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男子ゴルフ国内開幕戦東建ホームメイトカップの国際色豊かな歴代優勝者

2018 3/14 11:44hiiragi
リャン・ウェンチョン,梁津萬
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2017年優勝、R&Aの親善大使にも抜擢された中国出身梁津萬

梁津萬(リャン・ウェンチョン)選手は、1978年生まれの中国広東省出身。16歳からゴルフを始め、1996年から中国アマ3連覇を達成しプロに転向。日本ツアーには、2000年のキリンオープンに出場して36位タイの実績を残し、毎年スポット参戦をしていた。しかし2004年から本格参戦を果たし、12試合に出場して賞金ランキング53位で見事シード権を獲得した。

2007年にはシンガポール・マスターズで優勝し、アジアンツアー賞金王、2010年には2勝を挙げたワンアジアツアーで賞金王になるなど、海外で活躍はするものの日本ツアーではなかなか優勝ができなかった。

初優勝は参戦12年目となる2015年の日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hillsだった。今までは勝ちたい思いが強過ぎるあまり自滅していたが、この試合では3日目までに5打差の貯金を作り、最終日にも余裕を持ってプレー、国内初優勝をメジャーで飾った。

2017年の国内初戦東建ホームメイトカップが国内2勝目となった。この試合は3日目を終わって2打差の首位で最終日を迎えた。前半はボギーが先行し、1オーバーとして混戦を招いてしまう。しかし後半は4バーディを奪い試合を決めた。日本、アジア、欧州と股にかけて活躍する梁選手は、2013年にR&Aの親善大使に抜擢された経験を持つ。

目下の目標は2020年東京オリンピックに中国代表として出場することである。

2016年優勝、日本ツアー賞金王2回の韓国出身金庚泰

金庚泰

Ⓒゲッティイメージズ


金庚泰(キム・キョンテ)選手は1986年生まれの韓国出身。14歳からゴルフを始め、アマチュア時代は鬼の異名を取るほど強く、日本の大会にも出場し、日本アマチュアゴルフ選手権競技で2005年、2006年と連覇を果たしている。2006年末にプロ転向すると、翌年には韓国ツアーで3勝を挙げ、韓国賞金王に輝いた。

2008年に日本ツアーへ参戦すると、初年度から賞金ランキング49位でシード権を獲得。2010年のダイヤモンドカップゴルフで初優勝を挙げ、2010年は年間を通して好調なゴルフを展開。日本オープンゴルフ選手権競技でメジャー初制覇を挙げると、マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメントでも優勝。21試合中、優勝3回、トップ10入り15回(優勝を含む)と隙のないゴルフを展開し、韓国選手として初となる賞金王となった。

以降はアメリカツアーへの挑戦失敗など調子を落とした時期もあったが、2015年には20試合に出場して5勝を挙げる活躍をみせ、2度目の賞金王に。2016年に国内初戦東建ホームメイトカップをプレーオフで制すると、中日クラウンズ、~全英への道~ミズノオープンでも優勝と、出場4試合で3勝というハイペースで連続賞金王の期待もかかった。しかし、後半は海外試合を優先したため、賞金ランキングは3位に終わった。

2017年は21試合に出場したが優勝はなく、賞金ランキングは13位まで下がった。2018年の復活優勝はあるのだろうか。

2015年優勝クリケットから転身ニュージーランド出身マイケル・ヘンドリー

マイケル・ヘンドリー選手は1979年生まれニュージーランドの出身。ゴルフは12歳から始めたが、ゴルフと並行してプレーしていたクリケットでニュージーランド19歳以下の部代表に入り、活躍した異色の才能の持ち主だ。しかし、肩の故障でクリケットは断念。ゴルフに絞り、2005年にプロ転向した。

日本ツアーには、2010年のアジアパシフィックパナソニックオープンへの出場が最初だが、同郷の先輩選手の勧めもあり、QTを受験26位で通過して2013年から日本ツアーに参戦をしている。

2013年は17試合に出場し、賞金ランキング71位でギリギリながらシード権を獲得。2014年は16試合で賞金ランキング51位と順位を上げ、2015年国内初戦東建ホームメイトカップで初優勝を果たした。この試合は3日目を終わって首位と3打差の4位タイから追い上げ、最終日7アンダーを出して逆転優勝を成し遂げた。

2016年は賞金ランキングを12位に上げて地歩を固め、2017年は~全英への道~ミズノオープンで2位に入り、全英オープンへの出場権を手に入れた。アメリカツアーに挑戦したい夢を持つヘンドリー選手、2018年はどんな活躍を見せてくれるのだろうか。

2014年優勝遅咲きの賞金王宮里優作

宮里優作

Ⓒゲッティイメージズ


宮里優作選手は1980年生まれの沖縄県出身。父親はゴルフのレッスンプロ、兄はプロゴルファーの宮里聖志選手、妹は女子プロゴルフ界のレジェンド宮里藍選手というゴルフ一家だ。3歳の頃からゴルフを始め、アマチュア時代から注目を集めた。

東北福祉大学時代の2000年~2002年にかけて、日本学生ゴルフ選手権競技3連覇。2001年日本アマチュアゴルフ選手権競技優勝など活躍を重ね、2002年末にプロ転向した。

プロデビュー戦となった2003年東建ホームメイトカップでは、14位タイで競技を終えている。2003年は賞金ランキング54位と、プロ1年目にしてシード権を確保するなど、初優勝も時間の問題だと思われていたのだが、なかなか優勝ができなかった。

初優勝は2013年の最終戦、ゴルフ日本シリーズJTカップ。プロデビューから11年目の初優勝だった。これで少し気が楽になったのか難しいとされる2勝目は、年を跨いだ2014年国内開幕戦東建ホームメイトカップで挙げることができた。

そして2015年に3勝目を挙げると、2017年には年間4勝を挙げ賞金王を獲得、2018年のマスターズ出場も確定した。宮里優作選手の2018年に期待したい。