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男子プロゴルフ全日程が終了。 賞金王今平周吾はマスターズ出場も視野に

2018 12/6 07:00SPAIA編集部
今平周吾,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

一番小柄な賞金王、今平周吾はグリップに工夫

小平智の優勝で幕を閉じた、男子プロゴルフツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」。全試合日程が終了し、賞金王は26歳の今平周吾に確定した。日本人賞金王としては、石川遼の18歳と松山英樹の21歳に次ぐ3番目の若さだ。

今平は石川、松山の1学年下だが、この2人とはジュニア時代からの好敵手だったようだ。特に石川とは同じ埼玉県出身同士で、同じ大会で度々顔を合わせ、中学2年生の時に関東ジュニアゴルフ選手権で石川を下し優勝した。高校時代には日本ジュニアゴルフ選手権競技で、松山を抑え優勝している。

2009年高校を中退し、アメリカに渡り2年間のゴルフ留学を経験。帰国した2011年にはプロへ転向。以降、2014年下部ツアーで優勝し、2015年にシード権を獲得。

2017年には初優勝と順調にステップアップし、2018年は24戦中14試合でトップ10に入るほど堅実なゴルフを展開した。優勝は10月のブリヂストンオープンで挙げた1勝のみながら、賞金1億3900万強を獲得し、見事賞金王に輝いた。

身長165cmは歴代賞金王の中で一番小柄だが、極端にグリップエンドを残す短い握りでミート率を上げ、飛距離は体の可動域を最大限使った大きなスイングアークでカバーしている。

今季スタッツは、ドライビングディスタンスは287.09ヤードで32位ながら、1ラウンド当たりのバーディ率は4.13で1位、平均パット数も1.7333で1位を獲得。平均ストロークでは69.92とただ一人60台をマークした。

2018年総仕上げはマスターズ出場権

今季の好成績により世界ランキングも上昇。2018年国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」終了時点の115位から「ゴルフ日本シリーズJTカップ」終了時点では、55位まで順位を上げた。こうなると来年4月のマスターズへの出場も現実味を帯びてくる。

マスターズへ出場するためには、今年末の世界ランキングで50位以内に入るか、来年3月31日付けの世界ランキングで50位以内に入る必要がある。

今平は今年末の50位以内を目指して、12月13日から開催されるアジアンツアーのインドネシア・マスターズに出場するつもりだ。この試合はアジアンツアーの最終戦として行われるが、昨年は当時世界ランキング6位だったジャスティン・ローズが優勝するなど、フィールドが高く上位入賞は簡単ではない。

昨年は宮里優作が世界ランキング58位で出場して4位に入り、年末で世界ランキングを50位に上げてマスターズ出場を果たしている。今平はマスターズへの切符をつかめるのだろうか。

最優秀新人賞は星野陸也

12月3日に行われた「2018年度ジャパンゴルフツアー表彰式」では、最優秀新人賞に星野陸也が選出された。

星野は1996年5月生まれの22歳。身長186cmの体格を生かした大きなゴルフが魅力で、早くから活躍が期待されていた。今季は24試合に出場してトップ10入が9回、9月の「フジサンケイクラシック」では、2位の今平に5打差を付けて念願の初優勝に輝いた。

ドライビングディスタンス7位で、295.51ヤードを記録した飛距離が武器だが、フェアウェイキープ率51.72%で72位、サンドセーブ率47.79%で61位など、まだまだ荒削りな面もある。成績にも現れており、24試合中予選落ちが7試合もあった。

それでも、平均ストロークは70.67で10位につけ、賞金ランキングは7300万円を超えて6位に付けた。来季大化けの予感がする。