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【キーンランドC】1番人気確実のダイアトニック取捨は当日の馬体重次第 ハイブリッド式消去法で占う

2020 8/26 06:00八木遊
2020年キーンランドカップ過去10年データ
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ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

サマースプリントシリーズ第5戦『キーンランドC』が30日、札幌競馬場で開催される。同シリーズ第1戦を快勝したダイアトニックが本命視されるが、5つの消去データを無事クリアできるだろうか。

今週も過去10年の『キーンランドC』から複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。馬券対象から、1頭でも多く“消去”して週末の予想に臨みたい。今年の『キーンランドC』ではどの馬が凡走する確率が高いのか、データで迫った。

※特別登録時点のものです。24日時点でメイショウショウブ、レッドアルマーダ、ルヴォルグ、ラベンダーヴァレイ、ナリノメジャーの5頭が除外対象。

『牡馬/騙馬』×『前走4角10番手以下』★複勝率4.3%★

このレースはとにかく牝馬に活躍が目立つ。過去10年で【7-4-6-42】と【3-6-4-81】の牡馬/騙馬を圧倒。勝率はトリプルスコア(3.2%/11.9%)、複勝率もダブルスコア(13.8%/28.8%)である。ただでさえ分が悪い牡馬/騙馬に『前走4角10番手以下』という条件を加えると、その成績は【0-0-1-22】まで落ち込む。テンに速い脚を使えない牡馬/騙馬は消去したほうが良さそうだ。

今年このデータに該当したのはダイシンバルカンとワンアフターの2頭。いずれも近走は苦戦が続いており、躊躇なく消去したい。

【今年の該当馬】
・ダイシンバルカン
・ワンアフター

『関東馬』×『6歳以上』★複勝率5.9%★

関東馬はやや苦戦する傾向にある。過去10年の成績は【4-2-4-58】。馬券圏内に好走した10頭のうち8頭は5歳以下だった。6歳以上の成績は【1-1-0-32】。連対した2頭は、2010年の2着馬ジェイケイセラヴィ(6歳)と17年に優勝したエポワス(9歳)。いずれも騙馬だった。

今年は関東馬8頭が出走を予定。このうち6歳以上は3頭いる。ワンアフターに加え、2つ目の条件でショウナンアンセムとナリノメジャーの2頭が消えた(後者は除外対象)。

【今年の該当馬】
・ショウナンアンセム
・ナリノメジャー
・(ワンアフター)

『前走4着以下』×『非サンデーサイレンス系種牡馬』★複勝率6.2%★

前走4着以下に敗れた馬は【2-3-5-80】とやや苦戦傾向。ただし父がサンデーサイレンス系なら【1-2-3-29】で複勝率17.1%とまずまず馬券に絡んでいる。しかし父が非サンデーサイレンス系だと【1-1-2-61】で複勝率6.2%と凡走する確率が高くなる。

今年この条件に該当したのは、消去済みの3頭を含め8頭を数える。上位人気が予想されるフィアーノロマーノは、前走の4着(3着馬とアタマ差)が響き、消去対象となった。

【今年の該当馬】
・エイティーンガール
・クールティアラ
・(ショウナンアンセム)
・(ダイシンバルカン)
・フィアーノロマーノ
・メイショウカズヒメ
・ヤマカツマーメイド
・(ワンアフター)

『前走ハンデ戦』×『今回斤量増』★複勝率6.5%★

2週前の『関屋記念』でも活用した『前走ハンデ戦』×『今回斤量増』という条件。前回は消去した5頭すべてが馬券圏外に沈んだ。やはり斤量に恵まれていた馬が別定戦で適量を背負うと苦しむ傾向にあるのだろうか。この条件を満たした馬の過去10年の成績は【1-0-1-29】だった。

今年はこの条件で新たに5頭を消去した。カッパツハッチとイベリスは前走今回と同じ舞台の『UHB賞』で2~3着に好走したが、それぞれ斤量が1kg増えるため消去となった。

【今年の該当馬】
・イベリス
・カッパツハッチ
・(ショウナンアンセム)
・(ダイシンバルカン)
・ディメンシオン
・メイショウショウブ
・ラベンダーヴァレイ

『前走馬体重480kg以下』×『今回馬体重減』★複勝率7.7%★

最後は、馬体重に注目した。牝馬の活躍が目立つレースだが、馬体は大きい方が好走率は高くなる。前走の馬体重で見ると、480kg以下は【3-5-3-57】。480kg超の【6-5-7-64】に比べるとやや劣る。『前走馬体重480kg以下』だった馬がキーンランドC当日に馬体重を減らしてきた場合は危険フラグが立つ。その成績は【0-0-2-24】で複勝率は7.7%だった。

4つ目の条件を終えて残った7頭のうち前走480kg以下だったのは、アスタールビー、ダイアトニック、ビリーバーの3頭。断然人気が予想されるダイアトニックが当日馬体重を減らしていれば、思い切って消去したい。

【今年の該当馬(候補)】
・アスタールビー
・ダイアトニック
・ビリーバー

最後の条件で3頭が消える可能性を残しているが、確実に5つすべての条件をクリアするのはダイメイフジ、ライトオンキュー、ルヴォルグ、そしてレッドアルマーダの4頭だけ。このうちルヴォルグとレッドアルマーダは除外対象だ。馬券はダイメイフジとライトオンキューの2頭軸で考えたい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。競馬との出会いはメジロマックイーンが勝った1990年菊花賞。その後、オルフェーヴルに魅了され今に至る。思い出のレースはトウカイテイオーが勝った1993年有馬記念とウイニングチケットが勝った1993年日本ダービー。