無念の落選を乗り越え……樋口新葉は世界選手権で涙の銀メダル!
宮原と共に五輪代表の有力候補とされていた樋口新葉。
3月にミラノで開催されたフィギュアスケート世界選手権で、女子ショートプログラム(SP)8位から大躍進のフリー2位。合計210.90点で銀メダルを獲得したのだ。フリーの演技「007スカイフォール」をほぼ完璧に終えた樋口は「やったー!」と両手でガッツポーズして涙を見せた。昨年の世界選手権は11位で悔しさを味わう。その大舞台で見事に輝きを取り戻した。
樋口は、坂本と同じ高校2年生でシニア2年目。シーズン初戦のロンバルディア杯では、自己ベストを更新する217.63点。各国の強豪を退けて、シーズン全体で3位という快挙を成し遂げた。グランプリシリーズではロステレコム杯で3位、中国杯で2位。グランプリファイナルの出場権を獲得するが、初出場のファイナルでは実力を出し切れず6位に終わる。世界ランキング11位、シーズン世界ランキング5位と、いずれも日本人選手の中で上位に名を連ねており、五輪代表の座は射程圏内だった。
五輪代表選考を兼ねた12月の全日本選手権では、SPでダブルアクセルを失敗。フリーでも細かなミスが得点に響いて4位。右足首の靱帯が伸び、痛み止めを飲んでの出場だった。代表の2枠目は坂本花織が射止める。
平昌五輪と同時期にオランダで行われたチャレンジカップでは、唯一の200点台をマークして圧巻の優勝を飾る。フリーではいくつかジャンプのGOE(出来栄え点)マイナスも見られたが、スピンはオールレベル4を獲得。世界選手権に向けての仕上がりは順調だった。
五輪4位の宮原知子はSP、フリーともに3位の210.08点で銅メダル。日本女子がダブル表彰台という快挙を成し遂げたのは、安藤美姫が初優勝、浅田真央が2位となった2007年以来11年ぶりのことだ。日本女子は順位の合計を「5」として、2019年さいたま市で開催する世界選手権の出場枠において、最大の3枠を確保した。