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申ジエを追い詰めた小祝さくら 惜しくも優勝に届かず

2018 9/5 19:17SPAIA編集部
ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント, LPGAツアー,小祝さくら
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Ⓒゲッティイメージズ

攻撃的なゴルフでプレーオフへ

LPGAツアー26戦「ゴルフ5レディス プロゴルフトーナメント」は、8月31日~9月2日の日程で行われ、韓国の申ジエがプレーオフで小祝さくらを振り切り、今季2回目の優勝で幕を閉じた。しかし2位となった小祝さくらの健闘が光った試合でもあった。

試合は最終日、12アンダーで単独首位に立った申を、2打差10アンダーで3位タイにつけた小祝が追いかける展開でスタート。前半は申が2バーディ1ボギー、小祝が3バーディ2ボギーと、それぞれが1打伸ばす。後半、申は10番をボギーとしたが、その後2バーディを取り返して1アンダーにまとめた。1組前を行く小祝は攻撃的なゴルフを展開し、16番までに5バーディ1ボギーと逆転に成功。1打リードで17番に臨んだ。

17番は389ヤードと距離のあるミドルホール。上がり3ホールの中では1番難易度は高いが、小祝は予選の2日間、パーで切り抜けている。そのためこのまま逃げ切るかに思われたが、痛恨のボギーを叩いて申と並び、プレーオフに突入することとなった。

LPGAツアー初のプレーオフ中断 遠のいた初優勝

プレーオフには18番ミドルホールが使用された。下りの371ヤード右ドッグレッグのこのホールは、ドライバーでしっかり打てれば、残り距離は短く、バーディが計算できる。反面、フェアウェイが狭く、よほど正確なショットでないと、ボールはラフに入ってしまい、ボギーも覚悟しなければならない。ドライバーで距離を稼ぐか、フェアウェイウッドで正確性を求めるか、判断が分かれるホールだった。

プレーオフ1ホール目、小祝は距離を求めてドライバーを選び、申は正確性を選んで3番ウッドを使用した。その小祝のドライバーショットは、左に引っ掛けて木に当たり飛距離も出ない。距離のあるラフからの難しいショットが残ったが、何とかグリーンを捉えパーとした。申は、思いどおりの正確なティーショットからグリーンを狙ったが、ピンには絡まずやはりパーとして、勝負は2ホール目に持ち越された。

ところが、ここで雷雨接近によるプレーオフの中断が入ってしまう。LPGAツアー初だという中断は約1時間半に及び、プレーオフ初経験の小祝には、集中力の維持が難しかったようだ。再開された2ホール目も、ティーショットにはドライバーを選択してラフに打ち込む。2打目でグリーンを捉えたものの、約15mのバーディパットは3mもオーバー。これを外してボギーとし、初優勝は叶わなかった。

優勝争いの常連に定着、期待される「選手権」での初優勝

小祝は北海道北広島市出身、1998年4月生まれの20歳。いわゆる黄金世代だ。アマチュア時代は2016年「北海道女子アマチュアゴルフ選手権」、「北海道ジュニアゴルフ選手権女子15~17歳の部」などで優勝を飾り、北海道では向かうところ敵なしの活躍を見せた。

高校を卒業して2017年プロテストに1発合格を果たし、2017年QTを9位で通過。前期の出場権を手にすると、予選落ちもあるものの、「ヤマハレディースオープン葛城」で5位タイ、「中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン」2位タイと優勝争いにも顔を出し、リランキングを7位で通過した。

リランキング後は、予選落ちも少なくなり、「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディーストーナメント」からの3試合を4位、2位タイ、3位タイと活躍して、優勝争いの常連に定着した。

これまで、最終日を首位で迎えた試合は3度あったが、ことごとく逆転負けを喫して、優勝には届いていない。しかし今回の「ゴルフ5レディス プロゴルフトーナメント」では最終日2打差を追いついてのプレーオフで、自信になったのではないだろうか。

次戦は9月6日の「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」。初優勝を飾るにはこれ以上ない舞台だ。