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【函館スプリントS】北の地で爆走!西の4歳牝馬でショウブ!

2020 6/18 17:00門田光生
2020年函館SSインフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

昨年も異常事態が発生

2020年6月21日に函館競馬場で行われる第27回函館スプリントステークス(以下、函館SS)。昨年は禁止薬物を含む飼料添加物を摂取した可能性があるということで、6頭もの大量除外が出た。今年はコロナウイルスの影響で無観客レースという異常事態が長く続いているが、実は昨年の今頃も大事件が起こっていたのだ。

その函館SSは3歳と古馬の混合戦。このレースに限らず、この時期の短距離戦は斤量の軽い3歳有利のイメージがあるのだが、今年は1頭も登録していなかった。では、果たしてどの世代が優勢なのか。今回も2010~2019年のデータを基にして検証していきたい。

函館SS出走馬の年齢ⒸSPAIA
函館SS出走馬の所属ⒸSPAIA

今回出走していない3歳馬は、函館SSでは【2-3-2-14】で勝率9.5%、連対率23.8%となかなかの成績。しかし、それを超える世代が4歳馬で、勝率16.7%、連対率33.3%。複勝率は何と50%である。5歳以上の成績も悪くはないが、4歳馬に比べると少し見劣る。ここでは4歳馬が優勢とみたい。

函館スプリントステークス年齢別成績



続いて性別。出走頭数が多いのもあって牡馬・セン馬が14連対。ただし、勝率では牝馬の方が上となっていて、これだけではどちらが上とは判断できない。

所属別では栗東所属馬が美浦所属馬を圧倒。場所が函館という中立の地であることを考えると、迷ったら栗東所属馬を選択して間違いないだろう。

この3項目をもう少し掘り下げてみる。牝馬は合計6連対で、その内訳は1着4回、2着2回。その全てが栗東所属馬で、しかも3、4歳馬である。牝馬に関しては栗東所属の3、4歳馬、今年は3歳馬がいないので4歳馬が狙いとはっきり出た。

逆に牡馬は4~7歳から勝ち馬が出ている。牡馬に関してはこのデータだけで絞り込むことは難しいようだ。

距離短縮組が狙い

函館SS出走馬の前走距離ⒸSPAIA



最も相性のいいステップレースは3頭出走して2頭が勝っている桜花賞なのだが、今年は1頭もいない。そこで、前走距離との関係を調べてみると、同距離の1200mを使ってきた馬【3-6-3-55】に対して、距離短縮組は【6-3-7-41】。勝率、連対率とも距離短縮組の方が優秀となっている。

函館SS出走馬の斤量ⒸSPAIA
函館SS出走馬の前走着順ⒸSPAIA



ちなみにこのレース、58キロ以上を背負った馬の成績は【2-1-1-3】で、連対率が40%を超えている。2010年にはビービーガルダンは59キロを背負って2着となっているように、酷量はむしろ能力の裏返しと考えてもいいだろう。

最後に前走着順を。10着以下から巻き返して連対した馬が7頭もいる。前走で大敗していても、それほど気にする必要はなさそうだ。

北で爆走、メイショウショウブ

今回のキーワードは「栗東所属の4歳牝馬」。これに当てはまるのはエイティーンガール、ジョーマンデリン、メイショウショウブの3頭。この中で狙いはメイショウショウブ。前走から距離短縮、そして巻き返し例多数の前走10着以下。実際、これまでの重賞でも人気薄で好走した実績がある。

前走がダートというのは、ここ10年で一度もないケースなので、今回に限っては気にしなくていい。1200mは意外にも初距離だが、ダイワメジャー産駒は2015年以降の函館芝1200mでトップの14勝を挙げており、産駒のソルヴェイグも2016年にこのレースを勝っている。むしろプラスに働きそうだ。

相手は同じく「栗東所属の4歳牝馬」エイティーンガールとジョーマンデリン。あと、58キロ以上の馬が成績を残している点からダイアトニックも外せないところ。牡馬ではもう1頭、栗東所属で前走から距離短縮するフィアーノロマーノも加えておく。

◎メイショウショウブ
〇エイティーンガール
▲ジョーマンデリン
△ダイアトニック
×フィアーノロマーノ

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。昨年の函館SSで大量除外があった理由を思い出せず、結局ネットで調べました。自分の記憶力にも、どうやら大事件が起こっているようです。