「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【函館SS】夏競馬にも使えるデータが満載!函館スプリントステークス必勝法とは?

2020 6/14 17:30勝木淳
函館SSのデータインフォグラフィックⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

内か外か3歳か4歳以上か

サマーシリーズの開幕戦、函館競馬場で行われるのは函館SSである。セントウルSまで全6戦あるサマースプリントシリーズ第1戦である。

雨が多い時期でもあるので、レース中の降雨など警戒は必要だろうが、さすがに2週目にして馬場が悪化するとは考えにくい。

枠番別成績(過去10年)ⒸSPAIA

過去10年の枠番別成績では内枠のアドバンテージは大きい。1枠【2-1-3-8】勝率14.3%、複勝率は42.9%、2枠【2-1-0-12】勝率13.3%、複勝率20.0%、3枠【1-3-1-10】勝率6.7%、複勝率33.3%と内枠に良績が集中している。

かたや7枠【2-2-1-15】勝率10%、複勝率25%なので外枠は無視というわけにもいかない。1200m戦で馬場の内側が絶好の状態となればインコースが密な状態となり、しばしば渋滞が発生、その間に外枠でスムーズに流れに乗った組が台頭するというシナリオも十分考えられる。

次は年齢別成績を調べる。

年齢別成績(過去10年)ⒸSPAIA

クラス再編成後で3歳馬の取捨が難しいところだが、3歳は【2-3-2-14】勝率9.5%、複勝率33.3%でやはり斤量差が影響する1200m戦らしく健闘中である。ただ複勝率が高い傾向にあり、好走はするが勝ちきれないという見方もできる。

勝率ベースで考えればトップは【3-3-3-9】勝率16.7%、複勝率50%の4歳である。5歳、6歳とトーンダウンするのは自然な印象だが、7歳【1-1-0-11】は注意しておきたい。

夏は若者のものではあるが、競馬においては夏の高齢馬は侮れない。厳しい条件下、トップどころが休む夏競馬では、出走馬のレベルが下がり高齢馬が大駆けするシーンがある。夏競馬攻略法としても忘れないでおきたい。

キーワードは勢い

さらに夏競馬にも通じそうな前走クラス別成績を調べる。

前走クラス別成績(過去10年)ⒸSPAIA

前走クラス別成績ではGⅡ組【3-0-1-9】勝率23.1%、複勝率30.8%でトップ。格上のレースで戦ってきた経験がいきるようで、GⅠ組も【3-4-5-26】と頭数が多いので数値は低いもののそれなりの数の馬が圏内に来ており、見逃せない。

3勝クラス【1-0-1-6】勝率12.5%、複勝率25%とこちらはGⅠ組とは対照的に少数ながら結果を出している。夏の上がり馬はここでも見限れない。

前走との距離比較別成績(過去10年)ⒸSPAIA

同距離【3-6-3-55】、距離延長【1-1-0-10】に対して距離短縮【6-3-7-41】が優勢である。時計が猛烈に早くない洋芝の函館ではスピード一辺倒のタイプに対して少し長い距離を走ってきた馬でもスピード負けしないのではなかろうか。

それとも適性より長い距離を走って適距離に戻ることで一変するようなケースがあるのだろうか。

距離短縮組の前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA

データによれば1200m以上で6~9着【1-0-0-8】、10着以下【3-3-4-24】だった馬の巻き返しは確かにみられる。適距離に戻って一変というパターンはあるにはある。

だが、もっとも成績がいいのは前走1着【2-0-2-3】である。数が少ないので必ず使えるデータではないが、1200m以上のレースを勝ってきた馬が勢いそのままにここでも好走するというパターンがもっとも確率が高い。

どうしても大敗から一変というシナリオにときめきがちだが、連勝、連続好走という可能性にも目を向けなければならない。最後に前走競馬場別成績をチェックする。

前走競馬場別成績(過去10年)ⒸSPAIA

こちらも少数ながら阪神【3-1-1-2】勝率42.9%。複勝率71.4%は驚異的である。

当然使えない年もあるだろうが、これまで見てきたデータの中でもっとも顕著な数字が出ており、もしやすると前走阪神組こそ函館SSの必勝データなのではないか。毎年使えないのは玉にキズだが、該当馬を見かけたら飛びついてみてもいい。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

函館SSのデータインフォグラフィック