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単勝回収率163%! 3年連続回収率上昇中の「買える」騎手を発見!イメージではなく数値で分析

2020 5/13 06:00高橋楓
横山武史の過去3年の単勝回収率データⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

3年連続回収率向上中の騎手は5人!

近3年の回収率上昇ランキング(3年連続)ⒸSPAIA

今年10勝以上あげているジョッキーの中で、「回収率が近3年間上り調子の騎手」を調べてみると5名(武藤雅、川須栄彦、横山武史、松若風馬、松田大作)いた。まさか、ここで関東リーディング騎手の「横山武史」騎手の名前があがるとは思いもしなかった。なぜならば「横山典弘騎手の息子」という扱いから、乗れる騎手「横山武史」が認知され、頭角を現していたからだ。

認知度が上がると有力馬の騎乗依頼が増え、人気となるため単勝回収率はでにくくなる傾向がある。証拠に騎乗馬の単勝オッズは2018年が平均8.6番人気だったのだが、2019年平均7.0番人気、2020年平均6.2番人気と年々上がってきている。にもかかわらず回収率が61%→74%→163%と上がってきているという事は、人気馬だけでなく、まんべんなく勝ち星を増やしている事に他ならない。

関東リーディングという認識が高まれば、オッズはどんどん下がっていく。今年までが狙いどころの騎手といっても過言ではない。また、「川須栄彦」騎手は毎年高い回収率を誇っており、80%→106%→192%と成績を残している。覚えておいて損はない。

本年9勝以下の中に「内田博幸」騎手の名前が!?要注目は森裕太郎騎手!

近3年の回収率上昇ランキング(3年連続)ⒸSPAIA

本年9勝以下の騎手の中にもお宝騎手は眠っている。該当騎手は4名いて(木幡巧也、森裕太朗、柴田大知、内田博幸)で筆頭格は「内田博幸」騎手だ。一時はリーディング騎手にも輝き毎年のように上位にランクインしていたが、近年は思うような成績が残せてはいなかった。

それは馬券にも表れ2018年単勝回収率が53%(平均6.1番人気)、2019年(平均7.2番人気)と低迷したが、今年に入り116%(平均8.9番人気)と復調してきている。特にダート戦においては126%の回収率を記録している。元々大井競馬場を主戦場に3年連続400勝を達成した名手。改めて見直しておきたい。

そして、私は「森裕太朗」騎手をプッシュしたい。今年2勝の騎手を、と思われるかもしれないがまだ5年目の期待の若手騎手である。一度フリーとなったのだが、今年4月14日より角居厩舎の所属騎手となり、改めて力のある馬と接する事で成長をとげようとしている。

今年は単勝15番人気のクリノイダテンの勝利で回収率は上がっているように見えるが、あくまでもこれからの騎手。躍進を期待したい。

2019年デビュー騎手で注目の2人は「藤井勘一郎」「団野大成」騎手

近3年の回収率上昇ランキング(2019年デビュー)ⒸSPAIA

逆輸入騎手の「藤井勘一郎」騎手を新人騎手と呼ぶのは失礼に値するかもしれない。元々、世界13ヶ国、約70ヶ所の競馬場を経験してきた国際派ジョッキーである。デビュー初日から重賞レース騎乗を果たした点を見ても、すでにホースマンの世界で認められている証である。

今年はフラワーカップを12番人気のアブレイズで制したことで245%という単勝回収率となっているが、1番人気で勝ったレースは1鞍しかなく元々回収率は高い傾向にある。特徴的なのはJRA免許取得後の26勝中、2歳馬2勝、3歳馬18勝と若駒に勝ち鞍が集中している点だ。実に76.9%という数字になる。藤井勘一郎騎手が3歳馬に乗っている時には要注意だ。

もう一人「団野大成」騎手からも目が離せない。団野騎手の最大の魅力の一つが人気馬で成績を出せる事だ。今年の24勝のうち15勝が単勝オッズ一桁人気で結果をだしていて、リーディングも13位につけている。人気馬で結果を出す事は難しいのだが、この年齢ですでにそれが出来ている。所属する斉藤崇史厩舎はNHKマイルカップをラウダシオンで制し、調教師リーディングも全国11位の成績。良血馬や期待馬も揃っているだけに、今後の躍進も期待できそうだ。

競馬を楽しむうえで「回収率」は必ず気にしなければならないファクターだ。たとえ1レースしか当たらなくても100%を超えていればその日は「勝ち」なのだ。競馬という趣味を長く続けていくには回収率はこだわっていきたい。

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。