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2017年女子プロゴルフの部門別上位にランキングされた選手

2017 12/27 16:03hiiragi
優勝カップ,ゴルフボール
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最優秀選手と賞金女王の2冠達成、鈴木愛

主要3部門のうち、最優秀選手を決めるメルセデス・ランキングと賞金女王を決める年間獲得賞金の1位は鈴木愛選手が獲得した。メルセデス・ランキングとは、各大会での成績や、出場ラウンド数などをポイント化して評価するランキングで、シーズンを通しての総合的な活躍が求められる。
鈴木選手は29試合に出場して27試合で決勝に進出、トップ10には16回入り2度の優勝の結果、成績ポイントでは優勝3回のキム・ハヌル選手に及ばなかった。しかし、ラウンド数で勝り、合計ポイントで1位となり、2位はキム・ハヌル選手、3位はイ・ミニョン選手だった。

合計ポイントはそれぞれ1ポイント差のきわどい勝負になり、獲得賞金もこの3人の争いとなった。キム選手は前半だけで3勝を挙げ、賞金女王の本命かと思われたが、後半安定した鈴木選手が逆転。イ選手は常に好位置から逆転を狙ったが届かなかず、最終的にはイ選手が2位でテレサ・ルー選手が3位、キム選手は4位だった。

平均ストローク1位、元世界ランキング1位申ジエ

シーズントータルのスコア数から、1ラウンドあたりの平均スコアを算出した平均ストロークは、申ジエ選手が70.2920で1位を獲得。この数値はパー72以外のコースでもパー72として調整した値なので、出場試合による誤差のない本当の実力を表している。
成績上位者は、例年70切りを目指して挑戦するが今年も達成できなかった。

申選手は2013年までアメリカツアーを主戦場に戦い、2014年から日本ツアーに本格参戦したが、2009年アメリカツアーで賞金女王、2010年には世界ランキングで1位まで上り詰めた。
2017年は、シーズン初め体調不良で欠場試合が数試合あり、24試合しか出場できなかったが、トップ10には13回入り、8月のニトリレディスゴルフトーナメントと11月の大王製紙エリエールレディスオープンに優勝して、賞金ランキングは5位だった。
平均ストローク2位はテレサ・ルー選手、3位はイ・ミニョン選手と外国人選手が占め、日本人1位は総合4位の鈴木愛選手だった。

圧巻!平均飛距離260.76ヤード、ドライビングディスタンス1位葭葉ルミ

女子プロゴルフツアーのドライビングディスタンス(ティーショットの平均飛距離)は、2017年シーズンから計測が開始された。具体的には、それぞれの大会のラウンド毎に風の影響を考慮し、反対方向を向いた2ホールを選んで測定され、フェアウェイかラフかは関係なくボールが止まった距離までで計測される。

2017年シーズンのドライビングディスタンス1位は、171回の計測で260.76ヤードの平均値を記録した葭葉ルミ選手だった。葭葉選手は2012年プロテストに合格して、2014年にはシード権を獲得、以降2017年まで4年連続シード権を維持している。
2016年のニッポンハムレディスクラシックで初優勝し、ドライバーの飛距離は2017年シーズンから飛躍的に伸びた。それまで使っていたドライバーを変えたそうだが、徹底して自分に合うクラブを選んだらしい。
活躍は日本だけにとどまらず、7月に行われた全米女子オープンでは4日間戦い、海外の飛ばし屋を抑えて見事ドライビングディスタンス1位に輝いた。

平均パット数(合計)で1位は今季初優勝の森田遥

パット部門では、パーオンホールのパット数を数える平均パット数で申ジエ選手が1.7537で1位になり、1ラウンドあたりのパット数を数える平均パット数(合計)では28.8041で森田遥選手が1位になった。
パーオンホールが対象となる平均パット数は、言い換えればバーディパットの成功率を表しており、パットの評価はこの数値で論じられることが多い。申ジエ選手に続いて2位に鈴木愛選手、3位に全美貞選手と賞金ランキング上位者が続いた。

平均パット数(合計)で1位となった森田遥選手は2017年シーズンでは31試合に出場してトップ10には8回入り、8月に行われた北海道meijiカップで初優勝を果たした。
1996年生まれとまだ若いが、2015年にはアメリカに渡り、アメリカツアー下部のシメトラツアーで戦った経験もある。2016年から日本ツアーに参戦してシード権を獲得、2017年は賞金ランキング13位だった。
平均パット数(合計)2位に姜秀衍選手、3位には青木瀬令奈選手が入っている。

イーグル数1位復調なった飛ばし屋、比嘉真美子

イーグル数はシーズン10個を奪った比嘉真美子選手が1位だった。
比嘉選手は2012年プロテストに合格すると、2013年には賞金ランキング8位でシード権を獲得したが、得意のドライバーが不調に陥り2015年にはシード権を失った。2016年に再度シード権を獲得して2017年は完全復活を目指していた。
前半は予選落ちが6回と苦しい戦いとなったが、8月のNEC軽井沢72ゴルフトーナメントで優勝を果たした。イーグルはティーショットの飛距離が大きく左右する。ドライビングディスタンスも248.82ヤードで7位とドライバーの不調からは立ち直ったようだ。

バーディ数1位は、36試合で357個を奪った藤本麻子選手だった。藤本選手は36試合中予選落ちが6回あったが、トップ10には7回入り賞金ランキング19位でシーズンを終えた。
特に後半は、2度の2位があり優勝争いに絡んだものの、惜しいところで優勝を逃した。バーディ数は十分だったが、勝負どころでミスが出て勝ちきれなかった。2018年は、このままバーディを取り続けて優勝を手にしたい。