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【セントライト記念】「前走日本ダービー組6勝」「関東馬7勝」など 当日まで覚えておきたいデータとは

2020 9/13 17:30勝木淳
2020年セントライト記念データインフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

関東馬優勢の理由

東の菊花賞トライアルといえばセントライト記念。過去10年、菊花賞でセントライト記念組は【1-3-1-47】。トライアルにしては寂しい数字ではあるものの、15年キタサンブラックがここを勝ち菊花賞1着、17年クリンチャーは9着だったが、本番で2着激走、昨年2着サトノルークスは菊花賞も2着。

毎年菊花賞好走馬が出る神戸新聞杯ほどではないないにしろ、近年はポツポツと菊花賞激走馬を出している。目が離せないトライアルレースだ。3日間競馬の最終日のメインレースだけに、しっかり馬券的にも仕留めておきたい。なお、データは新潟施行の14年を除く過去9年間のものを使用する。

馬体重別成績ⒸSPAIA



枠番別などに目立つ傾向はないが、中山の重賞に共通しているのが馬体重別成績。3歳限定のセントライト記念でも使用できるもので、ズバリ大きな馬が強い。

480キロ以上は【8-4-6-51】、9回中8回は馬体重480キロ以上が勝利。520~538キロの巨漢馬は【2-1-0-5】、大きくなるほどに頭数は減るわけだが、好走馬も出る、これは多くの中山重賞に共通する。

ひと昔前であれば大型馬は脚元の不安がつきものだったが、そのケアが行き届くようになり、オープン馬に大型馬が増えているという背景もあるだろう。

東西別成績ⒸSPAIA



これも中山の重賞でよく見かけるデータだが、関東馬【7-4-5-66】、関西馬【2-5-4-43】で関東馬優勢。よく言われるのは、次週に神戸新聞杯があるため関西馬は地元の強い馬との対戦を避け、トップクラスから一枚落ちる組が出走するという説。

それもあるとは思うが、やはり関東の菊花賞を展望する組が質もモチベーションも上だととらえた方がよさそう。ただ、関西馬は2、3着、つまり、権利獲得圏内にはそれなりに来る。関東馬優位は認めつつもそこは目を配りたい。

前走日本ダービー組の取捨選択のコツとは

さらに前走成績で参考になりそうなデータとして前走クラス別成績をとりあげる。

前走クラス別成績ⒸSPAIA



秋の菊花賞は逆転の一冠などといわれ、春のクラシック敗退組のほかに春不出走の夏の上がり馬的なダークホースが走る舞台でもあるが、トライアルは新興勢力には辛いようだ。

前走GⅠ組は【6-4-3-19】でほかを圧倒。日本ダービーに限ると【6-4-3-16】で春の既成勢力が休み明けで好走するパターンが多い。下のクラスから上がってきた馬は跳ね返される公算が高く、近年は特に日本ダービー組が強い。

下のクラスでは2勝クラスが【1-4-0-28】で2、3着なら可能性はあるぐらい。注目は今年も想定に多くいる日本ダービー組だろう。

前走日本ダービー組の前走着差別成績ⒸSPAIA



日本ダービーの着差が0秒9以内だった馬は、【2-1-1-8】勝率16.7%、複勝率33.3%。0秒5以内に絞ると【2-1-0-4】とさらにあがるが、今年の日本ダービーは2着サリオスが0秒5差もつけられており、想定に該当馬はいない。0秒8負けのヴェルトライゼンデも熱発で出否が不透明。もう少しほかのデータを。

前走日本ダービー組の前走脚質別成績ⒸSPAIA



逃げ【1-1-0-0】、先行【2-2-1-3】、中団【3-1-1-8】で後方は【0-0-1-5】。日本ダービーで中団より前で、競馬をしていた組がここで好走している。

逃げで記憶に新しいのは、昨年1着リオンリオン。2着サトノルークスは日本ダービーで3番手だった。今年はウインカーネリアンの名前がある。向正面でマイラプソディにまくられるまではハナにいた馬で、逃げ馬といえるかどうかは微妙だが。

一方で、1角15番手だったサトノフラッグも想定に名前があるが、データ上ではやや苦しい。ヴェルトライゼンデやガロアクリーク、ヴァルコスあたりがよさそうだ。

前走日本ダービー組の前走人気別成績ⒸSPAIA



上位人気馬の好走は当然として、6~9人気【3-2-1-3】、10人気以下【1-1-1-11】と、穴人気した馬や人気薄だった馬の巻き返しが見られる点は注意しておきたい。

このデータからは6人気ヴァルコス、7人気ガロアクリークを高く評価したくなるところだ。2頭とも日本ダービー出走時の馬体重は498キロ。ガロアクリークは美浦上原博之厩舎の所属だ。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

セントライト記念データインフォグラフィック