「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

最終日に強いチャン・キムが日本オープンを制覇 賞金ランキング首位に躍り出る

2019 10/23 18:35akira yasu
アメリカのプロゴルファーのチャン・キムⒸゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

8バーディーで8打差を逆転し日本オープン優勝

10月17日から20日、古賀ゴルフクラブで日本オープンが開催された。狭いフェアウェイ、深いラフ、硬くて速いグリーン。これぞ日本オープン、というセッティングに多くの選手が苦しむ中、最終日に8バーディーで8打差を逆転したチャン・キムが、通算1オーバーで2度目の優勝を果たした。

10月24日から27日に開催される日本初開催の米ツアーZOZOチャンピオンシップに出場するにあたり、最高の形ではずみをつけることができた。

そして、賞金ランキングでは優勝賞金4,200万円を加算し、今平周吾、石川遼を抜き去り首位に立った。2年前の2017年は一時賞金ランキング首位に立ち宮里優作、小平智と賞金王を争い3位になった。活躍が期待された翌年の2018年は腰と背中の痛みのためツアーには姿を見せず治療に専念。今季は2017年の借りを返したいところだ。

圧倒的な飛距離を武器に賞金王を狙う

188センチ105キロの体格から打ち出されるドライバーショットは圧巻。2016年と2017年にはドライビングディスタンス1位に輝いた。今季はますます飛距離を伸ばし3連覇と賞金王へツアーを突き進む。

チャン・キム ドライビングディスタンスⒸSPAIA
賞金ランキングⒸSPAIA

ⒸSPAIA

ただ、賞金ランキング首位とはいえ、2位の今平とは300万円ほど、3位の石川とは700万円ほどと差はまだ小さい。

賞金総額11億円、優勝賞金2億円のZOZOチャンピオンシップでの獲得賞金は、50%が日本ツアーの獲得賞金として加算される。ZOZOチャンピオンシップ以降の日本ツアーは賞金額が多い試合が続くため、現在の数百万の差は無いに等しいと見た方が良いだろう。

賞金王獲得の為にはZOZOチャンピオンシップを含めた残り7試合で少しでも多く上位に入る必要がある。

日本ツアー 今季残りの試合ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

最終日の平均ストロークが良い

チャン・キムは最終日に最も力を発揮するタイプの選手だ。今回の日本オープンもそうだったが、ここ数年の各ラウンドの平均ストロークがそれを物語っている。

毎年、予選カット前より第3ラウンド、第3ラウンドより第4ラウンドにスコアを伸ばし、順位を上げる傾向にある。プレッシャーが強くなる後半に安定して成績を残せることもドライバーの飛距離に並ぶ武器だ。

チャン・キム 平均ストロークⒸSPAIA

ⒸSPAIA

2019年秋の主役になるか

2019年度の米ツアーでドライビングディスタンス1位になったのはキャメロン・チャンプで、記録は317.9ヤード。数字だけで比較するとチャン・キムの方が上だ。フィールドが違うとはいえ、ドライビングディスタンスは、チャン・キムが米ツアーを主戦場にしている選手達の中に入ってもトップクラスという見方ができる。

ZOZOチャンピオンシップでは、米ツアーでも通用するパワーと後半の安定感を武器に米ツアーの選手に対抗して欲しい。予選ラウンドで上位をうかがえる位置にいることができれば、得意の第3、第4ラウンドで優勝争いに加わることも十分可能なはずだ。

最終戦の日本シリーズまで残り6試合。今季の賞金王争いを左右する最初の一戦が24日開幕する。