「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

LPGAシード戦線異常あり!大幅入れ替えの可能性も

2018 11/14 11:00SPAIA編集部
ゴルフクラブ,ⒸShutterstock
このエントリーをはてなブックマークに追加

55位までに前期出場権が与えられるも、目指すは50位までのシード権

LPGAツアー第36戦「伊藤園レディスゴルフトーナメント」は黄アルムの優勝で幕を閉じ、今季も「大王製紙エリエールレディスオープン」と最終戦「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」の2試合を残すのみとなった。最終戦は賞金ランキング25位までと今季優勝者、ロレックスランキング上位者など限られた選手の大会となるため、シード当落線上にいる大多数の選手は次戦「大王製紙エリエールレディスオープン」が最終戦になる。

今季より導入したリランキング制度により、ツアーへの出場資格が変更されたため、賞金ランキング50位までのシード選手の次点者5名には、第1回リランキングまでの出場資格が与えられる。だが、それは期限付きの出場資格でしかなく、目指すのはあくまでも50位までのシード権だ。毎年シード権を目指して厳しい戦いが繰り広げられるのだが、今年は思いがけない選手が多数シード圏内に入れないでいる。

イ・ボミや渡邉彩香は賞金シードに届くのか

その筆頭が、イ・ボミだ。2011年からLPGAツアーに参戦、14試合の出場で賞金ランキング40位となりシード権を獲得。2017年まで7年連続でシードを守りつつ、その間にも21勝し、2015と16年は連続賞金女王になっている。今季はここまで23試合に出場し、賞金獲得額800万円強でランキング84位、シード権確保には優勝しかない状況に追い込まれた。ただ、イの場合は、2016年賞金1位に与えられる3年間シードが2019年まで残っているので試合出場に心配はない。

渡邉彩香は、賞金獲得額2000万円強でランキング55位と際どい順位で大会に望む。2013年に46位でシード入りを果たすと、2017年まで5年連続でシードを守り、2016年のリオオリンピックでは代表選手の座を争った実力者だ。172cmのがっしりした体格から放つ、ドライバーの飛距離が魅力で将来を嘱望されている。今季は、終盤の10月に3試合ほど出場せずアメリカツアーのQTを受験。帰国後の「伊藤園レディスゴルフトーナメント」でも予選落ちを喫し、シード圏内からはじき出された。

その他にも、2016年に2勝を挙げ、賞金ランキング3位の笠りつ子が51位。2017年に初優勝を挙げ、初シードながら賞金ランキング7位に付けて注目を集めた川岸史果が58位。これまでに5勝を挙げ、2007年から連続11年シードを守ってきた服部真夕は82位と、それぞれの位置からシードを狙う。

370万円差はひっくり返るのか、最終日のドラマに期待

一方で、早々にシード権を確定させた選手も多い。2回目のリランキングとなる9月21日~23日にかけて開催された「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント」終了時点では、既に10名が賞金獲得額を2400万円以上に乗せ、権利をほぼ手中に収めた。

特に、2017年プロテスト合格組の躍進が見事で実質1年目にもかかわらず、小祝さくら、勝みなみ、新垣比菜、松田鈴英と10人中4人を占める勢いだった。その後、原英莉花、木村彩子、カリス・デイビッドソン、大出瑞月と次々に2400万円超えを果たし、今季シード権を持たない14名がシード入りをほぼ当確としている。

シード圏内の50位までには現時点で、シード復活を目指す佐伯三貴が45位に、今季初優勝を挙げた香妻琴乃が47位に、こちらも今季初優勝を挙げた大里桃子が50位となっている。

さらに、52位・一ノ瀬優希、54位・安田彩乃、56位・金田久美子、57位・原江里菜、59位・金澤志奈、60位・野澤真央らがシード獲得を目指している。50位の大里と51位の笠との差は約4万円、60位の野澤との差は約370万円。昨年の「大王製紙エリエールレディスオープン」の単独6位の賞金は400万円の賞金だった。逆転はあるのか、シード選手が底力を発揮するのか、今年はどんなドラマが待っているのだろう。