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【ローズS】ついに復活リアアメリア! 見えてきた同馬の個性と本番でのポイントとは

2020 9/22 10:55勝木淳
2020年ローズS位置取りⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

久々のスローペースで復活したリアアメリア

オークス最先着馬(4着)リアアメリアがスローペースを2番手から抜け出し、後続に0秒3差をつけて快勝。重賞2勝目を手にした。

競馬は個性のぶつかり合いだといわれる。JRA全10場すべての距離に独自の顔があり、それぞれに適性がある。競馬における個性とはその適性とのかみ合わせを示す。ディープインパクトのような希代のチャンピオンクラスは適性など選ばないが、そういった存在は稀有であり、たいていは馬の個性と適性の組み合わせがレース結果に影響する。

リアアメリアは、デビューから2戦はスローペースのマイル戦を連勝。2勝目のアルテミスSでは上がり600m33秒0の脚を繰り出し、後方一気を決め、クラシック候補に躍り出た。 だが、阪神JFではレシステンシアが作るハイペースに脚をためられず、桜花賞は道悪ながら2ハロン目から残り400mまでずっと11秒台を連発するさらに厳しいラップに苦しめられた。距離延長、メンバーが替わり流れが遅くなったオークスは4着。最後600m勝負の適性は抜群だ。

ローズSはエレナアヴァンティが作る1000m通過1分0秒9のスローペース。川田将雅騎手は1番枠で包まれることを嫌い、番手確保。流れを読んだ騎乗も光った。リアアメリア自身も受け身の競馬から積極策に転じて一発回答は成長の証。後半600m11.6-11.3-11.6、これ以上ないほどに展開もラップもかみ合った競馬だった。

必然的に秋華賞も最後600mの競馬になれば好走の可能性は十分ある。しかしながら秋華賞は例年の傾向だと前半流れる競馬になりやすく、内回りであることも手伝い、後半1000~800mの競馬が多い。リアアメリアの個性と適性が合致するかどうかしっかり見極めが必要だろう。

奥深い個性の二冠女王に挑むには

2、3着は14、11人気の伏兵ムジカとオーマイダーリン。初角位置はそれぞれ11、16番手と後方。スローペースを考えれば強い競馬だった。ともに最初の正面直線でインコースのラチ沿いを狙った点が勝因。格上の馬を相手に一発を狙うべく距離ロスを最小限に消すコース取りが光った。

3、4角がバンクになっており、外を回りやすい中京競馬場では進路を求めて勝負所で外に広がりやすく、インがかえってバラけることがある。オーマイダーリンは最後までラチ沿い一点狙いでそこを突いて伸びてきた。インへの意識が強い和田竜二騎手らしい騎乗だった。

ムジカは前がスパートを開始した残り600~400mで一旦置かれたように見える。これは仕掛けをワンテンポ待つ秋山真一郎騎手の頭脳プレー。一気に動いたクラヴァシュドールが最後の急坂で末脚を失ったように中京2000mは思いのほかタフな舞台。スローでも坂をあがった最後の200mがかなり苦しい。ムジカは直線の進路どり、仕掛けタイミングが見事、ゴールまで脚をしっかり使った。1勝クラスの同馬にとってこれ以上ない結果だった。

4着デゼルは前半に行けない現状でスローペース、3、4角で大外を追い上げる形ではこれが精いっぱいか。ベストパフォーマンスのスイートピーSで繰り出した上がり600mは32秒5。平坦の京都でリアアメリア同様にスローペースになればあるいは一発あるか。

5着クラヴァシュドールは春のクラシックではらしさを出せない競馬が続いたが、この日は一旦先頭の場面で覇気を見せた。やや折り合いに難しい面があり、どうしても一気に脚を使い切ってしまう癖は今後に向けて変わらず難問となりそう。なにか作戦ひとつのような気もするが、乗り難しそうではある。

秋華賞は無敗の二冠牝馬デアリングタクトが待ち受ける。道悪、厳しいラップの桜花賞、折り合い重視の2400mオークスと適性の幅で一歩抜けた存在。個性のぶつかり合いという意味でも奥深さで上を行く女王に挑む馬たちにとって前哨戦のローズSがスローペースだったことがどう影響するだろうか。舞台が中京だったことも含め、検討すべき点は多々ある。

2020年ローズS位置取りⒸSPAIA


ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

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