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買い・消しがハッキリ 東大HCが「牝馬限定戦」を徹底分析

牝馬限定戦騎手別成績ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

ロイヤルブルーが牝限で輝く

今週のテーマは「牝馬限定戦」。牝馬同士のレースで狙える様々な条件についてデータを駆使して炙り出していく(参考にするデータは2015年8月1日〜2020年7月26日)。まずは全体を概観して相性の良い条件を確認する。

過去5年の牝馬限定戦 条件別成績ⒸSPAIA

近年牝馬限定戦で活躍が目立つのはゴドルフィンとグリーンファーム所有馬。ロイヤルブルーの勝負服でおなじみのゴドルフィンは全体成績単回93%、芝に限定すると109%まで向上する。特に栗東の調教師と相性が良く、栗東所属×ゴドルフィン×芝では単回149%だ。

クィーンスプマンテが代表馬のグリーンファーム所有馬はなんとゴドルフィンを上回る複勝率、単回に至っては156%もある。グリーンファーム所有馬が牝馬限定戦を使ってきた場合は注視しておきたい。

逆に成績が悪いのはステイゴールド産駒。単回59%、芝ではさらに低下し単回51%だ。なお他に気になるデータとして、金子真人ホールディングス所有馬×重賞×距離延長組は【0-0-0-16】と意外にもさっぱり。

ルメール×牝馬重賞、屈指の安定感

次に騎手別成績をチェックする。

過去5年の牝馬限定戦 騎手別成績ⒸSPAIA

過去5年の牝馬限定戦 騎手別成績

ルメール騎手の全体成績での回収率は水準程度にとどまっているがとにかく重賞に強く、直近5年で23勝・勝率3割超え、単回179%とくればこちらは黙って単系馬券を仕込むのみ。前走GⅠ組に限定すると【8-2-1-3】と連対率7割超え。

馬券の妙味では三浦皇成騎手がアツい。全体成績の単回133%はリーディング上位の中で抜けて高く、新馬〜3勝クラスで勝利を量産している。逆に重賞では【1-2-1-35】、GⅠ・GⅡに至っては【0-0-0-17】と馬券になっていない。

直近5年の牝馬重賞ではフロンテアクイーンの中山牝馬Sが唯一の勝利と逆に消しもアリか。池添謙一騎手も単回128%と三浦騎手にわずかに劣るものの十分評価でき、重賞でもレーヌミノルでソウルスターリングを破った桜花賞を筆頭に、デアレガーロの京都牝馬SやレッドランディーニのマーメイドS2着など人気薄で結果を残している。

「牝馬の松永」は健在

最後に調教師データをチェックする。

過去5年の牝馬限定戦 調教師別成績ⒸSPAIA

牝馬限定戦で圧倒的な成績を残しているのは美浦の名伯楽藤沢和雄調教師。過半数近い複勝率をキープしつつ勝率18.4%はトップ、当然単回はプラスだ。重賞も直近5年で9勝。GⅢに限ると【5-2-2-6】複勝率ジャスト6割だ。

さらに該当レースは少ないものの、札幌ではソウルスターリングのクイーンS3着など【1-3-2-1】複勝率85.7%。

ファビラスラフイン、キョウエイマーチ、ファレノプシス……と騎手時代からすこぶる相性がよかった「牝馬の松永」は鞭を置いてからも健在。単回は藤沢和師超えの140%、前走掲示板を確保した馬に限ると【31-19-19-74】複勝率48.3%、単回220%に達する。近走安定している管理馬×牝馬限定戦は迷わず買いたい。

さらに馬券妙味のある本田優調教師に加え、池江泰寿調教師は騎手継続騎乗での狙いすましたレース選択が功を奏しており、該当馬は【8-5-4-31】で単回はこちらも200%を超えている。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」でも予想を公開中。