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【クイーンS】今年は3歳馬不在でどうなる?当日まで覚えておきたいデータ

2020 7/26 17:30勝木淳
2020年クイーンSデータ
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ⒸSPAIA

必勝パターンは3歳から4、5歳へ

夏の札幌重賞戦線の幕開けは牝馬限定のクイーンS。好走馬のなかには真夏大一番である札幌記念で激走するような馬もおり、サマーシリーズには含まれていないが注目の一戦である。そんな一戦、牝馬限定戦らしく若い馬がまず強いという傾向がある。なおデータは13年函館開催も含む過去10年間のものを使用する。

2020年クイーンS過去10年の年齢別成績ⒸSPAIA

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3歳【4-0-1-12】勝率23.5%で年上を圧倒。10年で4勝と勝ち切る印象が強い。複勝率では【3-4-4-26】の4歳(複勝率29.7%)、【1-6-5-35】の5歳(複勝率25.5%)が3歳とほぼ互角なので、1着3歳2、3着4、5歳という馬券がデータ上では理想的な馬券といえる。3歳が強いといってもそれだけでは馬券はとれない。連下に入れる4、5歳の評価がカギを握る。ただ、今年は3歳馬不在。4、5歳を上位に取る形でいいのかも。

2020年クイーンS過去10年の枠番別成績ⒸSPAIA

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5、7、8枠は勝率10%以上、複勝率15~29%以上と数字はいい。小回りの多頭数競馬とあってストレスがかからない外枠の成績が上々だ。

その一方で札幌開幕から時間が経過していないだけに(今年は2週目)内枠の2枠【3-2-1-4】が勝率30%、複勝率60%と抜群。ストレスはかかるものの1枠ほどではなく、インコースを立ち回れるアドバンテージがある。

札幌は函館よりコースに占めるコーナーの割合が多い、つまり楕円形ではなく円形に近い形態のため外を回すと距離ロスが大きい。1周走る1800m戦ではこのロスが大きく結果を左右する。迷ったときは3枠の馬を検討するとよさそうだ。

夏の重賞とあって上がり馬的な存在が力を発揮するのかと思いきや、クイーンSでは当てはまらなそうだ。前走GⅠ【6-4-4-24】勝率15.8%、複勝率36.8%と格上のレースを走った組が強い。10年で6勝がGⅠ組なので、軸馬検討はまずGⅠ組からはじめていきたい。

前走レース、覚えるべきはたった三つ

では前走レースを具体的にみていく。

2020年クイーンS過去10年の前走GⅠ組の前走レース別成績ⒸSPAIA



ヴィクトリアマイル【3-4-3-11】勝率14.3%、複勝率47.6%なので古馬はまずヴィクトリアマイル直行組に注目。オークス【2-0-1-9】勝率14.3%、複勝率25%、NHKマイルC【1-0-0-0】と春の3歳戦線からの転戦組が結果を出している。馬券に絡んだ前走GⅠ組は過去10年間ではこの3レースのみなので、絞りやすいデータではある。なんてうかつなことを言うと裏切られそうだが……。

GⅠ組の前走着順を調べると、勝ち馬も来ているが、4、5着から6~9着、10着以下に好走例が多い。前走GⅠ組は着順を気にすることなく、前走GⅠ組だからという理由だけでそのレース内容が悪くても思い切って狙ってみてもよさそうだ。

ヴィクトリアマイル組の好成績が反映されているので、距離延長組が【4-5-5-21】勝率11.4%、複勝率40%と強い。距離短縮は【3-3-5-45】勝率5.4%、複勝率19.6%と3着が多い。馬場状態がよく早い時計が記録されるような設定になりがちなクイーンSはスタミナよりスピードがいきる舞台であるといえよう。 スピード重視ということならば、脚質はどんな馬がいいのか。

2020年クイーンS過去10年の前走GⅠ組の前走脚質別成績ⒸSPAIA

前走先行組の前走着順は1着【3-0-0-12】、4着【1-1-0-1】、5着【1-0-0-4】、6~9着【1-1-0-5】、10着以下【0-2-0-11】と正直傾向がない。前走先行していい着順だった馬は当然評価しつつ、先行して負けた組にも目を光らせておきたい。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『 築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』にて記事を執筆。 YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

過去10年のクイーンSデータインフォグラフィック

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