今年の舞台は中京芝1200ｍ
さあ夏は終わり、秋競馬が開幕。関西圏の開催といえば阪神、ではなく今年は中京。まずココを間違えると、予想が破綻してしまうので注意したい。
競馬ファンの体内時計は正確無比なもので、条件反射で夏の小倉の次は阪神とつい思い込みがち。京都競馬場改修終了まで関西圏はしばらく変則的な開催日程が続くので、気をつけたい。
ということでセントウルSは中京競馬場で施行。同レース過去10年のデータは通用しません。では話が終わってしまうので、ここでは競馬場のちがいによる影響を受けにくい大枠として使えそうなデータを検討していく。
夏の重賞より顕著に主力世代が強く、3～5歳で10勝2着8回3着4回。サマーシリーズの最終戦でもありつつ、GⅠスプリンターズS最有力ステップレースのGⅡでもある。このふたつの側面をその年の出走メンバーを見渡しバランスよく考えたい。ここはポイントとなる。
年齢別で注意したいのは6歳【0-0-5-34】。6歳は3着5回でその人気は5、3、5、9、7人気。主力世代から外れるというだけで人気が下がるものの、3着に顔を出すケースがある。3連系の馬券内にこっそり忍ばせてみたい。
今年は前走GⅠ出走馬優勢か
セントウルSにはふたつの側面があると指摘したが、それをあらわしているのが前走クラス別成績だ。
GⅡらしく3勝クラスやオープンからの転戦組は苦戦傾向。主力は前走GⅢ組【7-6-8-73】。ここはサマーシリーズ最終戦としてここに挑む組がほとんどであり、数は多いため確率は下がるものの10年でこの数字、GⅠ級が休み明けで出走するが、サマーシリーズ最終戦にかける馬が意地を見せたものだ。
上位は北九州記念【5-2-5-48】、アイビスSD【1-2-0-6】、キーンランドC【1-0-0-4】と当然ながらサマースプリントシリーズがズラリ。
中京施行なので【0-1-1-8】と振るわないCBC賞組も出走してくれば注意はしたいところ。なかでも抜けている北九州記念組だが勝率8.3％、複勝率20％と数が多いため確率は低く、ここは少し注意深くいきたい。
前走GⅢで0秒1～0秒2負けた惜敗組の巻き返しは【4-1-1-11】勝率23.5%と高い。最終戦で一発逆転を狙う組の台頭が考えられる。
今年のサマースプリントシリーズは短距離戦にしては着差が大きいレースが多く（CBC賞と北九州記念が0秒3差）、該当するのはキーンランドCのライトオンキューのみでどうもここには出走しなさそう。反対に前走GⅢを勝った組もそれなりに強く、やはりもうひとつ勝ってシリーズ優勝を狙う馬の意気込みは評価すべきだ。
ところが今年のシリーズではCBC賞勝ちのラブカンプーはアイビスSD、北九州記念に出走。アイビスSDを勝ったジョーカナチャンは北九州記念出走。その北九州記念を勝ったレッドアンシェルも出走しそうになくキーンランドC勝ち馬エイティーンガールもGⅠ直行予定。
少し目先を変えて負け組に注目したいところだが、惜敗組はいいが、あまり着差がついた組は狙いにくい数字になっている。
データの種類を変えてみる。前走GⅢで人気がどうだったかという視点だ。前走1人気【3-1-3-7】、2人気【2-2-1-5】と上位人気だった馬の好走が目立つ。北九州記念2人気9着タイセイアベニールの巻き返しは注意しておきたい。ついでに前走6～9人気も【2-2-1-18】勝率8.7％、複勝率21.7%と、そこそこ好走馬を出している点も指摘しておく。
しかしながら、今年はサマースプリントシリーズ出走馬からセントウルSに挑む馬に勢いがなさそう。となると前走GⅠ【1-2-1-10】、休み明けのGⅠ級クラスの出番かもしれないので、セイウンコウセイ、ミスターメロディは好走する確率が高いのではないか。どちらも中京のGⅠ高松宮記念馬である。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』（中央競馬ピーアール・センター）にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。
ⒸSPAIA
AI競馬
