なぜ、パットは難しいのか? グリーンの錯覚とは
硬さ、芝目、傾斜によって、ボールの転がるスピードや曲がり方が違ってくるグリーン。最近はナビ機能搭載のカートも多くなり、傾斜や芝目を表示してくれるゴルフ場も多くなってきた。それでも、細かいアンジュレーションや傾きは実際のグリーンに立ってみないとわからないことも多い。
さらにゴルフ場によってグリーンの硬さや芝の長さが違うので、曲がり幅や速さが違ってくる。結局のところ、実際にボールを打って転がしてみないとわからないという訳だ。
プロのように練習日があれば、ラウンド前に入念にグリーンを確認できる。しかし、ぶっつけ本番でラウンドするケースが多いアマチュアの場合、グリーンを確かめる唯一の機会は朝の練習時だけ。ここでグリーンの速さをしっかり確認できればいいが、短い時間ではそれも難しい。
芝目は芝生の伸びた方向が順目、反対方向は逆目となる。ところが短くカットされた芝の方向を見分けるのは至難の業といえる。見分ける方法として、「逆目側から見ると芝の切り口が黒く見える」「山を背にする」「池や川に向かう」など色々言われているが、やはり自分で判断するのは難しい。ナビで確認するか、キャディさんが付いてくれれば聞いたほうが無難だろう。
傾斜はボールの位置からホールに向かって、登り下りと左右のどちらに傾いているかしっかり把握しなければいけない。だが、グリーン周辺の景色や造形によって傾いている方向が分からなくなるため、簡単なようで簡単ではない。これは、下り坂が登り坂に見えたり、右傾斜が左傾斜に見えたりと目の錯覚によって全く別の状態に見える「坂道錯視」と呼ばれる現象だ。
このように、もともと難しくできているグリーン。どうすればパットは入ってくれるのだろう。