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【安田記念】ダノン3本の矢 射止めるのはスマッシュ!アーモンドアイの評価は?

2020 6/4 06:00門田光生
過去10年の安田記念の牡馬・牝馬別成績インフォグラフィック,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

ヴィクトリアマイル好走馬は苦戦?

ダービーが終わって気が抜けるかと心配していたが、安田記念の登録馬を見るとそんな気持ちも一気に吹き飛んだ。もし実力馬の海外遠征が例年通り行われていたならば、これだけのメンバーが集まらなかったかもしれない。感動の競馬が続いた東京GIシリーズのフィナーレにふさわしいレースといえるだろう。

このレースは古くはオグリキャップやタイキシャトル、最近ではロードカナロア、ジャスタウェイ、そしてモーリスなどの名馬が勝ち馬に名を残しているが、決して固く収まるレースではない。

昨年は単勝1.7倍に支持されたアーモンドアイがよもやの3着。ここ10年で見ても、半分以上が馬単万馬券の決着となっている。果たして今年も有力馬に死角はあるのか、そして高配の使者はどの馬なのか。今回も過去10年のデータを元にして検証していきたい。

安田記念出走馬の年齢ⒸSPAIA

まずは年齢。7歳を超えると勝ち馬がいなくなってしまうが、6歳以下ならそれほど大きな差はない。同じマイルGIでも、4歳馬が連対馬の半分を占めるマイルCSと傾向が違うようである。

安田記念出走馬の性別ⒸSPAIA

性別では、牡馬・セン馬の方が牝馬より10倍以上も出走頭数が多い。牡馬・セン馬の連対馬が多くなるのは当然だとはいえ、牝馬は【0-2-1-11】と勝ち馬が出ていない。着外だった11頭の中には、2011年アパパネ(前走ヴィクトリアマイル1着)、2013年ヴィルシーナ(前走ヴィクトリアマイル1着)、2018年リスグラシュー(前走ヴィクトリアマイル2着)も含まれている。

もっとさかのぼれば名牝ウオッカが連覇している記録もあるのだが、近年ヴィクトリアマイル上位組は苦戦の傾向は間違いなく、アーモンドアイにとってはあまりよろしいデータとはいえない。

ちなみに、連対した2回はいずれもアエロリットで、ヴィクトリアマイル圏外からの巻き返しだった。アエロリットにとって相性のいいレースだったと考えると、昨年1番人気で連を外したアーモンドアイにとっては相性が悪いレースなのかもしれない。

チャンプは例外

安田記念出走馬の前走ⒸSPAIA

ところで、このレースは王道路線というものがはっきりとしない。一応は連対馬を5頭出している京王杯SCなのだろうが、勝ち馬となると何と8つのレースから出ている。クラスもGI、GⅡ、GⅢ、オープン、そして海外とバラバラ。その中で気になるのはマイラーズC組。【1-1-6-36】で、最も多くの馬が参戦してきたレースを思えばかなり連対率が悪い。

また、マイラーズCが京都開催に変わった2012年以降は【1-0-4-29】となり、さらに下がってしまう。基本この路線は評価を下げていいと思うが、唯一マイラーズCを経由して勝ったのが昨年のインディチャンプ。今年も同様のパターンで挑んでくるが、この馬だけは例外として扱っていいだろう。

安田記念出走馬の前走距離ⒸSPAIA

前走に関してはこれといった特徴がなくても、前走距離に関しては一応の傾向が出ている。勝ち馬が出ている前走1200m、1400m、1600m、1800mの中で最も勝率がいいのは1800m、最も勝率が悪いのは1600mとなった。1600mの成績が悪いのはマイラーズCが足を引っ張っているからなのだが、ヴィクトリアマイルからも勝ち馬が出ておらず、データ上では狙いづらいのは間違いない。

なお、最も勝率がいい1800mを経由して出走してくるのはペルシアンナイトだけ。これだけでも狙う価値はありそうだ。なお、2000m以上となると勝ち馬が出ておらず、2着に1頭いるだけとなる。

安田記念出走馬の前走着順ⒸSPAIA
安田記念出走馬の前走着差ⒸSPAIA

最後になるが、荒れやすい傾向といっても、前走で掲示板を外した馬が巻き返して勝った例は2017年のサトノアラジンしかいない。そのサトノアラジンは9着だったとはいえコンマ4秒差で、着順ほど負けていなかった。ちなみに前走でコンマ5秒以上負けている馬から勝ち馬は出ていない。

父と同じ道を

今回の減点対象は「7歳以上」「牝馬」「前走1600m(インディチャプを除く)、2000m以上」「前走で掲示板を外した馬」、そして「前走で0.5秒以上負けた馬」。加点対象は「前走1800m組」となる。

全く減点がなかったのはインディチャンプとダノンスマッシュだけ。インディチャンプは上でも触れたように、昨年と同じマイラーズC→安田記念のローテーション。昨年はうまくいったが、マイラーズC組が連対1頭に対して、ダノンスマッシュが走った京王杯SC組は5連対。確率的に京王杯SC組を上に取るのが筋だろう。二択で迷ったら人気薄、という個人的判断基準もあって、今回はダノンスマッシュにかけてみたい。前走を勝って、久々にマイルへ挑戦というのは、父ロードカナロアが安田記念を勝った時と同じパターンでもある。

相手はもちろんインディチャンプ。中・長距離の小回りが得意なタイプが多いステイゴールド産駒だが「マイルも外回りも走る」という時点で規格外の馬だと思っている。

続いてペルシアンナイト。唯一加点がある馬で、減点も「前走で0.5秒以上負けた」の1つだけ。レースでかみ合わず勝ち切れない競馬が多いだけに、爆発力のある田辺騎手とのコンビは魅力。はまると予想以上の結果が出るかも。

あと減点が少ない馬ではアドマイヤマーズ、グランアレグリア、ダノンキングリー。いずれも前走距離で引っかかっているが、それ以外は問題なし。この3頭も有力候補だ。問題のアーモンドアイだが、ヴィクトリアマイルで好走した馬の成績が悪いデータが気になるが、データ上有利といえなかったヴィクトリアマイルで楽勝した経緯があるだけに、さすがにノーマークにはできない。

◎ダノンスマッシュ
〇インディチャンプ
▲ペルシアンナイト
△アーモンドアイ
×アドマイヤマーズ
×グランアレグリア
×ダノンキングリー

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。安田記念といえば、世界王者ジャスタウェイとハナ差の勝負をした16番人気グランプリボスの走りに驚いた記憶が。そのグランプリボスに騎乗していたのが三浦騎手。同じ年のNHKマイルCでも17番人気のタガノブルグでクビ差の2着。東京のマイルGIで何かを起こしてくれるはずです。

過去10年の安田記念の牡馬・牝馬別成績インフォグラフィック

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