「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

ルメールVS川田のリーディング争いは7勝差に広がる 注目すべきは混戦模様の3位争い!【3回東京・3回阪神・1回函館開催終了時の騎手リーディング】

2020 7/1 06:00三木俊幸
2020年騎手リーディング争いⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

リーディング上位に変化はなし

2020年騎手リーディング争いⒸSPAIA


3回東京、3回阪神、1回函館開催が終了し、2020年の競馬も上半期が終了したこととなる。6月に入ってからは騎手の移動制限が解除され、今までのように土日で違う競馬場で騎乗することも可能となった。そうした中で、騎手のリーディング争いに変化はあったのか、各競馬場別のリーディングとともに1か月間の成績を振り返っていこう。

まず2020年の全体リーディングから見ていく。5月末の時点では、ルメール騎手が勝ち星を一気に積み重ね、それまでリーディングを快走していた川田騎手を逆転していた。6月に入ってもルメール騎手の勢いは衰えず、4→2→2→2→1→1→2→1と開催8日間全てで勝利。15勝を積み重ねて95勝としている。

先月は連続のGⅠ開催に伴い関東遠征が多く、苦戦を強いられた川田騎手。しかし、地元関西で騎乗することが多かった今開催では3→0→3→1→1→2→1→1、合計12勝をマーク。ルメール騎手との差は7勝と少し広がったが、関西圏では安定した成績が残せる騎手であることは間違いない。

3位争いはこの1か月でさらに差が縮まり、混戦模様となってきた。3位の武豊騎手がプラス8勝だったのに対し、4位松山騎手と5位福永騎手はともにプラス12勝ずつを挙げた。これによって、松山騎手は59勝で3位武豊騎手に1勝差、福永騎手は55勝で5勝差まで迫っている。7月末までに順位の変動は見られるのか、引き続き注目していきたいところだ。

戸崎騎手が完全復調

ここからは各競馬場でそれぞれ活躍を見せた騎手に目を向けていこう。3回東京開催で最も多くの勝利を挙げたのはルメール騎手の12勝だったが、注目したいのは10勝を挙げて2位となった戸崎騎手。

昨秋に落馬し、右肘の開放骨折という重傷を負い、前開催の5月23日に復帰。最初の2週間は勝利がなかったが、3回東京開催に入ってから2→0→2→1→1→0→1→3という成績を残している。中でも10勝中5勝が特別レース、そして最終週には土日ともメインレースを勝利しており、完全に復調していると見ていいだろう。また復帰後だったということもあってか、単勝回収率は140%と高い成績が残っている。この成績を受けて、人気馬への騎乗依頼がさらに集まる可能性もあるが、オッズを見て美味しいと思った時は積極的に狙ってみてはどうだろうか。

物足りなかったという面では、前開催は12日間で25勝と大活躍だったレーン騎手は、今開催は8勝止まり。スタートで出遅れることも多く、2着13回、3着8回と勝ちきれないレースも多かった。

リーディング上位騎手による戦い

3回阪神開催は川田、松山、福永とリーディング上位に名を連ねている騎手がそれぞれ12勝を挙げるなど、上位騎手によるレベルの高いレースが繰り広げられた。そうした中で、最も印象的だったのは福永騎手。6月14日には7レース終了時点で5勝の固め打ち、さらに6月21日にも3勝を挙げるなど、夏場に入り絶好調。勝率26.1%、単勝回収率162%と好成績を残している。

変化があったのは松山騎手。これまでは単勝回収率が100%を超えていたが、今年に入っての活躍によって1番人気馬に騎乗することが増え、今開催では79頭中12頭が1番人気馬だった。そのうち6勝を挙げているものの、3回阪神開催での単勝回収率は76%という結果に終わっており、配当面で受ける恩恵は少なくなってきていると言えるだろう。

若手騎手の活躍が目立った函館開催

最後に6日間の開催となった1回函館開催についても振り返っておく。こちらも8勝で横山武騎手、池添騎手、団野騎手の3人が並んでトップだった。

6月28日終了時点で関東騎手リーディング2位につけている横山武騎手。函館でもその勢いはとどまることなく、トップタイの52回と多くの騎乗依頼が集まっていた。特徴的だったのは、8勝中5勝が芝のレースだったということ。そのうち3勝が逃げ切り、残りの2勝も4コーナーでは3番手以内を追走しており、積極的な騎乗が好結果につながっている。

池添騎手は騎乗数34回ながらトップタイの勝ち星をマーク。そのうち芝1200m戦が4勝、ダート1000m戦が2勝と短距離のレースで6勝を挙げているのが特徴的。勝率33.3%、連対率50.0%と短距離レースでの信頼度は高い騎手だ。

2年目の団野騎手は今年に入ってからここまで38勝、すでに昨年の勝利数を上回る活躍を見せている。最もインパクトがあったレースは、6月13日のメインレース函館日刊スポーツ杯。シンガリ16番人気のファイブフォースに騎乗し、好位の内で脚を溜めて直線で抜け出すというレースで勝利、波乱を演出している。

4位にも6勝を挙げた若手の亀田騎手がランクイン。若手騎手の活躍が目立った1回函館開催だったが、例年通りならば2回開催からはルメール騎手も参戦してくる。よりハイレベルの争いとなる中で、どのような騎乗を見せるのか楽しみにしたい。