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世界フィギュアスケート選手権で話題になった記憶に残るエキシビション

2018 1/24 11:45hiiragi
エフゲニー・プルシェンコ
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自分のスケートの世界を自由に表現できるエキシビション

2017年世界フィギュアスケート選手権では男子シングル優勝の羽生結弦選手、準優勝の宇野昌磨選手に加え、女子シングルで5位に入った三原舞依選手が、エキシビションに出場して華麗な滑りを披露した。
エキシビションは、応援してくれるファンに楽しんでもらうために行うショーだが、だれでも出場できるわけではない。競技の上位入賞者や開催国の選手に限られ、名誉なことなのだ。

エキシビションに出場する選手は、専用のプログラムを用意している。競技と違って規則のないエキシビションでは、試合の緊張感から開放され、のびのびと滑ることができるし、衣装や小道具を使って、自分のスケートの世界を自由に表現できる。
いつもと違った選手の演技や表情が見られ、楽しみにしているファンの方も多いようだ。

サービス精神旺盛、迷演技で喜ばせる2004年エフゲニー・プルシェンコ選手

エフゲニー・プルシェンコ選手はロシアの誇る男子フィギュアの絶対的王者で、世界選手権は2001年、2003年、2004年と3回の優勝を経験している。エキシビションでも何度か面白すぎる“迷演技”を残しているが、2004年世界選手権で3度目の優勝を成し遂げた後のエキシビションは、サービス精神旺盛なプルシェンコ選手の真骨頂ともいえる演技だった。

女装に早変わりできるように工夫された黒い衣装で登場すると、男性の演技から女性の演技に早変わりして、観客を喜ばせただけではなく、リングの外に飛び出して観客席の女性の手を取り、ダンスまで踊るサービスを披露した。

妖艶な演技で観客を魅了2005年イリーナ・スルツカヤ選手

イリーナ・スルツカヤ選手は世界選手権には9回出場して、2002年長野大会と2005年モスクワ大会で優勝しているロシアの選手だ。 自国で行われた2005年大会で優勝を決めた後のエキシビションでは、上下黒の衣装で登場し、映画「バットマン・リターンズ」の中で使われた曲に乗って演技を始めると、途中で動きを止めて、黒い上着を脱いのだ。

そして猫の動きを真似る動作を始めた。そこで観客はようやく『バットマンではなく、キャットウーマンだ』とわかるのだが、妖艶な出で立ちながら少しも下品ではない彼女の演技は美しかった。

表現力の成長を感じさせる演技を披露、2017年宇野昌磨選手

2015年世界ジュニア選手権優勝、2016年世界選手権7位、2017年世界選手権2位と成長著しい宇野昌磨選手だが、2017年世界選手権のエキシビションでは白いパンツにブルーの長袖シャツといった、カジュアルなスタイルで登場した。演技前にはパンツの前ポケットに両手を入れて、ラフな感じを演出する。

表現力が格段に成長したといわれるスケーティングは、制約がなくてのびのびと滑れるエキシビションでは特に素晴らしい。リンクいっぱいを使った演技が終わると、万雷の拍手だった。

世界ナンバーワンを再認識、優雅2017年羽生結弦選手

羽生結弦選手は2014年ソチオリンピック、世界選手権と優勝を飾り、世界の頂点を極めたが2015年、2016年の世界選手権では連続2位に甘んじ、2017年の世界選手権でSP5位から逆転で3年ぶりに優勝を勝ち取った。
競技の翌日に行われたエキシビションには、白と黒のコスチュームで登場するのだが、ジャンプよりもスピンを多く取り入れた滑りは、白鳥を彷彿させる優雅な演技となった。

しかし、全員が出てくるフィナーレでは、4回転ジャンプを披露したが、見事な尻もちをつきご愛嬌も披露した。やはり世界ナンバーワンだと認識させるエキシビションの演技だった。