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ボールを上げてランを抑える、ピッチショットの上手いプロゴルファー

2017 7/12 14:39hiiragi
片山晋呉選手
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Photo by mooinblack/Shutterstock.com

ピッチショットは距離のあるアプローチや、グリーン面が見えないときに有効な、ボールを上げるアプローチだ。グリーン周りでランが出せない場面でも使う。ここでは、ピッチショットを打たなければいけない場面やコツと共に、ピッチショットの上手いプロゴルファーを紹介する。

距離を合わせるのが難しい厄介なショット

ボールの場所まで行ってみると、ランニングはもちろんピッチエンドランでも寄りそうもない場面に遭遇することがある。カップからグリーンエッジまでの距離がほとんどないショートサイドにボールがあるときや、距離はあってもカップに向かって下っている場合など、ランが使えない状況がそうだ。
こんな時はランを出さないピッチショットが有効だが、ショットそのものが難しく、上手く打てたとしてもなかなか距離が合わない厄介なショットだ。クラブは一番ロフトのあるアプローチ用クラブを使う。

まずはグリーンに乗せることを考える

ピッチショットを打つ時は、ボールの位置は体の中心か少し左足寄りにおいて構える。体を開いてクラブのフェース面を目標に合わせるとロフトが寝てくるので、より高いボールを打ちやすくなる。後は、ボールをすくい上げる意識をなくして、距離はふり幅で調整する。
決まれば満足度の高いショットだが、まず考えたいのは最悪にしないことだ。狙いすぎてグリーンまで届かない状態が最悪だ。まずはグリーンに乗せることを意識すれば、大きな失敗をしなくても済むだろう。

ピッチショットが決まって初優勝、宮里優作選手

宮里優作選手は、アマチュアではタイトルを総なめにし、鳴り物入りでプロに入った。優勝はすぐだろうと思われていたが、意外にも初優勝までに丸10年かかった。
初優勝となった2013年のゴルフ日本シリーズJTカップ 最終日18番ホールは、傾斜のきついグリーンを持つショートホールだ。ティーショットはカップと反対のラフへ。2打目をランニングで寄せようとするが、ボールは勢い余ってカップ側のラフにこぼれる。ショートサイド、左傾斜が残る最悪の状況だった。カップまで約8m、フェースを開いて打ったピッチショットは、1m手前に落ちてコロコロとカップに吸い込まれた。

ピッチショットとともに消えたオリンピック、渡邉彩香選手

渡邉彩香選手は2012年プロテストに合格、2014年には初優勝を挙げ、2016年までに計3勝を挙げている若手の期待選手だ
。特徴は172cmの長身から打ち出されるドライバーショットで、日本LPGA計測の2017年ドライビングディスタンスでは、堂々2位に着けている。
2016年は渡邉選手にとって、オリンピック出場に向けての挑戦の年だった。選考最終試合の全米女子オープン最終日最終18番ホールパー5、バーディを取ればオリンピック出場が決まる。ピンを狙った約60ヤードの池越えの第3打は少しショートして無情にも池に消えてしまう。ピッチショットに自信があるからこその勝負の一打だった。

打点がブレないピッチショットで30勝、片山晋呉選手選手

片山晋呉選手は1995年にプロテストに合格、1998年に初優勝を挙げ、日本トーナメントでは優勝30回、国内メジャー7勝を記録する永久シード選手だ。4大メジャー大会にも強く、マスターズでは4位タイ、全米プロゴルフ選手権でも4位タイに食い込んだ実績がある。
2016年はリオ・オリンピックにも出場、30回目の優勝もこの年に達成して、まだまだ元気なところを見せてくれた。そんな片山選手の強みは、安定感抜群のアプローチショットだ。打点がブレないピッチショットで、リカバリーショットを決めていく。

まとめ

アプローチショットでは比較的難しい、ピッチショットの概要や打ち方に加え、上手なプロゴルファーを紹介した。比較的距離があるピッチショットはそれほど難しくないが、グリーン近くからのピッチショットは、ピンチの場面が多く、精神的にも厳しいものがある。あまり考えすぎない方が、いい結果が得られそうだ。