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【セントライト記念】ヴァルコスの期待値上昇中 今が買い時の根拠とは?

ダービー外枠組の翌2走成績インフォグラフィック🄫SPAIA
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コントレイルの3冠阻止へ

9月21日に中山競馬場で行われるのはセントライト記念(GⅡ・芝2200m)。菊花賞へ向けた東のトライアルで、過去の勝ち馬にはキタサンブラックやナカヤマフェスタなどそうそうたる名馬が名を連ねる。ここを勝ってコントレイルの3冠阻止に名乗りを上げるのはどの馬か。

この記事では「近走で実力を発揮できなかった馬」の巻き返しに注目して穴馬を探していくのがテーマ。とはいっても、さすがに1勝クラスや2勝クラスを負けているような馬が重賞で好走するのは困難とみて、今回は人気どころも含めて重賞組を中心に近走内容を精査する。

ダービーが17番枠という不利な条件だったのはヴァルコス。毎年ダービーの週になると「過去10年で1枠が○勝!内枠有利!」という文句が躍るのが恒例行事になっている。ではその不利な外枠を引かされた馬がその後どうなっているか、ということに気を配る人は多くあるまい。そこで、過去10年のダービー出走馬について、枠順別の翌2走成績を調べてみた。

ダービー枠順別の翌2走成績



外枠による不利があった馬の回収率が高く出ると思っていたが、ダービー内枠組が単回収率65%、複回収率96%に対し、外枠組が単複とも81%という微妙な結果に。ただ単にダービーで内枠だった、外枠だったというだけではその後の期待値に影響がない模様だ。

ヴァルコスが高期待値のワケ

ダービー外枠先行勢インフォグラフィック



もう一歩踏み込んでみよう。ダービー外枠組に関して、先行したか、差しに回ったか区別してデータを算出してみる。すると4角7番手以下だった馬は翌2走で単64%、複64%に対して、6番手以内だった馬は単115%、複114%とプラス収支になる。

ダービーはインコースの馬場状態が良好なCコース、時計の出る馬場に加え、速めのペースになることが多い。外枠から先行する競馬は見た目以上にキツいのだろう。こういうレースをすると実力より着順が悪くなり、不当に人気を落とすため、次走以降が馬券的な狙い目になる。実際、過去のセントライト記念でもこの条件に該当したキタサンブラック、ジェネラーレウーノがそれぞれ6、4番人気で見事に勝利している。

以上のことから、ダービーを8枠17番から先行して4角4番手通過したヴァルコスが本命。今回のレースはもちろん菊花賞でも面白そうだ。長距離戦を得意とする友道厩舎の所属で、切れる脚がない代わりに折り合いに不安がなく、3000mにも向きそうなタイプである。反対に、同じダービー外枠組でも差す競馬に徹したサトノフラッグはあまり妙味がない。

ちなみに、今年のダービーで外枠から先行したのはヴァルコス以外にディープボンド、マイラプソディ、コルテジア、ウインカーネリアンの4頭がいる。今回紹介したデータはセントライト記念に限ったものではないので、これらの馬も“ボーナスタイム”中。来週の神戸新聞杯を予想する際にも頭の片隅に入れておきたい。

実はすごいバビットの連勝内容

2番手評価は3連勝中のバビット。本来は前走のように小回りで上がりがかかる展開の方が得意なタイプだと思うが、2走前の早苗賞では最後の直線で10秒台のラップを2度刻む競馬も見せての逃げ切り。正反対の質になった2レースを連勝したのは相当に地力が高いことの証明だろう。

以下、血統的にも東京芝2400mは長かった印象のあるガロアクリーク、皐月賞・ダービーともに外々を回る競馬になったサトノフラッグ、2走前スプリングSは骨折が敗因で見直せるココロノトウダイまで押さえる。

フィリオアレグロは青葉賞が終始インで溜めてラチ沿いを抜けてくる完璧な騎乗での3着。オッズ的にも点数は広げたくないので無印評価とした。

▽セントライト記念予想▽
◎ヴァルコス
〇バビット
▲ガロアクリーク
△サトノフラッグ
×ココロノトウダイ