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スタッツで見る女子ゴルフ黄金世代の勝みなみ、小祝さくら

2019 1/26 11:00SPAIA編集部
勝みなみ,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

勝みなみはラフからでも平気、強気の攻めでバーディーを量産

勝みなみは2018年シーズンをQTランキング26位で参戦。37試合に出場して優勝1回、賞金ランキング9位につけた。トップ10に11回入る一方で予選落ちも11回(1回は棄権)と、好不調の波が激しい1年だった。基本的なスタッツを見ると、ドライビングディスタンスは245.76ヤードで11位、平均パット数(パーオンホール)は1.7502で2位、平均パット数(1ラウンド当たり)は28.2762で1位と賞金ランキング9位に見合う成績を残している。

ところが、スコアメイクに重要なパーオン率は64.2328で70位と、首位申ジエの75.3358と比べて10ポイント以上も悪い。これは、55.4422で90位のフェアウェイキープ率のせいだと思われるが、少ないパーオン率の割に、1ラウンドの平均バーディー数は3.5333で7位だった。

つまり勝のゴルフスタイルは、ドライバーで距離を稼ぐものの、フェアウェイに止まるのは約半数。ラフから2打目を打つ回数が多く、パーオンはそれほど多くない。それでもバーディーが多いのは、パーオンしたボールがピンに絡んでくるからか。1パット圏内のパットは確実に入れてバーディーを量産している。

それでは、優勝した「大王製紙エリエールレディスオープン」の時はどうだったのか。 初日首位と6打差の1アンダー32位タイのスタートだったが、2日目4アンダー、3日目8アンダーを挙げて、この時点で1位タイに浮上した。最終日は7アンダーでトータル20アンダーまでスコアを伸ばし、2位に4打差をつけて優勝に輝いた。

4日間のドライビングディスタンスは257ヤードと強打ぶりを発揮。平均パット数も27.50で一番よかったが、問題のフェアウェイキープ率は56ホール中25ホールの44.6429と予選通過57名中56番目の成績だった。それでも72ホール中61ホールでパーオンを果たし、パーオン率84.7222でバーディー量産につなげている。ラフからのショットはパーオンしてもピンにからみにくいのも確か。もう少しフェアウェイキープ率がよくなれば、まだまだバーディー数も増やせるのではないだろうか。

勝みなみ表,ⒸSPAIA

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爆発力が欲しい、トータルドライビング3位小祝さくら

小祝さくらは2018年シーズンをQTランキング9位で参戦。序盤は6試合中4試合で予選落ちと苦しいスタートとなったが、リランキングを7位で通過し、全38試合に出場して賞金ランキング8位でシーズンを終えた。トップ10入りが13回あり、2位が4回(うちタイ2回)あるものの優勝には届かなかった。

基本的なスタッツを見ると、ドライビングディスタンスは240.19ヤードで27位。平均パット数(パーオンホール)は1.8104で22位、平均パット数(1ラウンド当たり)は30.1273で58位と飛び抜けていい数字は残していない。

それでも、パーオン率は72.0202で10位につけ、平均バーディー数は3.2727で14位。これはトータルドライビング3位の成績が大きいのだろう。

トータルドライビングとは、ドライビングディスタンス順位とフェアウェイキープ率順位を加え、数値の少ない順に並べたものである。ちなみに、ドライビングディスタンス1位の葭葉ルミはフェアウェイキープ率87位でトータルドライビング33位。フェアウェイキープ率1位の酒井美紀はドライビングディスタンス89位、トータルドライビングは39位タイとなっている。

小祝のフェアウェイキープ率は68.8961で24位。ドライビングディスタンスが27位とどちらも飛び抜けてよくはないが、安定した飛距離と正確性で、グリーンを捉えるプレースタイルができていると想像できる。

ただ、安定感だけでは優勝に届かなかった。パーオン率がよくなれば、ピンから遠いパットの回数も増え、平均パット数が悪くなるのは仕方がないとしても、1ラウンド当たりのパット数がもう少し上位にくれば、初優勝も近いのではないだろうか。

小祝さくら表,ⒸSPAIA

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