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申ジエLPGAグランドスラムに王手 悪天候の女子プロ選手権で若手2人も健闘

2018 9/12 10:58SPAIA編集部
申ジエ,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

世界レベルの実力を見せつけた申ジエ

LPGA公式戦2戦目となる「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」は9月6日~9日まで行われ、韓国の申ジエの優勝で幕を閉じた。先週の「ゴルフ5レディス プロゴルフトーナメント」にも勝っており、2週連続優勝を果たすとともに、賞金ランキングでも鈴木愛を抜いてトップに躍り出た。

試合は、初日こそ好天に恵まれたが、2日目からは一転雨や風によるタフなコンディションの中で行われた。初日5アンダー首位タイでスタートを切った申は、2日目も雨の中6アンダーとスコアを伸ばし、2位に5打差をつけて単独首位に立つと、3日目、最終日もスコアを伸ばし続けた。

圧巻だったのは最終日、風速10m近い風と雨で、同じ最終組で3打差のジョン・ジェウンが2オーバー、6打差3位タイの有村智恵が8オーバーとスコアを崩す中、申はバーディーを積み重ね大会新記録となる通算16アンダーを達成、2位に9打差をつけ全く寄せ付けなかった。

悪天候の中の優勝争いにも動じない精神力もさることながら、雨風の中でも、方向と距離を出していけるショットの正確性と、グリーン周りの水分を含んだ重いラフからでもパーが取れるアプローチの技術力が際立った。 これで、5月に行われた公式戦1戦目「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」に次ぐ、公式戦2連勝となり、残りの公式戦、9月27日から行われる「日本女子オープンゴルフ選手権競技」と最終戦の「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」を取れば年間グランドスラム達成となる。

「リコーカップ」は2015年に勝っているので、落としたとしても3週間後の「女子オープン」を取れば、LPGA初の生涯グランドスラム達成となる。

最終日スコアを伸ばして4位タイ、初シードに前進大出瑞月と濱田茉優

多くの選手がスコアを崩す中、若手の2人、大出瑞月(おおいで・みずき)と濱田茉優(はまだ・まゆ)が4アンダー11位タイから出て1アンダーで回り、4位タイまで順位を上げて、それぞれ、1100万円を獲得した。

大出瑞月は、1997年11月生まれの20歳。2016年のプロテストに合格して、その年のQTは29位で通過、2017年は34試合に出場している。結果は19試合で予選落ちを喫し、賞金獲得額は800万円弱で、ランキングは85位とシードには届かなかった。2017年のQTは10位で通過、2018年前半の出場権を手に入ると、リランキングは25位で通過して、ほぼ全試合の出場権は手に入れている。

この試合前までの賞金獲得額は1090万円で64位と、シード権圏内の50位まで差があったのだが、1100万円を加算して一気に35位まで躍進した。賞金2200万円弱ではまだ安心できないが、残りの試合で、気を抜かなければ大丈夫だろう。

濱田茉優は1995年9月7日生まれで、大会2日目に23歳になったばかり。2015年のプロテストに合格して、その年のQTを42位で通過、2016年は25試合に出場したが、賞金ランキングは83位に低迷。だが、2016年のQTを8位で通過して臨んだ2017年は、32試合に出場、賞金ランキングを52位まで上げて、51位~55位までに与えられる2018年リランキングまでの出場権を獲得した。

その2018年シーズンは、開幕戦の「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」で3位タイに入るなど好調な滑り出しを見せて、リランキングは12位で乗り切り、賞金ランキングでもシード権圏内の42位に着けていた。今回1100万円を加算して、賞金額は2800万円を超え27位に躍進、シード権を確定させるとともに、25位までに与えられる最終戦「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」への出場にも可能性が出てきた。

先週の「ゴルフ5レディス プロゴルフトーナメント」でも3位タイに入っており、初優勝も近いかもしれない。