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【ユニコーンS】上位人気を素直に信用せよ!狙いを定めるためのヒントとなるデータとは?

2020 6/14 17:31勝木淳
2020年ユニコーンSデータⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

上位人気が堅実

3歳ダート路線の数少ない重賞ユニコーンSは、大井のJDDへとつながるいわば主要幹線道路。当然ながら、JRA所属の3歳ダート戦線のハイレベルな組が集結する。それがストレートに現れているのが過去10年の人気順別成績である。

人気別成績(過去10年)ⒸSPAIA

人気【3-3-0-4】、2人気【3-3-1-3】、3人気【4-1-3-2】と、近10年の勝ち馬はすべて1~3人気。2着も7頭、残り3頭は4人気、5人気、9人気、11人気馬が3着に来たことはあるものの、8人気以内がほぼ占める、いわば上位拮抗である。

ふた桁人気といった大穴狙いは、不的中を引き寄せることになりそうだ。まずは見立ての評価である人気を信頼すべきレースではある。

前走クラス別成績(過去10年)ⒸSPAIA

3歳限定重賞なので、クラス間の力量差は比較小さいとみるべき。だが、オープン【4-9-6-55】、GⅠ【1-0-0-10】と数は多いが、それなりに格があるレースから出走してくる馬が優位。

ちなみに新馬・未勝利勝ち直後は出走すらなく、貴重な世代限定ダート重賞だけに出走するための賞金水準は高い。また、3歳限定戦では設定されない2勝クラス【1-0-0-2】など、前走で古馬クラスへの編成後に間隔を詰めて使ってくる馬は注意した方がよさそうだ。

距離短縮組が狙いどころ

もう少し顕著なデータを探すと、前走との距離比較別成績があった。

前走との距離比較別成績(過去10年)ⒸSPAIA

東京ダート1600mは、非常に特殊な舞台である。JRA10場で唯一施行されるマイル戦であり、芝スタートでコーナー2回のワンターン。他場のダートとの共通項はなく、スピードとパワーのバランスが求められる。

その意味でも距離短縮【6-5-5-43】が同距離【3-3-4-42】や距離延長【1-2-2-40】より好成績である。まずはマイルより長い距離を走っていた馬に目線を置くのも悪くはない。

ちなみに距離短縮組の前走着順別成績を調べると、前走1着【2-4-1-11】前走2着【3-1-2-4】と長い距離でもきっちり好成績を収めた馬が優位だ。

距離短縮組の前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA

古馬のレースでよくありがちな適性外の距離を走って敗退、得意距離に戻って一変するといった現象は期待できない。まだ適性が定まらない3歳限定戦らしくあくまでマイル以上でいいレースをしていた馬が、ここでも再びいいレースをするというイメージだ。

では具体的なレース名を検討してみよう。

前走レース別成績(主要レースのみ、過去10年)ⒸSPAIA

兵庫CS【3-1-1-5】、伏竜S【1-1-0-3】、鳳雛S【1-1-1-8】と距離短縮にあたり、かつ3歳ダート路線としては格上、好メンバーがそろいやすいレースが好成績である。

東京ダート1600mはクセが強い舞台といったが、同条件である青竜S【1-3-3-15】は何とももどかしく、勝ちきれない印象。連続好走してもよさそうなものだが、イメージほど勝っていないのは覚えておきたい。まったくダメではないが、同条件組は連下評価が妥当ではないだろうか。

また、芝からの転戦組はさほど結果を出しておらず、NHKマイルC【1-0-0-7】ぐらい。好走は昨年3人気1着ワイドファラオのみ。初ダートで一発回答といった具合だが、それも3人気。あくまで堅実な予想が求められる。

まとめると、
・上位人気優先
・前走からの距離短縮、できればその前走は好走していること
・レース名でいうと、兵庫CS、伏竜S、鳳雛Sなどが主要ルートである

今年は米国ケンタッキーダービーが秋開催に移行。このユニコーンSも同レースへの出走権をかけたシリーズに編入される。この状況下、本気でマスターフェンサーのように目指す馬がいるかは疑問だが、出走メンバーのレベルがあがれば上位人気堅実という傾向に拍車がかかりそうだ。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

2020年ユニコーンSデータ