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【日本ダービー】「Cコース変わり」「内から5頭分が伸びる馬場」今年は共同通信杯組に配当妙味あり!

2020 5/28 17:00三木俊幸
2020年日本ダービーの馬場適性分布図ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

今週末からCコース

世代の頂点を決める戦い、日本ダービー(GⅠ・芝2400m)。皐月賞で敗れた馬たちがその後のレースで勝利を収めたことで、今年は皐月賞組のレベルの高さが際立っている。コントレイルが父ディープインパクト以来の無敗の2冠馬に輝くのか、サリオスが意地を見せるのか、それとも大波乱が起きるのか。馬場適性の観点から分析、予想を行っていく。

まずは先週末5月23日(土)と24日(日)に東京競馬場の芝コースで行われた12レースの結果を振り返っていこう。

5/23・24 東京芝コースの上がりⒸSPAIA

Bコースになって2週目を迎えたが、依然として高速馬場。オークスは2:24.4と馬場を考えると遅いタイムでの決着となったが、土曜日のメインレースだったオープンクラスのメイS(1800m)ではアイスストームが1:44.3、日曜日の3歳1勝クラス(1600m)はサクラトゥジュールが1:31.7という速いタイムで勝利した。

上がりタイムも12レース中7レースが上がり33秒台の決着。オークスを勝ったデアリングタクトの能力が抜けていたのもあるが、2400mのレースでも33.1という上がりがマークされていた。

5/23・24 東京芝コースの通過順位ⒸSPAIA

その一方で脚質には少し変化が見られた。先々週は先行馬が圧倒的に有利な馬場状態で、勝利した馬は全て4角で6番手以内だった。

しかし、先週は先行6勝、差し6勝と互角。その理由として、Bコースになったことで、Aコースの時には通らなかった外のコースを通る馬が増えたことが挙げられる。2週間が経ち、走りやすいコンディションへと変化し、伸びるようになってきたと推測する。

5/23・24 東京芝コースの直線で通ったコースⒸSPAIA

では、先週のレースで3着以内に入った馬が直線で内から何頭目のコースを通ったのかを見ていこう。

最も多い7頭が馬券に絡んでいたのは、内から2頭目(5勝、2着1回、3着1回)。次いで最内(1勝、2着1回、3着3回)と内から5頭目(2着4回、3着1回)、内から6頭目(3勝、2着1回、3着1回)の5頭となっていた。さらに内から7頭目のコースも4頭(1勝、2着1回、3着2回)が馬券に絡んでいたことからも、内から7頭目以内は均等な馬場状態だったと言える。先々週が内から4頭目以内が伸びる馬場だったことを考えると、伸びるコースは間違いなく広がっている。

しかし今週末からまたしてもコース変更で、BコースからCコースへと変わる。内から約2頭分が仮柵で保護されてしまうとすると、伸びるコースは「内から5頭分」ということになる。Bコースに変わった先々週ほど極端な傾向には出ないだろうが、再び先行馬が有利な傾向になるのではないかと考える。

コントレイルに不安材料はなし

ここからは馬場適性分布図をもとに、注目馬の馬場適性について詳しく見ていく。なお分布図の縦軸はスピード型かパワー型かを示す指標、横軸は瞬発力勝負と持続力勝負のどちらに適性があるかを示している。

2020年日本ダービーの馬場適性分布図ⒸSPAIA

【コントレイル】
前走の皐月賞は稍重、後方からのレースとなり、大外を回すレースとなったが、瞬発力の違いでサリオスを振り切り、ずば抜けた能力を示した。3走前の東京スポーツ杯2歳Sでは、5番手追走から上がり33.1を使い、1:44.5のレコードタイムで圧巻のパフォーマンスを披露。東京コースに戻るのは間違いなくプラス材料で、不安材料は見当たらない。

【サリオス】
皐月賞では3着以下に差をつけており、上位2頭の能力は抜けている。この馬も高速馬場の東京コースに変わるのは歓迎材料。一瞬の瞬発力ではコントレイルがさらに上を行っているので、先行力を生かしてロスなく立ち回ってほしい。

【サトノフラッグ】
東京コースでは、未勝利戦で1:59.5のレコードタイムで勝利しているが、上がりは34.5と平凡。その後の3歳1勝クラスと弥生賞のレースぶりを見ても、中山コースのような直線の短いコースに適性が高いと感じる。能力の高さは認めるので、馬場の良い内を通って早めに抜け出せば、馬券圏内への好走もあるかもしれないが、馬場適性の観点からは危険な人気馬としたい。

【ダーリントンホール】
全5走中、共同通信杯を除く4走が直線の短いコース。切れる脚がないので、そうした舞台に適性が高いと考えていたが、意外と飛びが大きいので、皐月賞のような多頭数の中山コースでは全能力を発揮できなかったように感じた。そうしたことからも、重賞を勝利している東京の舞台で巻き返しに期待したい。

【ガロアクリーク】
新馬戦は東京2000mで上がり33.5を使って勝利しており、コース変わりは問題なし。時計勝負という面では不安もあるが、レベルの高い皐月賞で差してきての3着という実績は素直に評価したい。

【ビターエンダー】
皐月賞では14着に敗れたが、共同通信杯2着、前走のプリンシパルSではきっちり勝利するなど、東京コースでは3着以下を外していない。ローテーションは楽ではないが、先行力があって馬場適性も高く、2400mも問題なし。上位2頭に逆転は難しいかもしれないが、うまく乗れば馬券圏内への好走は十分可能だ。

【ヴァルコス】
皐月賞組以外で狙うのであれば、青葉賞2着のこの馬。今年の青葉賞は2:23.0と過去10年で最も速いタイムでの決着となった。オーソリティには差されたものの、しぶとく食い下がった内容からも距離適性は高そう。ただ切れる脚がないので、タフな流れになってほしい。

【日本ダービー予想】
◎コントレイル
○サリオス
▲ダーリントンホール
△ビターエンダー
×ガロアクリーク
×ヴァルコス