命。ハンデのデータを持ち出すまでもなく、芝2200mは【1-2-1-0】、中山は【0-2-1-0】の得意舞台で、両方の重なるオールカマーは絶好。2走前のGⅠ・大阪杯は9着も、阪神コースは6戦して連対なしと元々苦手で、強敵相手に外々を回らされる不利があった。フィエールマン回避でオッズ的に穴馬とは呼べなさそうだが、妙味は十分にある。

カレンブーケドールは格上相手で

2番手評価はクレッシェンドラヴ。2走前の中山金杯7着時はCコース替わりでイン・前目でロスなく運んだ馬が台頭する中を、出遅れて4角15番手からほぼ直線だけで追い上げる競馬。また、昨年のオールカマー5着は直線で行き場を失い、脚を余したまま終戦。

直近9戦ではこの2走を除く7戦全てで3着以内に入っているように、「クレッシェンド」の名前通り、「だんだん強く」なっている馬。ここも勝ち負けして秋はいよいよGⅠ挑戦だろう。

3番手には、前走が苦手の関西遠征、長距離戦での好走だったミッキースワロー。

カレンブーケドールはオークス2着時の走りが印象的。直線半ばでは抜け出しを図るクロノジェネシスと同じような脚だったが、外からラヴズオンリーユーが伸びてくるとその勢いに呼応して伸び、3着クロノを置き去りに。どうやら前に目標となる馬がいる間だけ食らいついていくタイプに見える。

そのため、昨年のジャパンCなど格上相手でも健闘を見せるが、紫苑Sなど格下相手でも勝ちきれない。必然的に馬券の狙い目は格上との対戦でオッズが高いときになる。今回は押さえ評価にとどめ、次のGⅠで2着固定を買うのが面白そうだ。

▽オールカマー予想▽
◎ステイフーリッシュ
〇クレッシェンドラヴ
▲ミッキースワロー
△カレンブーケドール