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平成19年 石川遼が史上最年少優勝【平成スポーツハイライト】

2019 1/2 11:00SPAIA編集部
石川遼,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

見事なチップインで逆転V

男子ゴルフ界に待望の新星が誕生したのが、平成19年5月の「マンシングウェアオープンKSBカップ」だった。15歳の高校生、石川遼が史上最年少優勝。インタビューに恥じらいながら答える様子が微笑ましく、前年夏の甲子園で優勝した早実・斎藤佑樹の「ハンカチ王子」にちなんで「ハニカミ王子」と呼ばれるようになった。

岡山県玉野市の東児が丘マリンヒルズゴルフクラブ。初日が暴風で中止となったため、最終日に2ラウンドが行われる変則日程だった。

2日目終了時点で7打差の23位だった石川は、第3ラウンドで3つスコアを伸ばすとさらに勢いに乗る。最終ラウンドの17番パー3では、ティショットをバンカーに入れたものの見事なチップインバーディー。36ホールを戦い抜いて通算12アンダーまでスコアを伸ばし、2位の宮本勝昌に競り勝った。

アマチュアとしては、昭和55年の中四国オープンで優勝した倉本昌弘(当時25歳)以来の快挙。15歳245日は世界最年少優勝記録として、後にギネスにも認定された。宮里藍らの活躍で人気を集めていた女子に比べ、地味な印象の強かった男子ゴルフ界にもニュースターが出現した。

脅威の「58」に世界震撼

石川は平成20年にプロ転向。11月の「マイナビABCチャンピオンシップ」では大ギャラリーを魅了した。

最終日の最終18番パー5。第2打で池越えのグリーンを狙ったが届かず、ボールは斜面を転がり落ちて池に落ちた。しかし、池の淵からウォーターショットを放つと、水しぶきとともに飛び出したボールはピンまで3m。そこから2パットで見事にパーセーブし、プロ転向後ツアー初優勝を飾った。インタビューには涙をこぼしながら答え、大観衆の祝福を受けた。この年は賞金ランキングで5位に入り、史上最年少の1億円プレーヤーとなった。

翌21年4月には17歳6カ月でマスターズ、7月には全英オープンに初出場を果たし(結果は予選落ち)、4勝を挙げて最年少賞金王に。

そして22年、またしても世界のゴルファーを驚かせる。5月の「中日クラウンズ」最終日。首位と6打差の18位でスタートした石川は、連続バーディーで発進すると前半9ホールを28で折り返す。後半も勢いは止まらず計12バーディーを奪い、世界記録の58をマーク。終わってみれば2位・藤田寛之に5打差をつけて大逆転優勝を果たした。

ツアー通算14勝

平成24年11月の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で、史上最年少でツアー10勝目を挙げると、翌25年からは米ツアーに挑戦。30年からは再び主戦場を日本に戻した。ここまで日本ツアー通算14勝。最近は同級生の松山英樹に主役を奪われた感もあるが、まだ27歳だ。これからどんなドラマを見せてくれるか、大いに期待したい。