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団野騎手が今熱い 今年の騎手成績から買い時の騎手を探せ!

2020 7/30 06:00高橋楓
騎手データインフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

ルメール・川田の二強対決

騎手リーディングⒸSPAIA



今年ほど、故郷の「夏」を恋しく思っている年はない。縁側でスイカの種を飛ばしたり、花火をした思い出が蘇ってくる。働き方が大きく変わるのと同じように、生活様式も大きく変わる年になるのではとの予感がしている。競馬界も同じで、無観客競馬や、移動制限など誰も経験のした事のない現状だ。今回は阪神開催が終了した時点までの騎手の成績を振り返ってみたい。成績が急上昇している騎手の名前が浮上してきた。

振り返ってみると、ルメール騎手(104勝・複勝率54.0%)と川田騎手(102勝・複勝率58.8%)が抜けた数字になっている。

また、50勝以上している騎手は他に3人いて武豊騎手(65勝・複勝率40.1%)、松山弘平騎手(65勝・複勝率32.1%)、福永祐一騎手(62勝・複勝率40.9%)でこの5人が上位をがっちりと形成している。

川田騎手はGⅠ勝ちこそ上半期は無かったが、複勝率58.8%と高確率で馬券に絡む安定感を見せいている。また、福永騎手はコントレイルで、松山騎手はデアリングタクトで二冠を達成し勢いが伺える結果となった。

団野騎手が大躍進!ローカル戦に強い騎手は誰だ

ローカル競馬場 騎手リーディングⒸSPAIA



昨年の同時期のランキングは横山武史騎手が30勝でトップだったのだが、今年はやや様相が違うようだ。まず順位を見ると、吉田隼人騎手(38勝)団野大成騎手(33勝)横山武史騎手(31勝)西村淳也騎手(27勝)菱田裕二騎手(23勝)と続く。

横山武史騎手は昨年と同水準をキープしているのだが、今年は3位の成績になっている。1位の吉田隼人騎手は29勝だった成績が38勝にアップし、複勝率は23.7%から31.6%へ上昇している。8月も吉田隼人騎手から目が離せない。

そしてなんと言っても団野騎手の躍進は目を見張るものがある。特に新潟競馬場と小倉競馬場の特徴を掴めたことが大きいのではないだろうか。

団野大成騎手 成績比較(新潟競馬場)ⒸSPAIA



新潟競馬場の成績は2019年が年間通して[1-4-9-49]勝率1.6%だったのに対し、2020年は現段階で[6-4-3-40]勝率11.3%と大きく数値を伸ばしている。馬の質も当然上がったとは思うのだが、最後の長い直線にしっかりと対応できている事が勝率にも表れている。

団野大成騎手 成績比較(小倉競馬場)ⒸSPAIA



次に小倉競馬場の成績は、2019年が[0-0-0-9]とあまり騎乗回数が多くなかったのに対し、今年は[9-14-9-73]と一気に騎乗回数が増え、勝ち星を量産している。8月はこの両競馬場で開催が行われるので、団野騎手には要注目だ。

特別戦に強い「必殺仕事人」を探せ

特別レース比率が高い騎手ランキングⒸSPAIA



競馬を長年しているとイメージに囚われる事が多々ある。代表的なところでは「逃げの中館」や「穴の江田照男」などが筆者の世代である。また、古くは「必殺仕事人・田島良保」というフレーズもある。ここでは、今年度15勝以上あげている騎手の中で、特別戦に強い騎手をピックアップする。

まず1位は中京記念をシンガリ人気のメイケイダイハードで制した酒井学騎手だ。酒井騎手は今年15勝をあげているのだが特別戦での勝ち鞍が9勝ある。しかもメインレースでの成績は[5-4-5-27]で勝率12.2%、複勝率34.1%を記録している。「令和の必殺仕事人」が定着する日も近いかもしれない。

2位以下は藤岡佑介騎手(47勝中20勝)、菱田裕二騎手(24勝中10勝)松山弘平騎手(68勝中27勝)吉田隼人騎手(46勝中18勝)と続く。

障害騎手部門は「石神深一騎手」が独走状態

障害騎手リーディングⒸSPAIA



つい先日も阪神のオープン戦で後続を5.6秒も突き放す勝ち方を披露したブレイクスピアーが現れるなど、今年も障害界は話題が尽きない。障害レースは着差が開きやすい場合があるが、オープンクラスで5.0秒以上の着差がついた例は1980年以降でわずか4例しかないのだから驚きだった。

リーディング争いは石神深一騎手がただ一人10勝をあげトップ。以下、森一馬騎手(7勝)平沢健治騎手(6勝)北沢伸也騎手、中村将之騎手(5勝)と続く。馬券の面では中村将之騎手から目が離せない。昨年は[1-3-4-16]だった成績が今年に入り、[5-3-1-13]と急上昇。全て別の馬であげた勝ち星なだけに、今後も追いかけてみたい。