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女子プロゴルフ主要スタッツを検証 2018年各スタッツでトップを獲得した選手は?

2018 12/31 15:00SPAIA編集部
鈴木愛Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

スコアに差が出るパーオンホールの平均パット数

LPGAツアーはメルセデス・ランキング1位に申ジエ、賞金女王にアン・ソンジュ、平均ストローク1位に鈴木愛が輝き幕を閉じたが、シーズンを通して見応えのある戦いを見せてくれた。ここでは、そんな戦いの結果として残った各種スタッツに注目してみた。

パット数表

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平均パット数は、スコアメイクに影響を与える重要な指標だが、LPGAでは、パーオンホールの平均パット数と、ラウンド当たりの平均パット数を公表している。

このうち、パーオンホールのパットは、1パットならバーディになる重要なパット。2018年は鈴木愛が1.7414で1位を獲得、2位に勝みなみ1.7502、3位にアン・ソンジュ1.7596が入り、5位に新垣比菜1.7712 、14位比嘉真美子1.8012と続いている。

この数値は、「パーオンホールの総パット数/パーオンホール数」で算出されており、鈴木の約1.74と勝の約1.75は100回のパーオンで174パット対175パットと1打の差となって表れる。これが、5位新垣比菜の1.77で3打、14位比嘉真美子1.80で6打と開く。

LPGAに多い3日間大会で決勝まで進めば54ホール、パーオン率が65%を超えるトッププロでは3試合で100回のパーオンホールを迎えることになり、パットだけでこの差は大きい。少ない出場の中で挙げた鈴木の年間4勝もうなずける。

一方のラウンド当たりの平均パット数は、単純に「総パット数/ラウンド数」で求めた数値で、1ラウンド18ホール36パットがパープレーの基準となる。少ないほど良いことに違いはないが、ボギーパットやダブルボギーパットなどもカウントされるため、比較が難しい。今季は、28.2762で勝が1位、28.5867で鈴木が2位に入り、3位は28.8706で原江里菜だった。

パーセーブには、パーオンよりもリカバリーが重要?

パーセーブ率は、バーディ、イーグルも含め、パーより良いスコアを獲得したホールの割合を表している。この数値が大きいほど取りこぼしが少ないということになり、安定したプレーヤーの目安になる。

パーセーブ率表

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2018年は、1位アン・ソンジュ89.7386、2位鈴木愛89.1111、3位比嘉真美子88.9434、4位申ジエ88.7668の順で、賞金ランキングとほぼ符合する結果となった。

パーセーブ率は、パーオン率が高いほど有利なように思われるが、実際はそうでもないようだ。パーセーブ率1位のアンはパーオン率12位で、パーセーブ率2位の鈴木に至っては、パーオン率は17位となっている。

そこで問題になってくるのが、パーオンしないホールでパー以上を獲得するリカバリー率。グリーン周りからのチップインバーディや、寄せて1パットで凌ぐ寄せワンなどの粘り強いプレーが要求される。こちらの1位はアンの69.7248、2位は鈴木で69.6429だった。ちなみに、パーオン率1位の申は、リカバリー率で7位、パーセーブ率で4位にとどまった。

ドライバーが飛ぶほうがロングホールで有利?

LPGAの公表するドライビングディスタンスは、ラウンドごとに2ホールを使って計測した、ティーショットが止まった地点までの平均飛距離をいい、フェアウェイかどうかは関係ない。また、風の影響が出ないように、反対方向の2ホールで測定している。

飛距離表

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2018年は1位葭葉ルミ258.29ヤード、2位穴井詩258.05ヤード、3位比嘉真美子254.34ヤード、4位渡邉彩香252.11ヤード、5位原英莉花251.90ヤードと5位までは日本人選手が独占、7位のテレサ・ルーまでが250ヤードを超えた。

ただ、飛距離が出るからロングホールで有利かといえばそうでもなく、パー5の平均スコア1位は、ドライビングディスタンス232.94ヤードで58位の申ジエが4.6768で獲得、2位に比嘉が4.6970、3位にドライビングディスタンス32位の鈴木愛が4.7047と続き、ドライビングディスタンス1位の葭葉は4.7902で17位、2位の穴井は4.7262で7位だった。

とは言え、飛距離に意味がない訳でもなく、イーグルの年間獲得数1位は葭葉の8個、2位タイに穴井が6個で続いており、興味深い結果となっている。