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なぜパットは難しい? ここ一番で入るパットとは

2019 1/13 15:00SPAIA編集部
ゴルフ,ⒸShutterstock.com
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なぜ、パットは難しいのか? グリーンの錯覚とは

硬さ、芝目、傾斜によって、ボールの転がるスピードや曲がり方が違ってくるグリーン。最近はナビ機能搭載のカートも多くなり、傾斜や芝目を表示してくれるゴルフ場も多くなってきた。それでも、細かいアンジュレーションや傾きは実際のグリーンに立ってみないとわからないことも多い。

さらにゴルフ場によってグリーンの硬さや芝の長さが違うので、曲がり幅や速さが違ってくる。結局のところ、実際にボールを打って転がしてみないとわからないという訳だ。

プロのように練習日があれば、ラウンド前に入念にグリーンを確認できる。しかし、ぶっつけ本番でラウンドするケースが多いアマチュアの場合、グリーンを確かめる唯一の機会は朝の練習時だけ。ここでグリーンの速さをしっかり確認できればいいが、短い時間ではそれも難しい。

芝目は芝生の伸びた方向が順目、反対方向は逆目となる。ところが短くカットされた芝の方向を見分けるのは至難の業といえる。見分ける方法として、「逆目側から見ると芝の切り口が黒く見える」「山を背にする」「池や川に向かう」など色々言われているが、やはり自分で判断するのは難しい。ナビで確認するか、キャディさんが付いてくれれば聞いたほうが無難だろう。

傾斜はボールの位置からホールに向かって、登り下りと左右のどちらに傾いているかしっかり把握しなければいけない。だが、グリーン周辺の景色や造形によって傾いている方向が分からなくなるため、簡単なようで簡単ではない。これは、下り坂が登り坂に見えたり、右傾斜が左傾斜に見えたりと目の錯覚によって全く別の状態に見える「坂道錯視」と呼ばれる現象だ。

このように、もともと難しくできているグリーン。どうすればパットは入ってくれるのだろう。

プロとアマチュアのグリーンの違い、アマチュアに最適のパットとは

グリーンの傾きは、ボールとホールを結ぶ線上のホール側からと、グリーンの最下点の2か所から確認したほうが分かりやすい。

傾きが分かれば、それに芝目を加味したカップまでのライン(ボールがカップに入るまでの道筋)を想像する。ラインが決まればいよいよボールを打つのだが、ボールの距離や傾斜の程度、自分の技量によって、狙うのか寄せるのかはっきり決める。

自分の決めたラインに向かってボールを打ち出すのだが、ラインの決め方が重要になってくる。ボールはスピードの遅いほうがグリーンの影響を受けやすい。したがって、下りや高速グリーンなどで強く打てないパットは、芝目や傾斜の影響を強く受けてよく曲がる。

プロは、高速グリーンに対応して、曲がり幅を多く見てカップを外したライン取りをする場合が多いのだが、それほど速くないグリーンでいつもプレーしているアマチュアは、できるだけカップの内側を狙ったほうが成功率は高くなる。

カップを外して狙ったボールを入れるのは難しい。狙った場所に打ち出せても、少し強く打つと曲がり幅が少なくてカップの外側を抜けてしまい、少し弱いとカップの手前で曲がってしまう。方向と強さがピッタリ合わないとボールはカップに入ってくれない。

一方カップの内側を狙ったボールの場合、弱ければ同じく手前で曲がるのだが、少々強く打ち出したとしてもまっすぐカップに入ってくれるため、パットの打ち出しが弱くならないことだけを気にかけていればよい。勿論、狙った場所にまっすぐ打ち出す技術は必要なので、これについては練習を積み重ねるしかない。