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生涯賞金獲得額10億円、横峯さくら選手のゴルフ人生

2017 6/30 12:56hiiragi
横峯 さくら
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絶好のライバルを得てプロを目指す

横峯さくら選手は鹿児島県出身の女子プロゴルファー。8歳の頃からクラブを握り、全国規模のジュニア大会で成績を残した。1999年に行われた日本ゴルフ協会主催の日本ジュニアゴルフ選手権競技 女子12歳~14歳の部で優勝、一躍脚光を浴びる。この大会には、アマチュア時代プロ時代をライバルとして戦う宮里藍選手も参戦、9位タイで終わっている。
2002年には15歳~17歳の部で優勝、宮里選手は1打差の2位だった。翌2003年の15歳~17歳の部では2位に終わったが、この時の優勝は宮里選手で、お互いに譲らない好勝負が続いた。
2001年からプロのトーナメントにも参戦を始め、2003年NEC軽井沢72ゴルフトーナメントでは5位タイ、日本女子オープンゴルフ選手権競技では10位タイと上位にも顔を出すようになった。そして2004年4月の再春館レディース火の国オープンでは、2日目の13位から最終日首位タイでホールアウト、当時の女王、不動裕理選手と韓国出身、高又順選手とのプレーオフにもつれ込んだ。
ライバル宮里選手が2003年に高校生で優勝、プロに転向した後だけに何としても勝ちたい試合だったが、不動選手の前に敗れて、アマチュアでの優勝はならなかった。横峯選手は8月に行われるプロテストを受けて、プロの道を目指すことになる。

これは快挙プロ試験合格の年にシード権獲得

日本女子プロゴルフ協会のプロテストは1次~3次まで行われ、3次試験の上位20位タイまでが実技試験合格と認められる。2004年のトップ当選は上原彩子選手で横峯選手は2位だった。
トーナメント本選でもそうだが、プロテストでも1位と2位では大きな開きがある。1位合格者には年内ほとんどの出場資格が与えられるが、2位にはそうした特典はなく、横峯選手に与えられた出場試合数は3試合だった。しかし、ここから奇跡の快進撃が始まる。
プロ初戦フジサンケイレディスクラシックで4位に入ると、マンシングウェアレディース東海クラシックでは10位、日本女子オープンゴルフ選手権では2位に入る活躍を見せる。さすがにメジャー大会の賞金額は大きく、ここまでの3試合で約1千万円を獲得、2003年のシード権圏内に入ってくる。
そして10月に行われたステップアップツアー穴吹工務店レディースカップで優勝し、レギュラー試合の出場権を獲得。翌週の樋口久子殿堂入り記念IDC大塚家具レディスでは、2位タイに入り474万円を獲得して出場4試合でシード権を確定させてしまう。結局2004年は7試合に出場、1千7百万円強を獲得して賞金ランキングも27位に入った。

優勝を逃した同じコースでつかんだ初優勝

ツアーフル参戦となった2005年は32試合に出場、賞金獲得額も7千万円弱にまで達し、賞金ランキングも4位まで上昇する。初優勝もこの年に達成した。
初戦のダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメントは22位と平凡な成績で終わったが、2戦目のスタジオアリス女子オープンでは3位タイと調子をあげ、3戦目ライフカードレディスゴルフトーナメントを迎えた。この試合は名称は変更されているが、2004年までは再春館レディースとして開催された大会である。2004年は横峯選手がアマチュア時代、女王、不動選手とプレーオフを戦って一歩及ばなかった大会だ。
それだけに今年こそはの思いが強かったのだろう。キャディには父親の横峯良郎氏についてもらった。横峯良郎氏は横峯選手にゴルフを進めた張本人で、2004年までは師として、キャディとして、横峯選手を支えてきた。
初日は首位と2打差の14位タイと絶好の位置からスタートする。2日目は首位タイに浮上、最終日を迎えた。前半は-1で乗り切るが、後半2つのボギーでスコアを落とす。16番を終わって、先行する台湾のジュリー・呂選手には1打のビハインド。しかし、17番で追いつくと、18番でもバーディを決めて見事初優勝を果たした。

最終戦最終日大逆転でつかんだ賞金女王

2006年にライバルである宮里選手はアメリカツアーに本格参戦で去り、賞金女王も6年連続君臨した不動選手に代わって、大山志保選手がその座に就いた。そんな中、横峯選手は3勝を挙げ、賞金ランキング3位に浮上する。
2007年も3勝を挙げ終盤まで賞金女王争いを演じるが、新鋭上田桃子選手に競り負けて2位に甘んじた。
2008年は、序盤から優勝争いはするものの、今一つ優勝に届かない。やっと優勝できたのが、最終戦前の大王製紙エリエールレディスオープンだった。最終戦 LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップに優勝優勝すれば賞金女王の可能性もあったが、11位タイと結果は残せず、賞金ランキング3位でシーズンを終えた。
迎えた2009年は序盤から好調を維持し、4月のスタジオアリス女子オープンで筋目となる通算10勝目を飾ると、5月には2勝目、6月には3勝目と順調に優勝を重ねた。9月に4勝目、11月に5勝目を挙げるが、最終戦のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップを残した時点のランキングトップは、諸見里しのぶ選手で、横峯選手は約540万円差の2位だった。
最終戦は3日目を終わって首位と5打差の5位タイにつけた横峯選手が、最終日、大逆転で優勝を飾る。最終ホール、諸見里しのぶ選手のパット次第というきわどい勝負だった。

5億円越え、10億円越えも優勝して達成

日本LPGAのツアー選手には、生涯獲得金額が10億円を超えた選手が2017年5月時点で4人いる。不動選手、李知姫選手、全美貞選手と横峯選手だ。
2004年にシード権を取ってから、2005年が約7千万円、2006年が9千6百万円と賞金を獲得、2007年に初めて1億円を超えてからは、2010年まで4シーズン連続で1億円を超え、賞金女王に輝いた2009年は1億7千5百万円強を獲得して、それまでの新記録を作っている。
5億円到達は2009年の9月に行われたマンシングウェアレディース東海クラシックだった。この試合は、賞金獲得額歴代トップの不動選手との優勝争いになったが、何とか逃げ切り2009年4勝目を挙げるとともに、生涯獲得金額も最年少で5億円を突破した。
10億円に到達したのは2014年の大王製紙エリエールレディスオープンだった。初日11位タイから2日目8位タイ、3日目2位と徐々に順位を上げ、最終日に逆転で優勝を果たした。通算23勝目となる、2014年の初優勝だった。この試合で生涯獲得額も10億円を突破、不動選手に次ぐ2人目の快挙となった。 この後、2015年からはUSLPGAに参戦、頑張っている。早く優勝の知らせを聞きたいものだ。