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ゴルフルールブックに沿って解説するゴルフのルールと処理の方法その1

2017 4/12 20:20hiiragi
golf rules
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ルールブック第1章はエチケット

ゴルフルールはR&Aと全米ゴルフ協会とが共同で制定、修正したものが英語で発行されている。日本では、日本ゴルフ協会が翻訳して、日本語で書かれたルールを制定している。しかし、ゴルフルールは難解なゆえか、ゴルファーにもあまり覚えてもらえない。プロのトーナメントでも、ルールの認識不足で罰打を受ける選手がいるぐらいだ。
ゴルフルールはゴルフの精神と対をなす。つまり、ゴルフ競技では、ティーインググラウンドから打ち出されたボールは、あるがままにプレーされて、ホールインされなければいけないのだが、それができなくなったとき、公正に処理する方法がルールなのだ。
ルールブックを紐解けば、ゴルフの精神が詰まっている。意外と思うかもしれない、ルールブックの第1章はエチケットだ。以下、第2章用語の定義、第3章プレーについての規則と続く。
第1章エチケットには、ゴルファーの心構え、プレーの進め方が記載されている。他のプレーヤーに対する心配りや、安全の確認。プレーのペース。コースの保護などが、書かれていて、プレーヤーの皆さんがこの章に沿ってプレーすれば、より快適なゴルフが楽しめる。

よく使うけどわかりにくいゴルフ用語

第2章は用語の定義だ。アルファベット順になっているため、翻訳された日本語では順番が分かりにくい部分がある。全てを知らなくてもゴルフはできるし、ルールを覚えるうえでもそれほどは困らない。それでもキーとなるゴルフ用語は覚えておいた方が、何かと便利だ。

・「カジュアルウォーター」はウォーターハザード以外の一時的な水たまりだ。アドレスを取った時しみだす水も該当する。ボールが入ると、無罰で救済が受けられる。

・「ラテラル・ウォーターハザード」はウォーターハザードの処理ができない地形にあるウォーターハザードで、コース上赤杭か赤のロープで表示される。通常のウォーターハザードの処理に加えて、ボールが最後に横切ったポイントから、2クラブレングス以内にドロップできる。

・「救済のニアレストポイント」は動かせない障害物や使っていないグリーンから、無罰で救済を受けるときの起点となるポイントだ。救済を受ける障害物から完全に救済されて、止まっているボール位置からホールに近づかない地点で、止まっているボールから1番近い地点がニアレストポイントだ。この地点から、ワンクラブレングス以内にドロップしてゲームを続ける。カート道路にとまったボールやネットが邪魔でクラブが振れないときもこのケースだ。

プレーについての規則、規則違反の罰打は2打

第3章からプレーについての規則が始まる。規則1?3に関しては、ストロークプレーやマッチプレーなどゲームに関する規則が書かれている。ストロークプレーは18ホールの打数で競い、マッチプレーは1ホールごとの打数で競う。

規則4はクラブだ。クラブは14本までしか持てないこと、他のプレーヤーが、使うつもりで持ち込んだクラブは借りられないことが書かれている。これに違反すると1ホールにつき2打罰が付く。
罰打は2打と1打があり、ゴルフルールをややこしくする根源になっている。自分の力量による罰打は1打、規則違反による罰打は2打と覚えておけば、間違いない。クラブ超過の場合、最大罰打は4打までだ。

規則5は球(ボール)だ。ボールはプレーができないぐらい傷やひびが入らないと変えてはいけない。2016年伊藤園レディスで松森彩夏選手がキャディさんに投げたボールが池に入り、見つからずボールを変えて2打罰になる事件があった。

規則6はプレーヤーに関してだ。スタート時間に遅れてはいけないことや、スコアカードの提出義務などが書かれている。スタート時間には厳しく、5分以上遅れると競技失格だ。

ラウンド中の練習やアドバイスは禁止

規則7は練習だ。ラウンド中に練習ストロークをしてはいけないと書かれている。ストロークとはボールを打つためにクラブを前方に動かす動作だ。したがって、松ぼっくりを打ったり、素振りは練習ストロークにはならない。例外的にプレーしたばかりのパッティンググリーンや順番待ちのティーインググランドでの、バットやチップショットなどは認められている。

規則8はアドバイスだ。クラブの選択や、スイングの方法を教えたり、他の競技者に確認したりしてはいけない。ショートホールで使ったクラブを聞くことや、もっと右を向いた方がいい、などがこれにあたる。ただし、正規のラウンド中の話だから、仲間同士のラウンドには関係ない。会社のコンペでは気を付けた方が無難だ。周知の事実(池やバンカーの位置など)に関する情報の提供は何の問題もない。

規則9は打数の報告だ。1ホールの打数は、ボールを打った回数に罰打を加えたものだ。1打目OB、2打目打ち直しでラフ、3打目OB、4打目打ち直しがグリーンオン、2パットの場合、6打にOBの1打罰を2回加えた8打になる。

ストロークプレーにおける打順

規則10はプレーの順番だ。朝1番の順番は、公式競技や月例競技などでは、組み合わせ表により決められている。仲間同士のラウンドでは、ティーインググラウンド横にあるくじ棒などで順番を決めてスタートする。
2打目以降はピンに遠い順にストロークする。それはグリーン上でも同じだ。同じくらいの距離にあれば、旗竿などで計測して順番を決める。
しかしマッチプレーは別としてストロークプレーでは、順番を間違えても、罰打も打ち直しの必要もない。それどころか、最近では、距離は無視して準備のできたプレーヤーからパットをする動きまで出てきた。これはスロープレー対策としてR&Aが試験的に行っているもので、成功すればルールブックが変更される可能性も考えられる。
ただ、同じタイミングで2人がパットをする、順番を譲り合うなど、ほかの問題も出てきそうで、どうなるかは未定だ。
ティーショットに関しては2ホール目からは、前のホールのスコア順にプレーする。1番成績の良かったプレーヤーが1番に打つことになり、敬意を込めてオナーと呼ぶ。 規則10までを紹介した。第3章・プレーについての規則は34項目ある。規則11以下は次回以降で紹介したいと思う。