目標は2020年東京オリンピック出場
高校生ながらプロ宣言をし、アメリカLPGAツアーに参戦中の山口すず夏をご存知だろうか。
2000年生まれの彼女は、現在高等学校3年生。2018年アメリカLPGAのQTを受け、限定的ながら出場権を獲得。プロになるまでのプロセスは、高校卒業まで待ちプロテストを受験。不合格でもその年のQTを受験し、翌シーズンからのツアー参戦を目指すというのが一般的。1年早く、それもアメリカに渡ってまでプロを目指した理由はなんだったのか。
日本LPGAは2018年2月にプロテストとQTの制度変更を発表し、これまで実施年の4月1日時点で満18歳以上だった受験資格年齢を満17歳まで下げた。これにより高校3年生でプロテスト、QTを受験、卒業と同時にツアーに参戦できるようになったのだが、この制度変更は2019年より実施されるため、2018年度(2019年3月)高校卒業予定の山口の世代には適用されなかった。よって4月の卒業を待って、1学年下の2019年度卒業世代と一緒に受験することになる。
だが、2020年東京オリンピックに出場するという大きな目標がある山口にとって、残された時間は約1年半と短い。オリンピックの選考基準は世界ランキングのみで、世界ランキングの順位を上げるには、対象ツアーの試合に出場して成績を残すしか方法がない。
日本でも、LPGAのレギュラーツアーとステップ・アップ・ツアーが対象ツアーに認められており、ここで成績を残せば順位は上がるのだが、日本の受験資格を待っていては時間が足りない。そのため、1年早く受験ができるアメリカLPGAのQTを受験して、1年早く対象ツアーの出場資格を獲得したのだ。